漫画家・尾田栄一郎さん原作の『ONE PIECE(ワンピース)』は、これまでにアニメ、映画、ゲームなど様々な展開がされており、コミックスの累計発行部数は約3億2,000万部を突破し、昨年6月にこの記録は「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されました。
また、国内だけでなく世界中で高い人気を誇り、7月23日には映画最新作『ONE PIECE FILM GOLD』の公開が控えており、ファンの注目を集めていますが、16日に一部メディアによって実写映画化されることが決定したと報道され大きな話題になりました。
このニュースは、企業ニュースリリース配信会社『Business Wire(ビジネスワイヤ)』によって伝えられ、それによると中国・上海を拠点とする企業「Shanghai Minghuan Investment」が最近、『ONE PIECE』の著作権を原作者で著作権所有者の尾田さんから16億円(1510万米ドル)で購入し、実写映画化を計画中だとしていました。
また、主人公のモンキー・D・ルフィ役は、昨年7月期放送の実写ドラマ『デスノート』(日本テレビ系)で主演を務めた俳優の窪田正孝さん(27)で、窪田さんは最近gooランキングが発表した「ONE PIECEが実写化したら、ルフィ役をやってほしい人ランキング」で1位を獲得しているとしています。
<↓の画像が、ルフィ役を演じると報道された窪田正孝さんの写真>
ヒロインのシャーロット・プリン役については、中国のアイドルグループ『GNZ48』の謝蕾蕾さん(シェ・レイレイ 16歳)だといい、原作のシャーロット・プリンに似ていることから、ファンからは「ワンピースの少女」と呼ばれているとのこと。
この報道はONE PIECEファンの間で話題になっていたのですが、実写版のヒロインとされているシャーロット・プリンは、原作の漫画で最近登場したばかりのキャラクターで、ONE PIECEの中でヒロインというと、ナミなどが一般的に挙げられるキャラクター。
さらに、このニュースに掲載されている謝蕾蕾さんの写真の画質が悪いなど、この記事からは胡散臭さがたっぷりということから、このニュースは本当なのか?と疑問の声が上がっていました。
<↓の画像は、Business Wireが16日に配信したONE PIECE実写化の記事>
そこで、『BuzzFeed』や『クランクイン!』などのメディアが、ONE PIECEを出版している『集英社』に確認を取ったところ、広報担当者は実写映画化の報道を「そのような事実はありません」と完全否定し、尾田さん側からも映画化に関する連絡は全く無いという返答があったそうです。
さらに『BuzzFeed』はがONE PIECEの著作権を尾田さんから購入したという「Shanghai Minghuan Investment」の電話番号に問い合わせを行ったところ、電話に出たのは同社とは全く関係のない女性だったといい、記載のフリーメールアドレスにメールを送信も、宛先不明でメールの送信もできなかったとのことです。
なお、このニュースを配信した『Business Wire』の日本法人はBuzzFeedの取材でこの事実を知ったといい、「中国法人がクライアントから送られたリリースを翻訳して配信した」と説明し、同社では企業側からリリースされた情報の事実確認までは行っていないうで、問題の記事についても企業側からの指示が無ければ削除は行われないそうなのですが、集英社側からの連絡次第では動きがあるそうです。
このようにしてONE PIECEの実写映画化報道はガセネタだということが明らかとなったわけですが、これに対してネット上では、
- これが事実なら一安心
- 実写化には猛反対だが、もしやるとしても中国だけはやめて!作品が死ぬ。
- 今回の件は一安心だけど、最近の何でも実写化する風潮は嫌だな。
- ワンピも色んな媒体とコラボはしてるけど、実写化だけはないだろうな。
- なんでも 実写化すれば売れると思うのはやめた方がいいですよ…(;゜0゜)作品の品が落ちます。
- 実写化もダメだし、中国もダメ。国民的アニメ、マンガはやめよう。
- ファンじゃない俺でもやめてくれ!って思っちゃう。ワンピースは実写化したらダメ!アニメだから面白いし、カッコいいの
- 実写化って文字見てドキッとした….今後も実写化は絶対ヤダ。中国が手出すのはもっとイヤ。
などのコメントが寄せられています。
ONE PIECEは現代風歌舞伎「スーパー歌舞伎II(セカンド)」とコラボし、4代目・市川猿之助さん主演で昨年10月から今年4月まで上演され、これが意外にも大盛況となり、今年10月22日には「シネマ歌舞伎」として全国公開されることが決定、さらには来年の再演が決定するほどなのですが、ONE PIECEは実写化するには不向きな作品であることから、集英社が完全否定したことに対して安堵した方が多い様子ですね。
<↓の画像は、「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」>
今年5月には、“ハガレン”と呼ばれ親しまれている『鋼の錬金術師』が、Hey! Say! JUMPの山田涼介さんが主演で実写映画化されることが発表され、4月末には伊藤英明さん主演で『テラフォーマーズ』が公開されるなど、実写化に不向きなファンタジー色が強い作品が続々と実写化され、原作のファンからは酷評の嵐となっています。
ONE PIECEは世界的に人気が高い作品であるため、実写映画化しようとする動きは今後あるかもしれないのですが、大コケするのはほぼ間違いないため、実写化だけは絶対に避けてほしいと思いますね。