女優・沢口靖子さん主演の人気ドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系 木曜20時)に、打ち切り終了の可能性が浮上していることを7日発売の週刊誌『週刊文春』が報じています。
『科捜研の女』シリーズは、1999年10月に「木曜ミステリー」枠でスタートして以降、ほぼ毎年新作が放送されている大人気シリーズで、2019年4月スタートのシーズン19は、2020年3月まで4クール放送され、現時点で現行の連続ドラマでは最も多い累計254話を放送し、今年9月には初の映画『科捜研の女 劇場版』が公開されました。
そして、10月14日からは新作のシーズン21がスタート予定で、来年3月まで2クール放送されます。
そんな人気シリーズの『科捜研の女』が、打ち切られる可能性が浮上していると『週刊文春』は伝えており、その理由についてあるテレビ朝日関係者は、「木曜8時のドラマ枠が、来年夏の7月からのクールを最後に終了するんです」と明かしており、来年7月期に上川隆也さん主演の『遺留捜査 第7シーズン』を放送し、木曜ミステリー枠が終了するとしています。
木曜ミステリー枠は、「木曜時代劇」枠の終了を受けて1999年1月に設けられ、同枠では過去に、橋爪功さん主演『京都迷宮案内』シリーズ、船越英一郎さん主演『その男、副署長』シリーズ、渡瀬恒彦さん主演『おみやさん』シリーズ、名取裕子さん主演『京都地検の女』シリーズなどを放送していました。
現在は『科捜研の女』のほか、『遺留捜査』シリーズ、内藤剛志さん主演『警視庁・捜査一課長』シリーズなどを放送し、今年7月期には新たに佐々木蔵之介さん主演『IP〜サイバー捜査班』が放送されました。
『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』『遺留捜査』の3作は人気が高く、現在も全話の期間平均視聴率が11%を超えています。
それにも関わらず、木曜ミステリー枠が来年夏をもって終了する理由について前出のテレビ朝日関係者は、「一番の理由は、視聴者層の若返りを図るため。テレ朝のドラマは1話完結の事件モノが多く、高齢者の視聴率が高い。『科捜研の女』もそう。ただコアターゲットと呼ばれる広告的価値の高い、若者から現役世代の視聴率が低いのです」
と説明しています。
また、京都撮影所も関係しているそうで、「木曜8時枠は、やはりシリーズものの上川隆也主演の『遺留捜査』など、京都撮影所を使ったドラマが多い。確かに時代劇なら固定のセットがある京都撮影所を使うメリットがある。ただ現代劇だと、キャストの移動費や滞在費などコストがかかる割に、京都で撮る必然性がないのです」「テレ朝は東映の筆頭株主ですが、昨年に東映の岡田裕介会長が亡くなったこともあり、“お付き合い”を考えるタイミングとなった。」
と語っています。
こうして木曜ミステリー枠が終了するため、『科捜研の女』シリーズも打ち切りとなる可能性があるようで、別のテレビ朝日関係者は、「来年秋クールから火曜9時に若者向けの新ドラマ枠を作ります。功労者の『科捜研の女』を簡単に終わらせる訳にもいかず、この枠で一度放送する話がある。ただ若者向けの枠を『科捜研の女』で始めるとフレッシュなイメージが薄れるジレンマもあり、頭を悩ませている」
と明かしています。
“ウルトラC”の存続策も浮上しているそうで、「テレ朝系列の朝日放送テレビで『ネオ科捜研の女(仮)』を制作する案があります。出演陣は未定ですが、沢口さんの出演シーンも検討している」
としています。
新型コロナウイルスの影響で広告収入が減少している民放各局は現在、スポンサー各社が最も重要視し、ニーズが高いコア層(13~49歳の男女)をメインターゲットにした番組作りに力を注いでおり、それによって高い視聴率を記録していても視聴者が高齢者メインの番組は続々と打ち切られています。
今年9月にも、テレビ朝日系のABC朝日放送テレビが1975年から制作の長寿クイズ番組『アタック25』が終了し、10月から新たに『ジャニーズWEST』の冠番組『あなたの代わりに見てきます!リア突WEST』が後番組としてスタートしました。
そして、木曜ミステリー枠も終了するそうですが、視聴者が高齢者がメインといっても『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』『遺留捜査』といった作品は、現在も2ケタの視聴率を獲得するほど高い人気を得ているだけに、是非とも枠移動して継続する方向で話を進めてほしいものですね。