ピン芸人No.1を決めるお笑いコンテスト『R-1ぐらんぷり2018』(吉本興業主催)の決勝戦が6日に行われ、全盲に近い弱視の漫談家・濱田祐太郎さん(はまだ・ゆうたろう 28歳)が初優勝を果たしたことが明らかとなりました。
2002年から毎年開催の『R-1ぐらんぷり』も今年で16回目を迎え年々エントリー数が上昇しており、今年は昨年よりも3名多く合計3795名がエントリーし、その中で見事に頂点に立った吉本興業所属の濱田祐太郎さんは、優勝賞金500万円のほかに、フジテレビ系で全国放送される冠特番をゲットしました。
今年の決勝戦には、ルシファー吉岡さん、カニササレアヤコさん、おいでやす小田さん、おぐさん、河邑ミクさん、チョコレートプラネット長田さん、ゆりやんレトリィバァさん、霜降り明星せいやさん(敗者復活ステージ2位)、濱田祐太郎さん、紺野ぶるまさん、霜降り明星・粗品さん、マツモトクラブさん(敗者復活ステージ1位)が3つのブロックに分かれ、トーナメント形式で対戦が行われました。
Aブロックからはおぐさん、Bブロックはゆりやんレトリィバァさん、Cブロックは濱田祐太郎さんがファイナルステージに進出し、ファイナルステージでは以下のポイントで濱田さんの優勝が決定しました。
-
【ファイナルステージポイント結果】
- おぐ(合計4ポイント):桂文枝 0P/関根勤 0P/久本雅美 0P/ヒロミ 1P/陣内智則 2P/お茶の間投票 1P
- ゆりやんレトリィバァ(合計5ポイント):桂文枝 0P/関根勤 2P/久本雅美 1/ヒロミ 0P/陣内智則 0P/お茶の間投票 2P
- 濱田祐太郎(合計12ポイント):桂文枝 3P/関根勤 1P/久本雅美 2P/ヒロミ 2P/陣内智則 1P/お茶の間投票 3P
(審査員の持ち点:1人3点、お茶の間の持ち点:6点)
濱田祐太郎さんは2012年から7回目の出場にして初の決勝進出で初優勝を飾り、トロフィーと賞金500万円を受け取ると「ほんまに優勝!? 僕めちゃくちゃ噛みましたよ。いやぁ、ありがとうございます! ずっとアマチュアのときから出ていた大会で、優勝したかったです」と喜びのコメントをしていました。
-
【R-1ぐらんぷり歴代優勝者】
- 2002年:だいたひかる
- 2004年:浅越ゴエ
- 2005年:ほっしゃん。
- 2006年:博多華丸
- 2007年:なだぎ武
- 2008年:なだぎ武
- 2009年:中山功太
- 2010年:あべこうじ
- 2011年:佐久間一行
- 2012年:COWCOW多田
- 2013年:三浦マイルド
- 2014年:やまもとまさみ
- 2015年:じゅんいちダビッドソン
- 2016年:ハリウッドザコシショウ
- 2017年:アキラ100%
ファイナルステージで圧倒的な差を付けて優勝を果たした濱田祐太郎さんは、生まれつき全盲に近い弱視で、左目は一切何も見えず、右目は明るさを確認できる程度の視力しかないそうです。
しかし、特別支援学校を卒業後の2012年に養成所『吉本芸能総合学院(NSC)』に35期生として入り、同期はゆりやんレトリィバァさん、村上ショージさんの娘・バターぬりえさん(本名=村上つみき)、お笑いコンビ『ガンバレルーヤ』など。
NSCに入学する際には、「目の不自由な人をサポートする仕組みはないから、どこまで出来るか分からない」と言われながらも、芸人になりたいという思いを貫いてお笑いを勉強し、昨年10月には『NHK新人お笑い大賞』の決勝に進出しており、NSC卒業後は「よしもと漫才劇場」などで漫談を披露しています。
なお、仕事の営業などで長距離移動が必要な時は、同期の芸人たちや吉本の社員たちに同伴してもらうこともあるといいます。
そんな濱田祐太郎さんが今年の『R-1ぐらんぷり2018』で初優勝を果たしネット上では、、
- 裸芸 裸芸と来てここで浜田さん。今まで全く知らなかったし始めて見たけどめっちゃ面白かった。視聴者票が入ったのは忖度なく単純に面白かった方だと思う。個人的に隣で結果を教えてあげてた紺野さんの好感度が上がった。
- 全盲のデメリット、メリットをさらっと笑いにしたのは面白かった。障がい者だから、健常者だからっていう括りはなくあらゆるネタのジャンルに挑戦して欲しい。
- 目見えてるくせにつまらん奴ら全員引退しろよ
- 濱田ダントツで面白かったわ 長田も面白かったけどゆりあんが昭和の女優じゃなければな
- まぁ他の二人がつまらなかった
- これから障がい者だ(気を遣って)笑わなきゃ!が各番組で見られるのは胸熱
- 最後のカンペが見えずに放送終了寸前まで喋ってたのが1番面白かったわ
- 同情とかなしで面白かったな。短所を長所に完璧に変えてた。
などのコメントが寄せられています。
優勝を果たした濱田祐太郎のネタに対して厳しい評価もありますが、ファイナルステージに進出した3人の中では一番面白かったという声が多く上がっており、今年の結果に対して納得がいかないといった声は少ないと感じられます。
濱田祐太郎さんは全盲、盲学校のあるあるネタを披露するなどし、障がいを上手くネタにしながら笑いを誘っており、変に同情を誘うようなネタではなく、正統派の漫談として評価されており、『R-1ぐらんぷり』優勝がきっかけでどこまで芸人としての人気を伸ばしていけるか楽しみですね。
『R-1ぐらんぷり』優勝後にブレークした芸人は多くおり、濱田祐太郎さんも仕事を増やす大きなチャンスなので、今後フジテレビで放送の冠特番を含めて今後の活動に期待したいですね。