昨年をもって事実上の解散となったお笑いコンビ『ラーメンズ』が過去に、ドイツでの「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)」を揶揄するネタを披露していたことが発覚し、このネタを考えた元メンバーの小林賢太郎さん(48)が東京五輪の開幕直前に、開閉会式のショーディレクターを解任となる騒動がありましたが、元相方で俳優・片桐仁さん(かたぎり・じん 47歳)の活動にも影響が及び、出演が発表済みの映画を降板する可能性もあると『日刊ゲンダイ』が報じています。
ホロコーストを揶揄するネタが含まれた問題のコントは、1998年に発売のライブビデオに収録されており、それがネット上で拡散されたことで炎上し、さらにはアメリカに本部を置くユダヤ系人権団体が「反ユダヤ主義の発言」だと非難する声明を出したことで波紋を呼び、東京五輪の大会組織委員会は小林賢太郎さんをショーディレクターから解任したことを発表しました。
解任発表と共に小林賢太郎さんは謝罪コメントを出し、片桐仁さんも所属事務所を通じて、「この度は、23年前のラーメンズのコント内での極めて不適切なセリフにより、多くの方々に不快な思いをさせてしまい、深くお詫び申し上げます。当時、差別的な表現や不謹慎な言い回しに対する意識が低く、それによって不快な思いをする相手の方がいることを、想像出来ていませんでした。若気の至りとは言えない、非常識な人間だったと思います。」
などと謝罪しました。
また、この問題を受けて「TBSラジオ『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』公式完全読本発売記念オンラインサイン会」を中止し、その後放送されたラジオ番組内でも冒頭で謝罪していました。
そして、この騒動後には片桐仁さんをCMイメージキャラクターに起用している『明治』は、乳製品「明治プロビオヨーグルトLG21」の公式サイトの一部ページ、動画が閲覧できなくなりました。
また、この商品の公式ツイッターアカウントも一時非公開となり、その後アカウント名が「胃人カタギリ【明治LG21公式】」から「【明治LG21公式】」に変更されており、その理由などは明らかにしていません。
片桐仁さんはこの他にも複数の仕事を持ち活躍を続けていますが、『日刊ゲンダイ』の記事では広告代理店関係者が、「この件が騒動になるまでは片桐はCM5本とテレビ・ラジオのレギュラー4本を抱えていた。しかし、すでにCMキャラクターを務める乳製品『明治プロビオヨーグルトLG21』の公式サイトの一部のページや動画の閲覧、再生ができなくなってしまった。CMは全て降板になるでしょう」
と語っています。
さらに、ホロコーストの揶揄が国際問題に発展したことによって、今年冬公開予定の映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』への出演に影響が及ぶ可能性があるといいます。
<↓の画像は、『99.9 ―刑事専門弁護士―』出演の片桐仁さんの写真>
映画ライターは、「嵐の松本潤主演でTBS系で放送されたドラマ『99.9 ―刑事専門弁護士―』の映画版が年内に公開され、ドラマ版からレギュラーを務めていた片桐の出演が発表されたばかり。しかし、映画の出資先が黙っているとは思えず、出演シーンの大幅減、もしくは降板もありえます」
と語っています。
この報道に対してネット上では、
- ちゃんとコントの流れを見れば、人類が犯した愚行として語られているのが明白で、肯定も揶揄もしていないんだけどね。不謹慎だとは言えるかも知れないけど。
才能豊かな2人なので観られなくなるとしたら、とても残念。 - 片桐さんのいない99.9は面白くないし、ラーメンズのコントはやっぱり伝説です!
お願いです、こんなクソみたいな事で片桐さんを下ろさないでください!!! - テレビは知らんけど映画に関しては「見たい」と思う人がお金を払って見るんだから出演カットも降板もさせなくていいよ。
それにこのドラマには松潤の良き相棒として出てるんだからいなくなったら話が繋がらなくなる。 - オリンピックが終わればもういいのでは?ラーメンズは解散しているし、元相方まで仕事に影響があるのはやりすぎ。
『99.9』も『あなたの番です』もすでに片桐さんが出演していた続編なんだから、もし降板や代役になってしまうのは酷い。
キングオブコントだって、青木さやかさんと順調に進んでいる。 - 毎朝子供とNHKの子供向け番組「シャキーン!」を流れで見ていますが、この問題の後からジュモクさん(片桐さん)が出演しなくなったのはやはりこの問題が絡んでいるんですかね?
一個人の意見として思うのが、過去にしてしまった過ちをどこまでも掘り返して炎上させて、当人を奈落の底に突き落とす現代の風潮は、とても子供に悪影響を与えそうな気がしてなりません。 - ちゃんとコントを見て、批判してるんだろうか?コント全体を見れば、批判が筋違いだとわかると思うけど。
「99.9」片桐さんの役は、ドラマの時から、他に代わりのいない、ドラマの息抜きにもなる大切な役柄。
テレビではなく劇場公開だし、降板ではなく、そのまま出演してほしい。 - 行き過ぎたブラックジョークでホロコーストを絡めた過去を重く見て小林賢太郎がオリンピックの仕事降ろされるまでは仕方ない。
だけど相方のギリジンまでレギュラードラマ降りなきゃいけない話か?
国際的な仕事で問題視されるまではわかるけど、通常の仕事まで制限されるのは過剰反応だと思う。
などの声が上がっています。
『日刊スポーツ』が関係者に取材をしたところ、『ラーメンズ』のコントの構成や演出などは小林賢太郎さんが担当していたといい、問題となったコント『できるかな』でのホロコーストに言及した場面は、「ユダヤ人を差別する内容ではなく、たまたま、アドリブで小林氏がその言葉を口にしてしまった」
としています。
そうしたことから、小林賢太郎さんが東京五輪の開閉会式のショーディレクターを解任されたのは仕方ないにしても、片桐仁さんの起用を控えるという対応はどうなのかと物議を醸しています。
ただ、かなり大きな騒動に発展してしまったことから、騒動がある程度落ち着くまではCM、NHKのレギュラー番組への出演を控えるといった対応は必要な気もしますが、映画も含めてこのまま降板させるというのは、さすがにやり過ぎだと感じます。
今年冬に映画が公開予定の『99.9 ―刑事専門弁護士―』シリーズでは、片桐仁さんは2016年に放送されたドラマのシーズン1からレギュラー出演し、松本潤さん演じる主人公の弁護士を補助するパラリーガルを演じており、この作品には欠かせないキャラクターだけに出演シーンの大幅減少、降板などなく当初の予定通り出演してほしいものですね。