演歌歌手・細川たかしさん(本名=細川貴志 66歳)が、今年の大晦日に放送の『第67回 NHK紅白歌合戦』への出場を辞退し、紅白から引退することが明らかとなりました。
これは『日刊スポーツ』の取材で表明したもので、細川さんは1975年から昨年までに計39回出場を果たしている紅白の常連で、大トリを2度務めた事があるのですが、出場回数40回目という節目を前に番組からの卒業を決めたといいます。
卒業の理由については、「昨年、森進一先輩が番組を卒業されて、今年は私かなと。紅白の舞台に立つことは、歌手として1つのステータスで、最大の夢。でも枠は限られているし、世代交代も必要です。『のど自慢』『うたコン』など、NHKの番組には今後もぜひ協力させていただきたいのですが、紅白は卒業させていただきます」と卒業を宣言。
昨年デビュー50周年の節目だった森進一さんは、1968年より48年連続出場を続けてきたものの、「今年(2015年)の第66回紅白を区切りとして紅白歌合戦から卒業する」と、昨年の紅白をもって卒業することを宣言していました。
また、2013年には北島三郎さんが通算50回目の紅白出場が決定したことを受けて、この年の出場を最後に紅白からの卒業を発表しました。
細川さんは1975年に『心のこり』で歌手デビュー、同年に紅白へ初出場を果たし、それ以降は『北酒場』、『矢切の渡し』、『浪花節だよ人生は』などのヒット曲を生み出し、2006年まで32回連続で紅白に出場。
2007年に、出資法違反の容疑で家宅捜索を受けていた健康食品販売会社『エル・アンド・ジー(L&G)』が、顧客獲得のために開催した会員向けコンサートの仕事を細川さんが引き受けていたことや、他の歌手にもこれを紹介して出演料の一部を紹介料としてピンハネしていた疑惑が浮上し、これを受けて細川さんはその年の紅白への出場を辞退。
さらに、2008年には、指定暴力団山口組系後藤組の組長とのゴルフコンペに参加していたことが判明した結果、NHK側が番組出演を見送り、2年連続で紅白には出場しませんでした。
しかし、2009年に再び紅白へ出場し、それ以降は連続出場していました。
そんな細川さんはここ数年、共に紅白へ出場したAKB48やももいろクローバーZらアイドルとコラボし、番組を盛り上げていたのですが、紅白への思いが強く、若手歌手への期待も膨らんでいるそうで、「番組から、演歌をなくしてほしくないのが念願。そのために、演歌の若手もどんどん出てきてほしいし、頑張って育てたい。自分の弟子(杜このみ)が、今度は出られるようになったらうれしいです」と語っています。
今回紅白からの卒業を発表した細川さんですが、今後も歌手活動は続けていくといい、「最低でもあと10年。できれば80歳まで続けたい。何十年も続く『のど自慢』で全国を回って歌いたいし、永遠に声が出る限り歌いますから、ファンの皆さんはご安心ください」と語っています。
そして、細川さんが紅白を卒業することに対してネット上では、
- 制作サイドから落選を告げられるより自ら身を退く方が潔いな。一般の社会でも同じだけど。
- 理由はどうでも紅白なんかやめる事は正しい。古いし、ブレブレで何の番組か分からない。年越し歌番なら他にもあるしね。
- ここまでの大御所が紅白卒業を発表するのと、浜崎あゆみが紅白を卒業するのとでは意味合いが違う。後者はただただ痛々しい。
- 前に 北島三郎が紅白卒業した理由の一つに アイドルと踊らされるのが嫌だったって言ってた。昔は品格ある感じだったけど、なんか卒業ってのもわかる気がする。
- 和田アキオもさっさと卒業すべき。もう一度ヒット曲があれば復帰すれば良い
- 出場歌手にはすでに依頼があるはずだろうし、それがなかったから卒業って言ったんじゃない
- 言われる前に辞めたって事でしょ
- 細川さんが出てると、どうしても頭に目がいってしょうがない
などのコメントが寄せられています。
2012年以降は、紅白の出場者発表は11月25日か26日には行われており、恐らく出場者には出演のオファーがすでに来ているとみられます。
細川さんは昨年までに39回出場し、今年が40回目の節目だったことや、紅白以外にも様々な番組に出演しているNHK側からのオファーをわざわざ断る可能性は低く、2014年12月に細川さんは紅白への出場に関して「倒れるまでやった方がいいんじゃない」と語っていたことから、今年はオファーが無かったために紅白からの卒業を発表したのかもしれません。
細川さんは数多くのヒット曲を持ち、演歌歌手の中でも特に人気が高いことから、お年寄りにとっては細川さんが紅白を卒業してしまうというのは残念だと思いますが、近年はヒット曲が生まれていないことから、これはしょうがないことでしょうね。
細川さん同様に和田アキ子さんも昨年までに39回出場し、今年で40回目の節目となるものの、週刊誌『週刊文春』によると、NHK側から落選通知があったとのことなのですが、今後紅白からの卒業を発表するのか、それとも今年も出場するのか注目したいところです。