落語家の桂歌丸さん(79)が30日に、東京・後楽園ホールで行われた5月15日17時から放送の『笑点50周年記念スペシャル』(日本テレビ系)の収録に参加し、「来週(5月22日)の放送を最後に大喜利の司会をやめさせていただきたいと思っております」と、『笑点』の司会を卒業する事を電撃発表しました。
後任の司会者については現在検討中で、歌丸さんは今後「終身名誉司会」に就任し、『笑点』の直前に放送されている5分番組『もう笑点』(日曜17時25分~)には出演するなど、今後も番組に関わっていくとのことです。
1966年5月15日から放送がスタートし、今年で満50年を迎える『笑点』の初回放送から参加している唯一の出演者であるものの、昨年6月に腸閉塞によって2ヶ月近くも入院、療養生活を送り、その後仕事復帰したものの、現在でも普段の移動は車椅子を使用するなど体調は万全ではありませんでした。
そういったこともあり、22日に自身が館長を務めている地元・横浜の寄席「にぎわい座」で行われたNHKスペシャル『人生の“終い方”~あなたが最期にしたいことは~』(5月中旬以降放送予定)の収録後、「内緒ですがね、そろそろ考えないといけない時期ではと思っています」と、引退を意識し始めていることを明らかにし大きな話題になりました。
歌丸さんは30日に行われた番組の収録最後に、5月22日は生放送であることを告知した上で、「来週の放送を最後に大喜利の司会をやめさせていただきたいと思っております」と引退することを明らかにし、「若い方々に譲らなければ長くは続きません。50年間、いろんなことがありました。最後の大喜利、生放送を一生懸命務めさせていただきます」と宣言しました。
収録後に行われた会見に、大喜利メンバーとともに出席した歌丸さんは、「あっという間に50年過ぎました。いろいろなことがありました。笑点全部が1番の思い出です。番組自体がよく持ったと感心しております」としみじみと語り、引退を決意した理由については、「体力の限界です。歩くのが大変に苦しい。歩くと息切れがしてしまう。これ以上続けますと、迷惑をかけてしまう」と、2009年に患った慢性閉塞性肺疾患(COPD)の影響が大きいとしています。
引退の心境を聞かれた歌丸さんは、「正直言いまして、さみしいですよ。50年間、シャカリキにやってきた番組で、名前と顔を売り出してくださった。でもふんぎりをつけなければ席を譲ることはできない」と語っています、
このタイミングで引退をする理由については、「落語をやめるわけじない」と前置きをした上で、「今年は私が噺家になってちょうど65年。歳もちょうど80(歳)になります。いろいろな節目が重なって、決心しました。80(歳)になったら少し楽をして落語の勉強をしたいと思っていた」と告白。
昨年秋頃に歌丸さんは局側に「これ以上、迷惑はかけられない。もう引き際だと考えている」と伝えたそうなのですが、「50周年までは続けてほしい」と説得され、このタイミングになったとも語っています。
この会見に出席した三遊亭圓楽さんは、「呆然としている」と心境を明かして「男の引き際ってこういうものなのかな」と涙ながらに語り、「死ぬまでやればよかったんだ、あそこ(司会者の席)で。迷惑をかけたって……」と言葉を詰まらせていました。
また、林家木久扇さんは「本当に驚いた。まだおやりになられるのに……。司会・進行が本当にお上手で、歌丸師匠の後が誰になるのか思い浮かばない」、三遊亭好楽さんは「大喜利の天才」「この人が(番組から)いなくなっちゃうなんて夢なんじゃないか。ぽっかりと穴が開いたような」、座布団運びの山田隆夫さんは、「本当に寂しい。体に気をつけて長生きしてください。ありがとうございました」と涙を堪えながら感謝の言葉を述べています。
<↓の画像は、『笑点50周年記念スペシャル』の会見に登場した出演者>
(前列左から、林家木久扇さん、桂歌丸さん、三遊亭好楽さん、後列左から、林家たい平さん、三遊亭円楽さん、三遊亭小遊三さん、春風亭昇太さん、山田隆夫さん)
そして、この発表に対してネット上では、
- 一つの時代が終わった感じ。さみしい
- 歌さんあっての笑点。歳には逆らえないか…。5/22は何があっても見なくては。
- 高齢ですし、体調が万全ではない状態で続けることは本当に大変ですよね。子供のころから笑点には歌丸さんが出ていらっしゃったので、いなくなることは本当に残念ですが、大変お疲れ様でした。
- とうとう……。お疲れ様でした。円楽さんの歌丸さんいじり、もっと見たかったなあ。
- 歌丸さん、1回目から長きにわたる出演、本当にお疲れ様でした。次の司会は木久扇さんか円楽さんでしょうな。
- 。寂しさが大きいけど、年齢と体調には逆らえない。そして、後任が誰になるのか気になるな
- 良いタイミングだったかと正直見てる方が心配になる位だったからね
- 寂しいけど体調面でもずっと心配だったし、いい引き際だと思います。
などのコメントが寄せられています。
歌丸さんが22日に引き際を考える時期にきていると発言した後の27日、『笑点』で歌丸さんによくいじられていた林家木久扇さんは「自分で区切りをつけちゃいけないと思うんですよ。追い込まれていっちゃうから」「今度お会いしたら、歌丸師匠に直に言おうと思います。自然に見ている人が衰えたな、と感じてきたり、番組も数字が取れなくなったりしてきたときに、じゃぁ、新しい人をってなっていく。お一人で決断しちゃいけない。自分で自分を片付けちゃうなんて。元気なんですから」と真剣な表情で語っていたのですが、歌丸さんはここ数年の間に病気を頻発しており、周りは出演継続を望んでいるものの、自身で色々と考えぬいた結果、50周年を迎えたタイミングで引退しようと決断したようですね。
今後も落語家は続けていき、『もう笑点』には出演をするとのことなのですが、歌丸さんは『笑点』がスタートした時から出演していた方で、円楽さんとのやり取りは番組の鉄板ネタとなっていたことから、それをもう見ることが出来なくなってしまうというのは非常に残念なところです。
出来るならば、数ヶ月に1度、もしくは年に1度でも『笑点』に出演し、元気な姿を見せてほしいものですね。