ボクシングの現WBA世界ミドル級スーパー王者で、ロンドン五輪の金メダリストである村田諒太選手(むらた・りょうた 35歳)が、20日18時45分から放送予定の3時間特番『金メダリスト総選挙』(テレビ朝日系)の内容を批判し、ネット上でも議論が巻き起こる中で、テレビ朝日が番組名をコッソリ変更していたことが明らかになりました。
<↓の画像は、プロボクサー・村田諒太選手の写真>
村田諒太選手は8日に自身のフェイスブックを更新し、『金メダリスト総選挙』への出演オファーが来たことを明かした上で、「そもそもテレビに出るつもりがないので、出演しませんが 全選手が死に物狂いで獲得した金メダルに順位をつけるのか…」
と、番組内容に疑問を呈しました。
<↓の画像は、ロンドン五輪で金メダル獲得時の村田諒太選手と妻・佳子さんの写真>
さらに、「放送権を持っている競技とか、スポンサーメリットのある選手を祭り上げてきたからこそ、同じ金メダルに価値の差を生み出してきたんじゃないか ましてや番組で金メダリストに順位づけするなど、失礼極まりないな」
と、怒りをあらわにしていました。
<↓の画像が、村田諒太選手のフェイスブック投稿の写真>
この投稿は大きな反響を呼び、ネット上では村田諒太選手の意見に共感する声が多く上がっており、お笑いタレント・有吉弘行さんも11日放送のラジオ番組内で、「俺は『ベスト〇〇』っていうのが、そもそも良くないなって思ってる派なの」と打ち明けていました。
他にも複数のメディアが番組の問題点を指摘する記事を出し、より大きな騒動に発展していたのですが、この騒動を受けてかは不明ながら、テレビ朝日が番組名をシレッと変更していたことが判明し話題になっています。
当初の番組名は、『国民1万2000人がガチ投票! オリンピック金メダリスト総選挙』というもので、番組のタイトルロゴなども公式サイト上で公開されていました。
<↓の画像は、タイトル変更前の公式サイトトップの写真>
しかし、現在サイトを確認すると、掲載されていたタイトルロゴが消されているほか、番組名が『1万2000人が選ぶ! 私が感動した金メダルはこれだ!』となっており、番組名は11日までに変更されたようです。
<↓の画像は、タイトル変更後の公式サイトトップの写真>
番組名の変更理由について、『東京スポーツ』(東スポ)の記事ではテレビ局関係者が、「当初予定していたタイトルは『国民1万2000人がガチ投票! オリンピック金メダリスト総選挙』。テレビ誌などには締め切りの関係でそのまま掲載されています。村田の投稿を受け、世間からの批判も相次いだためタイトルを変えざるをえなかったのです。当然、内容も変更を強いられているようです」
と語っています。
そして、テレビ朝日が番組名をコッソリと変更したことが判明しネット上では、
- 金メダル視聴率ランキングならまだいいんだけどね。国民の関心が高かった競技、選手のランキングなわけですから。
- そもそもテレ朝のランキングって、昔から酷いヤラセランキングじゃん、
- 視聴率ランキングなら理解できるが、金メダルに順位付は必要ない。指摘されるまで気づかない製作陣…残念ですね。
- 今までもプロ野球選手やプロレスラー、声優などを取り上げて特にクレームもなかったからそのまま行っちゃったんだろうけど、
順位をつけるということは上位にランキングされた人ほど優秀、有能みたいな印象になるから、順位付けなんてやめるべきよ。 - 村田選手の意見に賛成。番組タイトルを変更したということはテレビ局側も悪いと認めたということ。
ランキング好きなら全国民によるテレビ局ランキングもやってくれ。 - 他人のふんどしで相撲を取ろうとするからそうなる。局内で、「そんな失礼な企画はダメだ」と言う人間はいなかったのか。
「余計なこと言いやがって」と考えてなきゃいいけど。
などの声が上がっています。
村田諒太選手の苦言がきっかけで騒動に発展後、テレビ朝日はニュースサイト『J-CASTニュース』の取材に対して、「全国で1万人を超えるアンケート調査を実施、視聴者の皆様の思い出に刻まれた歴代の金メダリストの活躍を振り返り、スポーツの持つ魅力や感動を視聴者の皆様にお届けしたいと企画したものであり、メダルそのものの価値に順位をつけるものではございません」
と番組の趣旨を説明したとしています。
このようにテレビ朝日側は、各競技で獲得した金メダルの価値を順位付ける内容ではないとしていたのですが、番組のサイト上で募っていた投票では、「あなたが、『すごい!と思う日本人金メダリスト(チームも可)』ベスト5をお書きください!」としており、この投票結果をもとに金メダリストをランク付けするというものでした。
そして、番組名の変更を行ったということは非を認めたようなもので、東スポによれば番組内容も変更するとのことですが、それならば最初から金メダリストを順位付けするのではなく、感動の名場面を放送する内容で十分だったのではないかと思います。
こうしたランキング番組が制作された理由は、容易に視聴者を巻き込むことができ、ランキング結果を最後まで引っ張ることで視聴率上昇に繋がるためとのことですが、以前からこうしたランキングを巡っては疑問の声も上がっていました。
週刊誌『週刊新潮』のWeb版『デイリー新潮』によれば、番組を盛り上げるためにランキング結果の順位操作も行われることがあるといい、そのためランキングによっては「※番組調べ」などの注釈が入るそうです。
そうしたランキング番組で、視聴率獲得のためだけに金メダリストを順位付けしようとしたことで騒動に発展し、今回の件を受けて番組作りも今後変化させていってほしいですね。