昨年実写ドラマ化された漫画『セクシー田中さん』(小学館)の原作者で漫画家・芦原妃名子さん(享年50)が、日本テレビサイドとの脚本トラブルをブログやX(旧ツイッター)で告白後に急死した問題が大きな波紋を広げ、現在も炎上状態が続いています。
そうした中で日本テレビがまた新たに、小学館が発行する漫画『たーたん』を実写ドラマ化することや、その作品では『セクシー田中さん』と同じプロデューサーが制作を担当することを週刊誌『週刊女性』や『週刊文春』が伝え、批判が噴出しています。
『たーたん』は、漫画家・西炯子さん(にし・けいこ 57歳)が2015年から『ビッグコミックオリジナル』で連載中の作品で、ワケアリな父親と娘の成長を描いた内容となっています。
<↓の画像は、漫画『たーたん』の写真>
週刊女性によれば、日本テレビは『たーたん』の実写ドラマ化を2月15日に発表予定だったものの、『セクシー田中さん』を巡る騒動を受けて小学館と協議の末に「一旦見送ることになった」としています。
この決断に至った背景について制作会社関係者は、「『セクシー田中さん』の時と同じプロデューサーが担当しているそうですよ。一連の騒動でこのプロデューサーも批判の的になってしまったので、日本テレビとしては判断が難しいのでしょう。また、原作は現在も連載中で完結していません。様々な要素が『セクシー田中さん』を想起させるため、どのように対応すべきか苦悩しているようです」
と説明しています。
また、週刊文春の取材によると実写ドラマ『たーたん』の主演には人気俳優・ムロツヨシさんが起用されているといい、キャスト情報も含めて先週末に発表する予定だったとしています。
しかし、週刊文春の取材に日本テレビ関係者は「『諸般の事情を鑑みて』ということで延期になりました」と明かしたとしています。
真相を確かめるため、まずは小学館に『たーたん』の実写ドラマ化は事実なのか聞くと、「企画に関する詳細についてはお答えしておりません。また、現在映像化が企画されている作品については、あらためて様々な検討を重ねているところです」
と回答し、否定も肯定もせず、一方の日本テレビは回答が無かったとのことです。
この報道を受けてネット上では、
- まさかとは思うけど、このまま、放送しないよな。。。あまり、視聴者をなめるなよ。。
- プロデューサーを責めるわけではないけど、何があったかは記者会見なりするべき
- こんな形で主演であることを公表されるムロツヨシにもいい迷惑だね
- セクシー田中さんについての見解を未だ述べないプロデューサーが、次のドラマを総括する立場でこんな直近に制作をすることに不快感がある
- 正直、この漫画の原作者には悪いけどこのドラマを見る気にはならない。視聴率爆死したらいいとさえ思う。
- これがあったから小学館は自分のところの大切な作者を守らず、テレビ局とズブズブの方を選んだのかな?
- 脚本家も同じなんじゃないの?名前変えて もう当分は日テレ×小学館でドラマは作らない方が良い。
そもそも日テレはもう原作を尊重しない作品作りを今後もするなら関わっちゃいけない。 - 腹立たしさしかないです。何があったのか状況がはっきりしないうちにまた平然とドラマをやるんですか?心はないんですか?
芦原先生のことがあってから日テレには嫌悪感しかないです。今まではテレビ局は関係なく見ていましたが、日テレは見なくなりました。 - まだ何も改善策が明らかになっていない中で、同プロデューサーでのドラマ化を決定するのは、些か視聴者を甘くみているとしか思えません。
既に話が進んでいたのかもしれませんが、小学館側の対応にも疑問を感じますし、現場の声が反映されたものとは思えません。
などの批判が噴出しています。
芦原妃名子さんは1月26日に脚本トラブルを告発し、同29日に栃木県日光市の川治ダムで遺体で発見され、日本テレビは芦原さんの訃報を伝えると共にドラマ公式サイトで、「日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら、脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。」
とのコメントを発表し、これに対して責任逃れなどの批判が相次ぎ、火に油を注ぐ結果となりました。
その後も大きな波紋を広げ、日本テレビは改めて局の公式サイトトップで、「日本テレビとして、大変重く受け止めております。ドラマ『セクシー田中さん』は、日本テレビの責任において制作および放送を行ったもので、関係者個人へのSNS等での誹謗中傷などはやめていただくよう、切にお願い申し上げます。」
とのコメントを出し、それ以降は沈黙を続けています。
ドラマの脚本を手掛けた相沢友子さんと小学館も2月8日にそれぞれコメントを発表し、相沢さんは芦原妃名子さんが綴った内容に対して、「私にとっては初めて聞くことばかりで、それを読んで言葉を失いました。いったい何が事実なのか、何を信じればいいのか」
などと綴り、現在も混乱している状況にあると明かしました。
小学館は、「今回のような事態となったことは痛恨の極みです。二度とこうした悲劇を繰り返さないために、現在、調査を進めており、今後、再発防止に努めて参ります。」
としていて、ドラマ制作の窓口となっていた日本テレビのプロデューサーと具体的にどのようなやり取りをしていたのかなど、詳細は一切明らかにしていないほか、今回の問題を受けてどのような改善を図っていくのかも示していません。
そのため、現在も複数の漫画家たちからは不安の声や、対応などに対する批判が上がっている状況にあります。
そうした中で、再び日本テレビが小学館の漫画を実写ドラマ化し、さらに『セクシー田中さん』と同じプロデューサーが制作を手掛けるとなれば、それはさすがにあり得ないといった反応が上がるのは当然です。
ちなみに、『セクシー田中さん』のプロデュースを手掛けた日本テレビの大井章生プロデューサー(33)はインタビューで、原作コミックスが1巻しか出ていない時に存在を知り、作品の内容に魅力を感じたとし、「登場人物一人一人の変化が丁寧に描かれていたのが、とても印象的でした」「幅広い世代から支持されている大人気コミックなので、原作のよさを壊すことなくドラマにすれば心打つ作品になると考えました」
などと語っていたものの、ドラマ化にあたっては大幅な改変をしていました。
制作サイドにも色々と事情があるのでしょうが、原作者の思いを軽視するような方が、再び原作がある作品の制作を担当するというのは問題で、予定通り4月期にドラマを放送するにしても、プロデューサーの変更なども行う必要があるのではないかと思いますし、何よりもまずは『セクシー田中さん』の脚本などを巡る問題についての説明や、改善策などを明らかにした上で、ドラマの情報を解禁する形にした方がいいと思います。