女優・杉咲花さん(すぎさき・はな 24歳)が主演の実写ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系 水曜22時)の公式ツイッターが、番組の趣旨・制作意図にそぐわないアンケートを行ったとして謝罪し、これに対してネット上では様々な声が上がっています。
『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』は、漫画家・うおやまさんの4コマ漫画『ヤンキー君と白杖ガール』が原作の実写ドラマで、盲学校に通う弱視の高校生・赤座ユキコと、純粋な心を持つヤンキー・黒川森生が出会い、不器用ながらも惹かれ合い、恋愛に発展していく姿を描いたラブコメディ作品となっています。
ドラマでは赤座ユキコ役を杉咲花さん、黒川森生役を杉野遥亮さんが演じており、6日放送の第1話では、ユキコに一目惚れした森生が弱視について調べ、白杖(はくじょう)が折れた際にはユキコに腕を貸し、目的地まで誘導するシーンがありました。
<↓の画像は、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』第1話の誘導シーン>
そして、番組の公式ツイッターアカウントは第2話の放送前に、「弱視のユキコが誘導してもらう時に森生の腕を持つシーン 皆さんの投票であの誘導シーンに名前を付けたいなと思います」
として緊急アンケートを行い、その名称の候補として「うでクイッ」「袖むぎゅ」「袖ちょこん」「うでちょん」の4つを挙げていました。
<↓の画像が、番組公式ツイッターアカウントのアンケート投稿の写真>
この投稿には数千件の投票が寄せられていましたが、目が不自由な人を誘導する行為を“萌え”として扱い、恋愛的、性的なものと結び付けるのは問題があり、様々な弊害が生じる可能性があるとしてネット上で物議を醸していました。
そうした批判を受けて番組公式ツイッターはその後、このアンケートツイートを削除し、「今回、公式Twitterで行ったアンケートは、番組の趣旨・制作意図に全くそぐわない、ご覧の皆様を不快にさせるものでした。アンケートは中止させていただき、皆様には深くお詫びするとともに、この様な事態の再発を防ぐよう全力を尽くします。誠に申し訳ありませんでした。」
と謝罪しました。
<↓の画像が、謝罪ツイートの写真>
そして、このトラブルに対してネット上では、
- 視覚障害者にとって必要な援助をキュンにしようとするな
- ハンディキャップについて何も学ばずに番組作ってるからこうなる。頭が空っぽなんだよ
- 何年も24時間テレビやってるくせに全然身に付いて無いじゃん
- 日テレは24時間テレビやってるけど障害者への理解が全くないなという印象
- これを機に、正しい介助や歩行誘導のやり方などの認知を広げられるようなお知らせをぜひ
- 誘導は誘導。壁ドンや顎クイのように、変に名前を作って恋愛ドラマっぽくしようとしなくて良い
- 障がいを持った方の恋愛をテーマにするのはいいが、その分配慮すべき点やかかる責任をしっかり理解しないと
- 目の見えない方からしたら、助けて貰ったくらいでいちいちキュンなんてしないし、助けた側も知らない人にいちいちキュンされたら気持ち悪いじゃんね。お互いありえないよね。
などの声が上がっています。
『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』を放送の日本テレビでは毎年、様々な障害者の支援なども目的とした『24時間テレビ』を放送しているにも関わらず、ドラマの話題作りなのかは定かではないものの、このようなアンケート企画を行ったことに疑問や、批判の声が噴出しています。
また、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』は6日放送の第1話の平均世帯視聴率が8.8%、個人視聴率が4.8%と伸び悩んだものの、視聴者からは内容を評価する声が多く上がっており、こうした問題で作品のイメージ悪化を懸念する声も少なくありません。
番組の公式ツイッターアカウントで、今後また安易なアンケート企画などを行わないように再発防止に取り組んでほしいですし、視覚障害者をテーマとした作品なので、視聴者がより視覚障害者への理解を深められるような情報の発信を行っていってほしいものです。