V6の井ノ原快彦さんとNHKの有働由美子アナウンサーが司会を務めている朝の情報番組『あさイチ』に、人気ドラマシリーズ『家政婦は見た!』を主演を務めていることなどで知られる女優の市原悦子さんがゲスト出演したのですが、放送禁止用語を連発するトラブルが発生していたことが明らかとなりました。
市原さんが出演したのは金曜日に放送されているトークコーナー「プレミアムトーク」で、市原さんはこのコーナーで夫で舞台演出家の塩見哲さんとの馴れ初めや、女優業についてのトークを展開、そして、市原さんが声優を務めていたことで知られるアニメ『まんが日本昔ばなし』(TBS系)の思い出話についても語り、特に気に入っているという「山姥(やまんば)」の話をしていたのですが、この時に市原さんは「片輪」「毛唐」などと放送禁止用語を連発してしまったことから、それに対して番組終盤で有働アナが謝罪する場面がありました。
(↓の画像左から有働由美子アナ、V6・井ノ原快彦さん、市原悦子さん)
(↓の画像は、22日に放送された『あさイチ』のキャプチャー)
これにネットでは、
- 放送禁止用語に指定することで差別対象でもない個人・団体が差別対象になってしまうという逆差別。おまけに言論の自由まで奪われてしまうという
- いい加減言葉狩りは止めて欲しい。特定個人でない限り、表現の自由が優先されるべきだ。だから過去現在でも、在日、同和、新興宗教℮tcに関し、まともな報道・論評が隠され、成されなかった。
- 確かに良くない言葉だね。でもきっと市原さんは昔の人だから熱弁してるうちに自然と出ちゃったんだろうね。
- 片輪や毛唐と言われて差別されていた人達について語っているんだからな、「障害者」や「外国人」と言って差別されていた人達、なんて言い換えたら発言のニュアンスが異なってしまう。昔話が映し出していた社会問題の話をしているのに、それを現代の言葉に置き換えたらダメ
- 当時はそういう言葉が使われていたんだから市原悦子に悪気はないだろ。邦画でもよくあるだろ、差別用語だけと製作者の意図を重んじてそのまま放送するというの
などのコメントがありました。
市原さんが口にしてしまった「片輪(かたわ)」と「毛唐(けとう)」の意味なのですが、まず「片輪」の意味は、両輪のうち片側だけ、もしくは体が肉体的に欠損や不具合があることやそのような人を指し、更に肉体的に不完全という意味だけでなく、精神的に不完全な人等も指すとのことです。
また一方の「毛唐」は、外国人の異称で本来は「毛唐人(けとうじん)」といい、毛色の変わった人たち、外国から来た人という意味の差別用語の一種です。
現在ではこのような差別用語は日常でほとんど使用されることもなく、テレビ等のメディアでも禁止用語とされていることから、耳にしたり目にすることもないため、若い年代の方は分からない言葉ですが、ある程度高齢の方はかつて普通に使用されていたためか、こうした禁止用語、差別用語を何の抵抗もなく使用し、この2つの言葉以外にも、視力を失っていることを指す「めくら」、片足に故障があり歩行時に釣り合いがとれていないことを指す「びっこ」や「ちんば」、耳の不自由なことを指す「つんぼ」、斜視のことを指す「ロンパリ」、言語障害の一種・吃音症(きつおんしょう)を指す「どもり」、黒人の方を指す「くろんぼ」、農家の人を指す「百姓」、オートフォーカスコンパクトカメラの別称として使われた言葉「バカチョンカメラ」等の言葉を使用し、私の身内も何の悪気もなく使用していました。
そして、今回市原さんが使用した言葉は確かに不適切な差別用語で、テレビ等のメディアで放送禁止用語として指定している以上、謝罪するのはしょうがないことなのかもしれないのですが、市原さんはそのような方達を差別して使用したわけでも無いため、「体の不自由な方や外国人の方々を傷つける言い方でした。深くお詫びいたします」等と、わざわざ助長するような謝罪をする必要は無かったのかもしれませんね。