WOWOWの田中晃社長(62)が9日に定例会見を行い、女優・黒島結菜さんの主演ドラマ『東京すみっこごはん』(5月から放送予定)の撮影で、子役の稲垣来泉ちゃん(いながき・くるみ 6歳)に法律で禁止されている深夜労働させていたことを謝罪し、ドラマの放送を一旦中止することを発表、公式サイトからドラマのページも削除しています。
労働基準法では「満13歳未満の年少者の午後8時~午前5時までの就労を禁止」しており、違反者に対しては「6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金」という罰則を定めているのですが、2日発売の週刊誌『週刊文春』によれば『東京すみっこごはん』の撮影は、休憩・仮眠時間を挟みながら早朝5時まで行われた日もあったといいます。
この報道を受けて『WOWOW』と制作会社『株式会社ROBOT』は謝罪コメントを発表していたのですが、9日に行った定例会見で田中社長は、「ご本人、保護者に深くおわびいたしました。視聴者の信頼を深く傷つけた。申し訳ございませんでした」と謝罪。
5月の放送を一旦中止することについては「現状のままでは放送できないと判断。今後は制作体制を見直し、倫理の向上を図ることを最優先に再発防止を考えていきたい」と説明しています。
<放送が一旦取り止めになった『東京すみっこごはん』>
また、今回の問題を受けて他の番組の制作過程についても調査を行ったところ、25日からスタートする中山優馬さん主演の連ドラ『北斗-ある殺人者の回心-』についても、子役の男児(10歳)の撮影スケジュールが伸びてしまい、撮影終了が22時近くになったこともあったと明らかにしています。
こうした騒動を受けて、ドラマの放送が一旦中止となることが決定したわけなのですが、これに対してネット上では、
- 不謹慎ではなく違法の問題なんだから、もう放送は諦めた方がいい。
- 子役が夜中に撮影した部分を編集でカットして放送するつもりですかね。放送上でカットすりゃいいってもんじゃないと思いますけど。
- こういう話が、ゆくゆく、その監督の武勇伝みたいになったらダメ。ダメなものはダメだと厳しい判断をしてほしい。
- この三島有紀子という独りよがりな監督は本当に才能ない。彼女の作品は半分以上観てるけど、正直ロクな作品撮っておらず、どれも監督の自己満色が強すぎて全然作品に共感できない。才能ないくせに無駄なところにこだわる凡人クリエイターは周囲に迷惑をかけるだけ
- 女監督からの反省の弁がまったくきこえないね。作品のためだとか思ってるんだろう
- 何時間もやり直しさせてた監督はどうした。謝罪のひとつも無しか。
- とりあえずプロデューサと監督は労働基準法違反で摘発されるべきだな。その判決が出るまで差し止めってことで。
- テレビ局より、監督本人が再発防止について会見するべきでは
などのコメントが寄せられています。
『東京すみっこごはん』の監督を務めている三島有紀子さん(47)は、神戸女学院大学文学部を卒業後の1992年にNHKへ入局し、『NHKスペシャル』や『トップランナー』などでドキュメンタリー作品の監督を務め、退局後は映画監督としてデビュー。
<↓の画像が、三島有紀子監督の写真>
昨年10月に公開された本田翼さんと山本美月さんW主演映画『少女』(原作:湊かなえさん)のほか、原田知世さんと大泉洋さんがW主演の『しあわせのパン』や『ぶどうのなみだ』、『繕い裁つ人』など、数多くの映画やドラマで監督を務めており、海外でも高く評価されているそうなのですが、納得が出来るまで何度も撮影を繰り返す人とのこと。
周囲のスタッフたちも、13歳未満の子役は20時までというルールを理解していたとみられるものの、監督をたしなめる役のプロデューサーは知らんぷりをしていたそうで、撮影は続けられたようです。
ドラマ関係者によれば、来泉ちゃんの母親は現場に居たものの、所属事務所のマネージャーは同行していなかったといい、「あの場面で母子は帰りたいとは言えませんよ。」と語っています。
芸能界ではこうしたルール違反が当たり前のように行われているのかもしれませんが、法律で定められているわけですから当然守るべきで、今後のことを考えると当事者に罰を下すことによって、再発防止をした方がいいのかもしれないですね。
【追記】
『WOWOW』が4月28日に、ドラマ『東京すみっこごはん』の撮影で発生した問題の内容と再発防止策に関するコメントを発表しました。
『週刊文春』の記事では、稲垣来泉ちゃんの演技に納得がいかなった三島有紀子監督が深夜3時過ぎからダメ出しを繰り返した上、数十回にわたって撮り直しを強行したとし、現場には森井輝プロデューサーもいたが撮影を中断しなかったと伝えていました。
これについて『WOWOW』は、「深夜3時を過ぎて監督が子役俳優のシーンを4、50回撮り直した事実及び撮り直しにより子役俳優が号泣したという事実はなかったことを確認しました。」と一部報道内容を否定しています。
そして、再発防止のために今後は、「15歳以下の『子役』については、出演時間を午前5時~午後8時までとし、精神的にも圧迫や不安を与えないよう十分配慮する。」などと発表しています。
なお、労働基準法第56条では満13歳に満たない児童も「映画の製作又は演劇の事業」に関しては、「午前5時~午後8時」の時間内に働くことが認められています。
また、同法第61条では「厚生労働大臣が必要であると認める場合において」は、午後9時まで労働することが認められていますが、それを超える時間の労働は認められていません。