1989年から放送されている長寿番組『噂の!東京マガジン』(TBS系 日曜13時)が、来年3月をもって打ち切り終了することが分かったと『スポーツニッポン』(スポニチ)が報じました。
『噂の!東京マガジン』は、1989年10月から日曜午前10時枠で放送がスタートし、番組の総合司会は元NHKアナウンサーの森本毅郎さんが務め、アシスタントはこれまでに元女優の中村あずささん、女優の黒谷友香さん、吉瀬美智子さん、現在は元フジテレビでフリーの小島奈津子アナが務めています。
番組レギュラーとして現在は、競馬評論家・井崎脩五郎さん、タレントの清水国明さん、笑福亭笑瓶さん、俳優の山口良一さん、風見しんごさん、Take2・深沢邦之さんが出演しています。
<↓の画像は、『噂の!東京マガジン』出演者たちの写真>
番組には、街の若者たちにお題の料理を作ってもらう「やって!TRY」、各地域で発生している問題を調査する「噂の現場」などの人気コーナーがあります。
番組の平均視聴率は、放送開始25周年を迎えた2014年時点で10.2%、1997年から17年連続で年間平均視聴率が同時間帯トップを記録するほどの人気番組で、スポニチによれば現在も平均世帯視聴率は好調といい、最新の8日放送回も平均8.1%を記録し、同時間帯トップだったそうです。
それにも関わらず番組を打ち切り終了させる理由についてTBS関係者は、「視聴者層の若返りとコスト削減があるようだ」
と語っているとしています。
数年前からTBSでは、男女13~59歳の視聴者「ファミリーコア」の獲得を重視して番組編成を行っているといい、『噂の!東京マガジン』の打ち切り終了と後番組について広告代理店関係者は、「世帯視聴率が良くても『ファミリー層や若者、いわゆるファミリーコアが見てくれないとCMを打つ意味がない』と考える企業も多い。後番組にはファミリー向け番組の準備に入ったと聞く」
と明かしています。
また、「長寿番組は視聴者も高齢化していく。番組の性質的にも若者を取り込むのは難しい」とテレビ関係者は指摘し、『噂の!東京マガジン』の打ち切り終了の背景には、コロナ禍で広告収入が大幅に減少したこともあるようです。
番組が長く続くことによって出演者たちも高齢化し、「出演者も年齢を重ね、ギャラを下げるわけにいかない。収入減の影響で番組制作費削減は避けられず、コストのかかる番組はどうしても改編対象になってしまう」
とテレビ関係者は語り、広告収入が減少している一方、番組出演者たちのギャラを下げることが出来ないこともネックになっていた様子です。
そして、『噂の!東京マガジン』の打ち切り終了報道を受けてネット上では、
- 子供のときからやってTRY!が大嫌いだったからそういう点では、やっと終わるのか…と正直思う。
家族で見ながら、「失敗した人だけ編集して放送してるんでしょ」「スタジオで笑っている人たちもどうせ作れないよね」といつも話してた。 - やってTRY!が大嫌いだった。見た目が派手だが、管理栄養士&調理師の同級生がさらっと作ってしまったが、カットされていた。
高齢者がスマホを操作出来ないのを見て若者が笑う?それと同じ事。 - ちょっと、料理出来ない女性を笑いものにするおじさん達って構図で、さらに、女性司会者は食べられないのに、自分達だけ一流料理人の料理を美味しそうに平らげるのはどうなのかとは、ずーっと思ってた
- やってTRYが大嫌いで見なかった。料理ができない人なんて、どちらかといえば中高年の男性が圧倒的に多いのに、なぜわざわざ若い女性を選んで笑い者にするのか。
女性は料理が出来て当たり前なのに、最近の若いお嬢さんは何にも知らないんですよ、アハハ…という男女差別意識が根底にあると思っていた。 - 出演者の高齢化、さらにコロナで収録がやりづらくなったから踏ん切りをつけたわけか。TBSの日曜日の昼の象徴みたいな番組だったから寂しくなるね。
後番はどうせ「えぇー!えぇー!」やかましいだけのバラエティーなんだろうなぁ。 - 森本さんはじめ、出演者の和やかな雰囲気が好きな番組だった。余計なテロップも少ないし、見ていて疲れない。こういう番組も少なくなったね。
- 自分たちだけでは解決出来ないような話題を取り上げ、自治体に問題提起するようなスタイルはとてもいいと思う。
そう言うコンセプトは別番組でもいいから継続してもらいたいな。 - 娯楽番組の様ながらも行政の問題を取り上げたり、報道番組の一面もあったかと思う。
物言う番組がなくなるのは残念だね。Youtubeでは出来ないTV番組の一つでもあったかと思う。 - 去年、森本さんがラジオ収録中に体調不良で病院運ばれたってニュースあったし、特に今のコロナの状況でつい最近までスタジオ収録を止めてたから、そのまま番組続けるのも難しかったかもね
などの声が上がっています。
『噂の!東京マガジン』の内容や出演者たちの顔ぶれなどから、日曜20時台に高視聴率を記録している『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)などの番組と同様に、M3・F3層(50歳以上の男女)が主な視聴者層になっていたとみられます。
かつてはそれでも番組の視聴率が良ければ打ち切り対象となる可能性は低かったのですが、民放各局は商品購買意欲が高いとされ、スポンサー側に喜ばれる10~40、50代ぐらいまでの層をメインターゲットにした番組編成にシフトチェンジしており、加えて番組制作費が高い旧体制の番組にもメスが入り、『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系 土曜正午)も好視聴率を記録している中で打ち切りが決まったとも言われています。
そして、また新たに『噂の!東京マガジン』の打ち切り終了が明らかとなり、番組視聴者からは終了を嘆く声が多く上がっていますが、コロナの影響で今年4月から9月にかけてスタジオ収録がストップし、過去30年分の放送分からの傑作選を放送しており、これに対しては視聴者から不満の声も上がっていました。
8月には週刊誌『週刊女性』が、総合司会を務める森本毅郎さんの健康不安を報じており、過去に心臓を手術している森本さんは昨年11月にラジオ収録中に体調不良を訴え、救急搬送されるというトラブルもありました。
週刊女性の直撃取材に対して森本毅郎さんは、『噂の!東京マガジン』のスタジオ収録がストップしている理由について、「コロナ対策です。年寄りが多いでしょ(笑)。僕も昔、心臓を手術したから慎重でね。(中略)プロデューサーもわりと慎重なんですよ。出演者は高齢者が多いし、僕もこういう状態だし、(笑福亭)笑瓶も前に病気したでしょ。なので、やっぱり慎重にならざるをえない。今は無理しないほうがいいんじゃないか、と。様子を見ながら9月から戻せればいいですけど、先は見えない。」
などと語っていました。
『噂の!東京マガジン』には賛否両論あるものの、「やって!TRY」や「噂の現場」といった番組独自の人気コーナーがあり、30年以上にわたって放送されていた番組が終了してしまうのは残念ではありますが、出演者たちの高齢化や時代の変化もあるので、仕方ないと思って受け入れるしかないのでしょうね…。
個人的には、番組エンディングで流れる「東京の街角」と称した昔と現在の東京都内各地の風景を比較した映像が好きでした。
現時点では後番組に関する具体的な情報は出ていませんが、スポニチによれば「ファミリー向け番組」になるそうで、同時間帯にはテレビ朝日系で『新婚さんいらっしゃい!』と『アタック25』、フジテレビ系で『なりゆき街道旅』といった番組をレギュラー放送していますが、来年春からどのような内容の番組をスタートさせ、視聴率争いを繰り広げていくのか注目したいです。