夏ドラマは在宅率の低下によって数字が取りづらく、今期民放各局でスタートしたドラマは軒並み低視聴率を記録しており、これは8月に開幕したリオデジャネイロ五輪の中継による影響もあるのですが、それを考慮しても低視聴率を記録している作品が多く、各局苦戦を強いられています。
そうした中でも健闘しているのが、北川景子さんが主演の『家売るオンナ』(日本テレビ系 水曜22時)で、17日放送の第6話は平均視聴率11.6%(関東地区)を記録し、他局でリオ五輪の中継があったものの強さを見せており、第5話を除いて2ケタの数字を記録しています、
その一方で、かなり苦戦を強いられているのが、脚本家・監督の堤幸彦さんが演出、俳優・向井理さんが主演の連続ドラマ『神の舌を持つ男』(TBS系 金曜22時)。
リオ五輪が開幕する前の7月8日に放送された初回の平均視聴率は、今期民放のゴールデン・プライム帯(19時~23時)でスタートしたドラマの中で最下位となる6.4%を記録し、その後も第2話は6.2%、第3話は5.7%、第4話は5.3%、第5話は5.3%と、リオ五輪開幕前から5~6%の数字で推移しており、大コケだと話題になっていました。
<TBSドラマ『神の舌を持つ男』に出演の木村文乃さん、向井理さん、佐藤二朗さん>
そして、12日に放送された第6話は、同時間帯に他局で柔道や陸上などの競技が中継されていたことが影響したのか、自己最低となる3.8%を記録。
ついに、打ち切りのボーダーラインと言われている3%台に突入してしまいました。
なお、民放のゴールデン・プライム帯で放送の連ドラで3%台の数字を記録したのは、芦田愛菜さんとシャーロット・ケイト・フォックスさんがW主演で4月期に放送された『OUR HOUSE』(フジテレビ系 日曜21時)が、3回にわたって記録して以来のことで、今期民放の連ドラは軒並み低視聴率となっているものの、3%台の数字を記録したのは『神の舌を持つ男』のみという状況です。
当初このドラマは、映画化も検討していたと言われているものの、低視聴率を連発していることから白紙になったと7月の時点で『東京スポーツ』(東スポ)によって報じられていたのですが、第7話以降も3%台の数字が続くとすると、打ち切りによる終了という可能性もあるのではないかと囁かれています。
ここまで視聴率が低迷している原因として挙げられているのは、向井さん演じる主人公・朝永蘭丸の「神の舌」で、蘭丸は舌に乗せたものを検査機並みの精密さで分析できる「絶対舌感」を持つ男であり、その能力を活かして行く先々で起こる殺人事件を解決するというストーリーとなっているのですが、向井さんが度々ベロを出すシーンがあり、これに対して視聴者からは「ベロ出しが気持悪い」「キモい」「ただ不快」などと酷評されています。
<気持ち悪いと批判されている向井さんがベロを出しているシーン>
また、これまでに『ケイゾク』や『池袋ウエストゲートパーク』、『SPEC』シリーズ(全てTBS系)、『TRICK』シリーズ(テレビ朝日系)などの作品を手がけてきた堤さんによる演出、『相棒』シリーズや『科捜研の女』シリーズ(ともにテレビ朝日系)などを担当した櫻井武晴さんによる脚本に対し、「面白くない」「ネタがしつこい」「ギャグがスベってる」などの声が多く上がっています。
そうした結果、数字が伸びずに低迷を続け、一部の限られた視聴者にしかウケないドラマとなっているのではないかとみられているのですが、19日に放送される第7話で視聴率を上げられるのか、それともさらに下げてしまうのか注目したいですね。