三谷幸喜さん脚本、田村正和さん主演で大ヒットした刑事ドラマ『古畑任三郎』(フジテレビ系)が、キャストを一新して復活するとの情報を『東京スポーツ』(東スポ)が報じています。
東スポがキャッチした情報によれば、『古畑任三郎』の“復活プロジェクト”が水面下で進行中で、すでに三谷幸喜さんは『古畑任三郎』の復活オファーを了承済みとしています。
<↓の画像は、『古畑任三郎』シリーズ出演の石井正則さん、田村正和さん、西村まさ彦さんの写真>
田村正和さんが主演し大ヒットした『古畑任三郎』シリーズは、1994年4月期にシーズン1が放送され、初回平均視聴率14.4%、最終回は12.3%、全10話の期間平均視聴率は14.2%と当時の平均的な数字でした。
しかし、その後の再放送などで注目を集め、1995年4月放送のスペシャルが18.8%、1996年1月期放送のシーズン2は明石家さんまさんが犯人を演じた初回が25.4%、その後も20%以上の数字を記録し、全10話の期間平均視聴率は25.3%、直後に放送されたスペシャルでは34.4%を記録しました。
1999年1月放送のSMAPが犯人を演じたスペシャルは平均32.3%、1999年4月期放送のシーズン3は初回25.5%、最終回は28.3%を記録し、全11話の期間平均視聴率は25.1%となっていました。
その後も『古畑任三郎』シリーズは再放送される度に大きな反響を呼び、2006年1月には『古畑任三郎 FINAL』として3夜連続でスペシャルが放送され、藤原竜也さんと石坂浩二さんが出演の第1夜が21.5%、イチローさんが出演の第2夜が27.0%、松嶋菜々子さん出演の第3夜が29.6%でした。
これをもって田村正和さん主演の『古畑任三郎』シリーズは終了し、今年で早14年となるのですが、東スポによればこれまでフジテレビは、何度もシーズン4の制作に動いたものの、田村さんが芸能界引退状態にあることや、トリックの枯渇問題などによって実現には至らなかったそうです。
そうした中で、『古畑任三郎』の復活プロジェクトが極秘で立ち上がり、水面下で動き始めているとの情報を東スポはキャッチしたとし、復活のきっかけは三谷幸喜さんが『朝日新聞』で連載している『三谷幸喜のありふれた生活』の特別版だったそうです。
事情を知る関係者は、「4月23日から全4回の読み切り小説『一瞬の過ち』内で、古畑任三郎が刑事役そのままで登場したんです。もともと新型コロナウイルスの感染拡大でステイホームを強いられる読者に何か楽しい話題を提供したいという三谷さんが発案したとか。『事件発生』から始まり、『対決 古畑VS犯人』、そして『解決編』で締めくくり、ファンはネット上で大いに盛り上がりました」
と語っています。
これに加えて、5月16日に再放送したシーズン3・最終話の視聴率も良く、ネット上では大きな反響を呼び、ドラマ復活を望む声も多く上がっていたことから、フジテレビは新シーズン制作に向けて動き出し、三谷幸喜さんにオファーしたといいます。
すると、三谷幸喜さんはすんなりとOKを出したとのことですが、三谷さん側から「古畑役には田村正和さんと遜色ない配役をキャスティングする」との条件を出されたとのことです。
現時点でキャストとして名前が挙げられている俳優について制作会社幹部は、「古畑役のキャスト案として、阿部寛とオダギリジョーの2人が最終候補に残っている。フジ上層部は阿部を、現場はオダギリを推し、まだ決まっていません。今泉役には香取慎吾、筒井道隆らの名前が挙がったそうですが結局、大泉洋に絞られたらしい。あとは大泉サイドのジャッジ次第ですね」
と語っています。
ちなみに、『一瞬の過ち』では三谷幸喜さんに殺害される被害者として、大泉洋さんが「大泉妙」の名前で登場しています。
東スポによると、『新・古畑任三郎』の放送時期は来年4月期を予定しているといい、早ければ年内にも制作が発表されるそうです。
東スポはこのように『古畑任三郎』の復活を報じているのですが、これに対してネット上では、
- 別の役者さんでのリニューアルには馴染めないかな?名の上がっている俳優さんは好きな方ばかりだけど。
- ジャニーズではなく演技派の2人だから悪くはないなとは思うけど、やはり古畑任三郎は田村正和さんに及ぶ役者はいないね
- キャストを変えてまで「古畑任三郎」復活しなくてよい。田村正和さんだからこその「古畑任三郎」で、名前は変えてほしい。
引き継ぎました、とかの設定で。 - 大泉洋さんは犯人役でしょう。阿部寛さんだと新参者の加賀のイメージが強いから古畑ではないな。田村正和さんを超える配役は居ないな。
- 確かに朝日新聞の紙面上で、三谷さんは田村さんに向けて復活の呼びかけをしていましたが、別キャストというのは如何なものでしょうか?
あのセリフまわしは田村さんのものだから、別の方が使ったらコスられ倒したものまねになってしまうし、使わなかったら、それは古畑じゃくなってしまうように思います
金田一耕助のように原作があれば、拡大解釈の範疇ですが、車寅次郎のように役者が作ったキャラクターは代役感が出てしまうので、ファンは消化不良になるように感じます - 古畑の面白さはひとえに田村正和の存在に尽きるんだよなー…正直トリックなんかなんでもいいし今までのシリーズだって特にすごいトリックでもなかったし。
あの独特の動作と表情と喋り方、あれが古畑の面白さの全てだと思うんだけどな。 - 古畑任三郎はリアルタイムで観たし、DVDでも再放送でも何度も観る程好きやけど、キャストが替わっての新シリーズも有りやと思う。
田村正和の独特の言い回しは唯一無二とは思うけど、反対してるのは昔を知ってる視聴者のみで、古畑を知らない。
観たことがない世代は新ドラマとして受け入れるんとちゃうかな。
個人的にオダギリジョーは『時効警察』を連想するから止めてほしいね。
などの声が上がっており、キャスト変更しての新シリーズには否定的な反応が多く見受けられます。
『古畑任三郎』シリーズは、田村正和さんが醸し出す独特の雰囲気やセリフ回し、そして相棒?の部下・今泉慎太郎役を演じる西村まさ彦さんなど、個性的なキャストの演技が作品の魅力を押し上げており、出演者が一新されてしまうと、人物設定やストーリー展開などが同じでも全く別の作品になってしまう気もしますね。
三谷幸喜さんも朝日新聞の連載で、「古畑のキャラクターは、僕と田村さんの競作だ。僕が書いたホンを田村さんが現場で膨らまし、それを見て、また僕が次のホンで膨らます。田村さんとは数えるほどしかお会いしていないが、大先輩に対して失礼かも知れないけれど、僕は田村さんを、苦労を共にしてきた“同志”だと思っている」「『古畑』は田村正和ショーでもある。」
などと綴っています。
三谷幸喜さん自身もこのように言っているので、古畑任三郎を演じるのは田村正和さん以外にはいないのではと思います。
しかし、田村正和さんは2018年2月放送の主演作『眠狂四郎 The Final』(フジテレビ系)を最後にドラマや映画などには出演しておらず、田村さんは数年前から体調が芳しくないようで、連続ドラマで主演を務めるのは難しいのかもしれません。
そのため、『古畑任三郎』を新たに制作するとなればキャストの一新は必要で、東スポによると古畑役には阿部寛さん、オダギリジョーさんの名前が挙がっているそうですが、田村正和さんのイメージが強すぎることから、正直どちらが演じても違和感がありそうですね。
東スポによれば三谷幸喜さんは新シリーズ制作にあたり、「田村さんと遜色ない配役をキャスティングする」という条件を出しているとしていますが、『古畑任三郎』シリーズを手掛けたフジテレビの石原隆プロデューサーも朝日新聞で、「出演者、スタッフなど、条件がそろえば、すぐにでも作りたいです!」と語っています。
『古畑任三郎』として制作するのであれば、田村正和さん版のファンも納得するようなキャスティング、仕上がりにしてほしいところで、作品を汚すようなことがないようにしてもらいたいですね。