23日に芸能界引退を発表した中居正広さん(52)の女性トラブルへの関与などを巡り、フジテレビが大揺れとなる中で、社会学者・タレントの古市憲寿さん(ふるいち・のりとし 40歳)が23日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)で、フジテレビ出禁も覚悟のうえで経営陣を痛烈批判し、大きな反響を呼んでいます。
古市憲寿さんはSMAPの大ファンを公言し、22日に打ち切り終了が発表された『中居正広の土曜日な会』(テレビ朝日系)などで中居正広さんと共演しており、22日には自身のX(旧ツイッター)で、一連の騒動や中居さんに対する思いの丈を長文で綴り、「こんな終わり方というのは、あまりにも悲しすぎる。せめて中居さんには、何があったのか、自分の言葉で説明して欲しい。SMAPは国民的スターだった。当然、そのリーダーも国民的スターだった。もしも国民的スターが、何かトラブルを起こして、テレビを去ることになるなら、きちんと“国民”の前で、自分の言葉で、何があったのかを語って欲しい。このままフェードアウトしようなんてずるいよ。」
と訴えていました。
<↓の画像は、中居正広さんと古市憲寿さんの写真>
それから一夜明けて、曜日コメンテーターを務める『めざまし8』に出演し、「このモヤッとした形で中居さんが例えば引退するとか、もしくはSMAPがもう再結成ないとするならば、自分の言葉でちゃんと説明してからせめて去って欲しい。もしくは誤解があるなら誤解を解いてから去って欲しい」
との思いを改めて明かしました。
また、一連の騒動を巡るフジテレビの対応を批判し、「企業としての体を成していないと思うんです。普通の企業ではありえないことが起きている」「別にフジテレビ出れなくなってもいいから言うんですけど、フジサンケイグループ代表の日枝さんを中心とする経営陣が1回全部どいてもらわないと、この問題は収束しないと思う。」
と語りました。
<↓の画像が、フジテレビの取締役相談役、フジサンケイグループの代表・日枝久さんの写真>
続けて、「普通に考えて、影響力のある企業として、87歳の方が数十年にわたって権力を持つ、いまだに人事権とか影響力を持つのはおかしい。放送法と電波法に守られた許認可事業をしている極めて公益性の高い企業で、1人の方が影響力を持っているのは絶対的に良くない。それは日枝さんも良くなかったし、それを許してきた会社の幹部、(放送事業を管轄する)総務省も良くなかったかもしれない。」「この10年間、フジテレビって経営的にも問題があったし、コーポレートガバナンスの欠如が今回の問題の根幹にある以上、日枝さんも含めて経営陣が1回どいてもらわない限り、社会の信用は取り戻せないんじゃないか」「(フジテレビが)好きだからこそ、1回風通しを良くしないといけないと思う。上層部には責任をとって辞めてもらう時期だと思う」
と、経営陣の刷新が必要だと提言しました。
これに対してネット上では、
- もしかしたらフジから仕事なくなるかもしれないけど、応援するよ
- 極めてまっとうな正論
- 古市氏は好きでは無いがこれはその通りだと思う。日枝さんや上層部は全部変えないとだれも信用できない。
- 「楽しくなければテレビじゃない」から、今時代は「楽しいだけではテレビじゃない」
それを認識できないのであれば、然るべき上層部の総入れ替えもやむを得ない。 - 経営陣総退陣なんて当たり前。絶対にやらないとスポンサーが戻ってこないよ。
今の経営陣がコンプラゼロの判断をして問題になっている。経営陣そう取っ替えしても、帰ってこないスポンサーもあるでしょう。それくらい重いこと。 - 1番権力を持っている人の名前を晒し批判するのはすごい勇気。古市さんのコメントは逆張りしたり、人間味が感じられないところがあまり好きではなかったが、今回の件で中居さんへのXでのメッセージも含め1番心に響いた。
- 日枝さんやフジテレビの経営陣はもちろん、フジテレビの元専務で関テレの大多亮社長も含め、他にも問題を知っていた役員クラスは退陣してもらうのは必須でしょ
などの声が上がっています。
日枝久さんは1961年にフジテレビに入社し、1983年に取締役編成局長、その後は常務取締役を経て1988年に社長に就任し、2001年に会長兼CEOとなり、2017年にフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビの会長兼CEOを退任後も、両社の取締役相談役に加えて、フジサンケイグループの代表を務めており、日枝さんは“フジテレビの天皇”とも呼ばれています。
日枝久さんは現在も非常に大きな権力を持っていることは間違いないため、17日にフジテレビの港浩一社長が行った記者会見や、この時点で第三者委員会を設置するとは明言せずに、第三者の弁護士を入れた調査委員会を設置する方針を発表したり、会見に参加できる記者を制限し、生中継NGなどの対応を取ったのも、日枝さんの意向によるものなのではないかとの憶測もあります。
また、週刊誌『週刊新潮』が2022年6月に報じた記事によると、フジメディアHD傘下の番組制作会社『共同テレビ』の社長だった港浩一社長を、フジテレビの社長として白羽の矢を立てたのは日枝久さんだったとし、プロデューサーとしてフジテレビ黄金時代を築いた港社長をトップに据えて、黄金時代の再来に懸けるという発想に対しては、局内からも“老害”だと冷ややかな反応も上がっていたといいます。
そして、港浩一社長がフジテレビの代表になって以降、再びフジテレビがかつて得意としていたバラエティ番組が増加し、港社長から可愛がられていたという編成幹部・A氏は局内での評判は良くなかったそうですが、2022年6月の人事で編成制作局バラエティー制作センター部長、昨年には編成局編成戦略センター室長兼編成部長に昇進を果たしました。
その裏では、女性アナウンサー等を接待要員として扱い、タレントに献上していた疑惑があるほか、A氏自身もセクハラや性加害をしていた疑いも浮上しています。
こうした問題について、約20年にわたりフジテレビの正社員をしていた女性は週刊新潮の取材に、「上層部にいかに取り入るかだけで社員が動く会社です。イジメ体質で、問題が起きた時に当事者意識を持ちません。何もかもが他人事。他人に寄り添う姿勢がないので、弱い相手を平気で叩き潰します。そういう社風です。」
と語っています。
日枝久さんがフジテレビを牛耳っている限りは、現在報じられている各問題に対して上辺だけの対応となるだけで何も変わらず、時間が経てば元に戻ることは目に見えていることから、古市憲寿さんが言うように日枝さんら経営陣を刷新することが必要不可欠かと思います。
かつてニッポン放送、フジテレビの買収に動いた“ホリエモン”こと堀江貴文さん等がフジメディアHDの株を取得し、役員を変えるために6月に開催予定の株主総会への出席を呼びかけるなどしていますが、経営陣総入れ替えといった展開を迎えるのか、引き続き動向を注視していきたいです。