ピン芸の日本一決定戦『R-1ぐらんぷり2020』(フジテレビ系)が8日に開催され、吉本興業所属のお笑いコンビ『マヂカルラブリー』のボケ担当・野田クリスタルさん(本名=野田光 33歳)が18代目王者となり、賞金500万円などを獲得しました。
今年の『R-1ぐらんぷり2020』は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大会史上初となる無観客での開催となり、生中継会場は約50人のスタッフや関係者等の笑い声と拍手のみが起こるという中で、決勝トーナメント進出を果たした芸人がネタを披露しました。
今年の審査員は、桂文枝さん、関根勤さん、久本雅美さん、陣内智則さん、友近さん、勝俣州和さんの計6人に加えて、お茶の間投票とツイッター投票が行われ、各審査員の持ち点は3ポイント、お茶の間投票とツイッター投票は、得票率が最も多い人が3ポイント、2番目が2ポイント、3番目が1ポイント付与されるという形となっていました。
今年は2532人がエントリー(昨年は2542人)し、決勝トーナメント・Aブロックはメルヘン須長さん、守谷日和さん、SAKURAIさん、マヂカルラブリー・野田クリスタルさん、Bブロックはルシファー吉岡さん、ななまがり・森下直人さん、パーパー・ほしのディスコさん、すゑひろがりず・南條庄助さん、ヒューマン中村さん、キラキラ関係・ワタリ119さんの11名に加えて、敗者復活の大谷健太さんの12人で優勝争いをしました。
Aブロックはマヂカルラブリー・野田クリスタルさんが、審査員投票9ポイント、お茶の間投票3ポイント、ツイッター投票3ポイントの計15点で1位。
Bブロックはすゑひろがりず・南條庄助さんが、審査員投票3ポイント、お茶の間投票3ポイント、ツイッター投票3ポイントの計9点で1位。
Cブロックは大谷健太さんが、審査員投票7ポイント、お茶の間投票2ポイント、ツイッター投票2ポイントの計11点で1位。
トーナメントを勝ち上がったこの3者がファイナルステージへと進出し、マヂカルラブリー・野田クリスタルさんが審査員投票10ポイント、お茶の間投票3ポイント、ツイッター投票で3ポイントの計16点を獲得して見事優勝を果たすという結果でした。
<↓の画像は、『R-1ぐらんぷり2020』ファイナルステージの結果写真>
マヂカルラブリー・野田クリスタルさんはトーナメントとファイナルステージ共に、シュールな自作ゲームを実況プレイするというネタを披露し、審査員の爆笑を誘って見事優勝を果たしたのですが、この結果に対してネット上では、
- 正直、今回の大会自体がすごくレベル低かった。優勝芸人のネタも面白いとは感じなかった。
- 今年は特にレベルが低かった。共感性羞恥を覚えるほど…
NHKの受信料ネタをした芸人に審査員票が一票も入らないところにも闇を感じた。明らかにあのブロック内では面白い方だったのに。 - ここ数年ずっとそうだけど、M-1グランプリと比べると数段見劣りするし、ゴールデンでやるほどでは無い気がする。
個人的にはヒューマン中村面白いと思ったけど、票はあんまり入らなかったね。 - 陣内智則の超劣化版を本人が審査するという皮肉な展開。本人は納得しても、視聴者はその違いがハッキリ分かるほどだった。
- 演者もまずいところあると思うけど、まず審査員がまずいと思う。この3人を決勝に残して、挙句に勝俣の「レベル高かったですね」発言は無いと思う。絶対視聴者の方が見る目があると思った
- 野田はおもしろいではなく、一番マシというのが率直な感想。R-1ってこんなにレベル低かった?
なだぎ武が優勝したときとかめっちゃ面白かったようなきがする。 - 無観客で静まり返ったスタジオ。華のないファイナリスト、締まりのない司会、ただスケジュールが空いていただけで呼び寄せられた審査員…。
これで勝ち残って500万って、絶対に視聴者や関係者は不満に思うわ。 - 特に去年のM-1が特にレベル高かったから期待してたけど、R-1は変わらず低レベルだったと言わざるを得ない。
でも無観客でやり抜いた12人の芸人はよくやったと思う。お疲れ様でした。
などと、今年の内容に対しても厳しいコメントが多く見受けられます。
今年は無観客の中でネタを披露する異例の形となっており、それもあって例年以上に盛り上がりに欠けた部分もありますが、全体的にレベルが下がったという声が非常に多いですね。
そうしたことも原因で番組視聴率も低迷を続けており、2009年~2016年までは番組平均視聴率が関東地区・関西地区共に10%超えを記録していたものの、2017年以降は9%前後で推移し、今年は関東地区が過去2番目に低い平均視聴率7.1%(過去最低は第4回・2006年の6.9%)、関西地区は過去5番目に低い10.3%(最低は第1回・2002年の6.5%)でした。
R-1ぐらんぷりは、漫才No.1決定戦『M-1グランプリ』、コントNo.1決定戦『キングオブコント』と並ぶ大規模なお笑い賞レースで、優勝者には賞金500万円に加えて、フジテレビ系で冠番組に出演する権利を獲得できるといった副賞も用意されているのですが、近年は特に他の賞レースと比較してレベルが低いと指摘されており、それも原因なのか優勝してもブレークできなかった芸人も多くいます。
昨年のR-1ぐらんぷりで史上最年少で優勝した霜降り明星・粗品さんは、M-1グランプリ優勝などもあって大ブレークしていますが、2018年優勝の濱田祐太郎さん、2016年優勝のハリウッドザコシショウさん、2014年優勝のやまもとまさみさん、2013年優勝の三浦マイルドさん等は、一時的にテレビ番組に出演していたものの、ブレークすることなくメディアへの露出はすぐに減少していきました。
そして、今回優勝を果たしたマヂカルラブリー・野田クリスタルさんは、2017年のM-1グランプリ、2018年のキングオブコントで決勝進出を果たし、一時に比べてメディアへの露出は増えてはいるものの、ブレークには至っていないのですが、R-1ぐらんぷり優勝によって今後ピン、コンビでブレークとなるのかどうか注目したいですね。