チャリティー番組『24時間テレビ39 愛は地球を救う』が27日から28日にかけて放送され、2日間(27日18時30分~28日20時54分)の番組平均視聴率が昨年と同じく15.4%(歴代18位タイ)だったことが明らかとなりました。
瞬間最高視聴率は、チャリティマラソンランナーの林家たい平さんが番組終了間際にゴールし、出演者らと『サライ』を熱唱していた28日20時48分に記録した35.5%でした。
また、27日21時14分から放送されたNEWS・加藤シゲアキさん(29)が主演のスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた~』は、平均視聴率20.5%を記録。
ちなみに、昨年24時間テレビ内で放送されたHey! Say! JUMP・山田涼介さん主演の『母さん、俺は大丈夫』は、平均視聴率20.2%でした。
番組の放送前の23日には、俳優の高畑裕太容疑者(22)が強姦致傷容疑で逮捕され、高畑容疑者がこのドラマに出演していたほか、番組パーソナリティーとして出演予定だったことから大きな騒動となりました。
そうした中で、日テレは高畑容疑者の出演シーンを全てカットし、ドラマの撮り直しを決定。
高畑容疑者の代役を務めたのはNEWSのリーダー・小山慶一郎さん(32)で、ギリギリのスケジュールで収録が行われたものの、無事にドラマは放送されました。
<↓の画像は、小山さんと加藤さんが共演したワンシーン>
NEWSが2009年以来、2度目のメインパーソナリティーを務めた今年の『24時間テレビ』は、「愛~これが私の生きる道~」がテーマ。
総合司会は昨年に引き続き、フリーアナウンサーの羽鳥慎一さんと水卜麻美アナが担当し、チャリティーパーソナリティーを波瑠さん、番組パーソナリティーをオリエンタルラジオ、その他にサポーターとして今田耕司さん、徳光和夫さんらが出演。
チャリティーマラソンランナーを務めた落語家・林家たい平さん(51)は、自身を育ててくれた『笑点』、同番組の前司会者で現在は終身名誉司会を務めている桂歌丸さん(80)、たい平さんの師匠で闘病中の林家こん平さん(73)の三者に感謝を伝えるために、100.5キロのマラソンに挑戦をしました。
<マラソン完走した林家たい平さんや『笑点』メンバー>
ちなみに、28日20時の時点での募金総額は2億3,369万9,751円となっていました。
そして、今年の『24時間テレビ』に対してネット上では、
- ギャラ貰ってマラソンしてチャリティーって意味がわからん。あと、障害者を晒しもんにするのも気持ち悪い
- 毎年違う人が走っても番組のラスト10分位でゴールするからな…最後の10分だけ見れば…って人が多く、その時間の視聴率は自然と良くなる。
- 募金総額より遥かに出演タレントのギャラの方が高いだろうな。
- 障害の子供にperfect human踊らせる神経が一番理解できない
- 一般からの募金が、まともに使われるのなら有意義だとは思う……けど、毎年似たり寄ったりの構成、最後の15分でゴールとか、感動の押し売りとか、やり方変えたら良いのに。
- 普通は応援したい人がいるからマラソンで元気にすると立候補するものだか、なんか毎年走る人が罰ゲームみたいに勝手に指名されて後付けで感動するように演出するから見ていて何も感じない。
など、今年も番組の内容に対して批判的な声が多く上がっています。
特に、両足麻痺の少年が富士登山に挑戦する企画では、ちょうど台風が接近し悪天候の中で、健常者でも大変な1合目から登山を開始していたこと、少年の父親が虐待しているように見える姿が映しだされていたことから、番組に対して批判が殺到していますね。
- 虐待だと批判されているシーン(YouTube)
涙を誘うための感動シーンを強引に作り出している明らかなお涙頂戴番組で、そうした結果番組全体の数字は下がっているものの、今年フジテレビで放送の『27時間テレビ』が7.7%と番組史上過去最低の視聴率を更新した一方、『24時間テレビ』については昨年に引き続き15.4%という好視聴率を獲得しているため、来年以降も続いていくのでしょうね…。
ちなみに、『24時間テレビ』の裏で28日19時からNHKのEテレで生放送された情報バラエティ番組『バリバラ~障害者情報バラエティー~』が、『24時間テレビ』をパロディ化していたことでネット上では大きな話題になっていました。
<29日に放送された『バリバラ』のスタジオの様子>
同番組は「日本初の障害者のためのバラエティ番組」と銘打って2012年4月からスタートした番組となっており、「感動するな!笑ってくれ!」というコンセプトで、障害者が自身の障害をネタにして笑いを取るなど、障害者自身が笑わせることを目指した内容となっています。
28日の放送では「検証!『障害者×感動』の方程式」と題し、『24時間テレビ』を筆頭とした障害者をテーマにした感動ドキュメンタリー番組を放送することについて、「障害者を描くのに感動は必須か?」「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」などの議論が行われました。
また、感動ドラマのパロディでは、番組スタッフが障害者に「相当ショックだったでしょうね…」と声をかけると、障害者は「いや、その病院に、めっちゃイケメンの先生がいて、めっちゃテンション上がりまくりだったー」と答え、それに対して番組スタッフは「その話いらないっす」と否定。
さらに、立ち直ったきっかけを聞かれて障害者が「まあ時間が解決したみたいな」などとと明るく答えると、スタッフは「いやいや、そんなベタな話はないでしょう」「そこはもっと大変な感じで行きましょ」などと軌道修正されるといい、報じない自由を駆使して事実を曲げ、無理矢理感動ドラマを作り上げている様子を再現していました。
その他にも、番組では健常者と障害者100名ずつに「障害者の感動的な番組をどう思う?」というアンケートを実施し、健常者では「好き・嫌い」が競り合っていたものの、障害者は「好き」と回答したのはたった10人で、90人は「嫌い」だと回答しているという結果を紹介。
<アンケート結果>
イギリスのBBC放送では「障害者を勇敢なヒーローや憐れむべき犠牲者として描くのは侮辱である」というガイドラインを制定しているという情報も報じたり、骨形成不全症を患いながらジャーナリスト、コメディアンとして活動していたオーストラリア人のステラ・ヤングさん(1982~2014年)のスピーチを紹介するなどしていました。
<障害者を、健常者らが感動するための“モノ”として扱うような行為を指す言葉『感動ポルノ』について語るステラ・ヤングさん>
そして、この番組に対して視聴者からは、「この番組の考え方が24時間テレビに生かされていくことを願う。日テレのトップに是非この番組を観てもらいたい」などのコメントが寄せられるなど、大きな反響を呼んでいます。
もし『24時間テレビ』も障害者の目線に立った番組作りをすれば、偽善番組、お涙頂戴番組などという声も減るかと思いますし、意味のある番組になると思いますので、是非とも検討をしてほしいですね。