1973年の連載開始から今年で50周年を迎えた手塚治虫さんの人気医療漫画『ブラック・ジャック』が再び実写ドラマ化されることや、当初主演には菅田将暉さん(30)が起用されていたものの、“降板トラブル”によって高橋一生さん(42)に交代したことを7日発売の週刊誌『女性セブン』が報じています。
女性セブンによれば、ブラック・ジャックのスペシャルドラマの制作が現在進行中で、今月に京都で撮影が行われたそうなのですが、元々は昨年秋にクランクイン予定だったといいます。
<↓の画像は、今年50周年を迎えた『ブラック・ジャック』の写真>
テレビ局関係者は、撮影が1年以上も延期となった理由について、「2022年夏前の段階では、菅田将暉さんが主演だと聞いていました。ところが、菅田さんサイドから“降板”の申し入れがあったようです。どうも彼の考えが、作品の方向性とそぐわないとかで」
と明かしています。
ブラック・ジャックは、無免許ながら唯一無二の手術テクニックを持つ天才外科医のブラック・ジャック(間黒男 はざま・くろお)の活躍を描いた作品で、どんな手術でも成功する一方、法外な治療費を請求する闇医者という設定となっており、菅田将暉さんはこうした価値観が自身と合わないと感じたそうです。
同テレビ局関係者は、「新型コロナやウクライナ情勢などを目の当たりにし、自分の持つ医師像とブラック・ジャックが異なって見えたそうなんです。特に“カネで命を救う”という部分が引っかかったとか。」「ブラック・ジャックはカネのためだけに手術をするわけではないし、そんな浅い物語じゃないことは菅田さんも理解しているのでしょうが、ひとたび疑問を抱いてしまったことで、『もう自分の作品にはできない』と思ってしまったそうです」
と明かしています。
こうして菅田将暉さんはブラック・ジャックの主演を降板し、代わって高橋一生さんが主演に抜擢されたといい、「キャスティングの変更はよくあること。今は高橋さんを中心にいい緊張感を保ちながら進んでいる。高橋さんは原作をかなり読み込み、理解を深めて役に臨んでいると聞いています。見応えのある作品になりそうです。」
とドラマ関係者が語っています。
菅田将暉さんは2021年11月にNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の撮影終了後から俳優業を休止し、半年ほど休んで再び仕事復帰をしていたのですが、休養を決めた理由については、「精神的な疲れって、目に見えない。(役柄で)親を殺されましたとか。お芝居なんだけど、ハートとしてはなかなかなダメージを受けるんです。追体験ではないですが(心が)いろんなところを骨折していたり、捻挫していたりという状態。それを単純に通院するような気持ちで」
と説明していました。
女性セブンによると、菅田将暉さんは仕事復帰後、仕事に対するスタンスが明らかに変化しているといい、以前までは仕事と割り切って様々な作品に出演していたものの、現在は自分が本当にやりたいと思うものを吟味しているといいます。
そうした変化もあり、ブラック・ジャックの主演を降板したそうですが、菅田将暉さんは休養前のインタビューでこれまでの出演作について、「『今、これをやったほうがいい』という感覚がありました」「なぜか、今これをやるタイミングなんだという作品が多いんですよ。その時のマインドに似ていたり、同じようなことが家族で起こっていたり。俳優は他人の人生を演じるわけですが、その期間も自分の人生なので。他人の人生で積み重ねていく、自分の人生。」
と語っていました。
そして、昨年末から撮影が行われた映画『ミステリと言う勿れ』では、制作段階の打ち合わせから参加し、自身が演じる主人公のセリフ等も考え、原作が持つメッセージを強く届けることにこだわったことや、役柄にも共感を持つ部分があったことなどをインタビューで明かしていました。
菅田将暉さんは大の漫画好きを公言しているので、ブラック・ジャックもよく読んだ上で降板を決意したとみられ、菅田さんが主人公のブラック・ジャックも見てみたかったものの、高橋一生さん版のブラック・ジャックも楽しみです。
手塚治虫さんの代表作で不朽の名作と言われるブラック・ジャックは、これまでに何度も実写化されており、1977年公開の初の実写映画では宍戸錠さんが主演を務め、1981年に加山雄三さんが初の実写連続ドラマで主演し、その後も2000~2001年に本木雅弘さん主演のスペシャルドラマが放送され、2011年には岡田将生さんがスペシャルドラマで主演しました。
それに続いて高橋一生さんが主演に抜擢され、高橋さんは人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの岸辺露伴など、個性が強いキャラクターも見事に演じきり、経験豊富で高い演技力を持っている方なので、久しぶりに実写化されるブラック・ジャックにも期待したいですね。