民放各局では長時間の音楽特別番組が放送されていますが、フジテレビ系で毎年夏に約4時間にわたって生放送されている『FNSうたの夏まつり』が大幅に放送時間を伸ばし、今年は『2016 FNSうたの夏まつり~海の日スペシャル~』として約11時間にわたって生放送されることになりました。
司会は昨年に引き続き、アンジャッシュ・渡部建さんと歌手・森高千里さんが務め、今年は進行が軽部真一アナではなく、フリーアナウンサーに転身したばかりの“カトパン”こと加藤綾子さんが務めます。
放送時間は18日(月)の午前11時45分~23時24分までで、11時45分~16時50分が第1部、17時20分~21時が第2部と3部、22時~23時24分までが夜FESという括りとなっているのですが、11日よりスタートした桐谷美玲さん主演の月9ドラマ『好きな人がいること』の第2話が途中に放送されることが判明し、これに対してネット上では「斬新なタイムテーブルだな」「“月9”は惨敗続きだから、必死」「フジが嫌われる理由がわかるわ」「うわ~、あからさますぎる」「9時台は“お風呂タイム”という、フジの配慮」「ドラマでチャンネル替えられて、誰も戻ってこないんじゃない?」などと失笑を買っています。
<『2016 FNSうたの夏まつり~海の日スペシャル~』のタイムテーブル>
フジテレビの月9枠は同局を代表するドラマ枠で、これまでに数多くの名作を生み出してきた枠なのですが、メインターゲットにしている若い世代がドラマを視聴する機会が減っていたり、リアルタイムで観ないという視聴者が増えていたり、ドラマの質自体が低下していることなどが重なって数字を取るのが難しくなっています。
そのため、今年1月期に放送された有村架純さん&高良健吾さんW主演の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』は、全10話の期間平均視聴率が9.7%と、月9史上最低の視聴率を記録。
さらに、4月期には福山雅治さんが主演の『ラヴソング』が放送され、全10話の期間平均が8.5%で2期連続で月9ワースト記録を更新。
2期連続でワーストを更新してしまうという最悪な流れを断ち切りたいフジテレビは、今若い世代の女性から高い支持を得ているイケメン俳優の山崎賢人さん、その他に野村周平さんと三浦翔平さんをキャスティングし、海辺のレストランを舞台にした夏らしいラブコメディを制作。
<『好きな人がいること』の出演者>
(左から三浦翔平さん、桐谷美玲さん、山崎賢人さん、野村周平さん)
フジテレビの亀山千広社長は6月末に開催された株主総会にて、低迷している視聴率をどう獲得していくかについて、「まずはドラマで話題を呼び、バラエティで視聴習慣を根付かせ、最後は報道番組で信頼を得る。そのためには、なんとしてでもヒットドラマを生まなくてはならない」と語っており、引き続きドラマに力を入れていくとみられます。
そして、『FNSうたの夏まつり』の間に挟んだのも、少しでも視聴率を上げたいという考えからなのかもしれませんが、若者をターゲットにした恋愛ドラマということから視聴者を選びますし、そもそもドラマを見たくないという視聴者も多くいることから他局へ流れるかと思います。
その結果、ドラマ終了後の22~23時台の数字が下がってしまうという展開になりかねないと思うのですが、この作戦が果たして功を奏すのか、両番組の数字に注目をしたいですね。