アニメ制作会社の“京アニ”こと『京都アニメーション』の第1スタジオで、7月18日に発生した放火殺人事件では35人の命が無惨にも奪われ、京都府警は2日に亡くなられた35人のうち10人の身元を公表ました。
その中には、京アニの取締役であり、人気アニメ『らき☆すた』『氷菓』などで監督を務め、他にも数多くの作品で演出などを手掛けた武本康弘監督(たけもと・やすひろ 享年47)も含まれており、多くのアニメファンから悲しみの声が上がっています。
<↓の画像は、京アニ放火殺人事件の被害者となった武本康弘監督の写真>
そうした中で、4日に生放送されたニュース番組『Live News it!』(フジテレビ系 平日16時50分、土日17時30分)でこのニュースを取り上げた際、誤ったテロップを流していたことから大炎上騒動に発展しています。
4日の『Live News it!』では多くの人が訪れている献花台の様子を伝え、武本康弘監督ら犠牲者たちへの追悼コメント取材の模様も放送し、その中で武本監督とは30年来の友人で高校時代に同じ文芸部に所属していた同級生が、「天才やったからね。あんな天才いませんよ。絵やシナリオを見たら分かる」と語る場面を放送しました。
しかし、この場面で右上に約30秒にわたり表示されていたテロップでは、「『らき☆すた』監督の同級生も『あんなアホいない』追悼」と記されており、この放送を見た視聴者たちからは怒りの声が噴出する事態となり、ネット上では大炎上騒動に発展しました。
<↓の画像が、テロップミスがあった場面のキャプチャー写真>
そして、誤表示から約7分後にメインキャスターの奥寺健アナウンサーが、「サイドバー、字幕が誤っていました。正しくは『あんな天才はいない』でした。大変失礼致しました」
と訂正謝罪しました。
また、この日深夜放送のスポーツニュース番組『S-PARK』(土曜24時35分、日曜23時15分)では石本沙織アナが、「4日夕方のニュースについて訂正とお詫びがあります。字幕の一部で『あんな天才はいない』とするところを不適切な表記で放送する誤りがありました。確認が不十分なまま放送していまい、武本監督の名誉を傷つけるとともにご遺族の皆様、取材に応じてくださった同級生の方、関係者の方に多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」
と謝罪しています。
このミスについてフジテレビは、「担当者が『あんな天才いない』というテロップを出そうと発注したところ、生放送で作業が追い込まれており乱雑な字体だったため、別の担当者が『あんなアホいない』と読み間違えてしまった」
とコメントしており、番組制作スタッフの手書きメモを別のスタッフに渡し、テロップ作成を依頼したものの、文字が乱雑だったことで「天才」を「アホ」と読み間違えたとのことです。
ネット上ではテロップの表記ミスに対して、
- いい意味でアホなのかと思ったらガチ間違いかよ
- ワザとだろ
- 安定のフジテレビ
- フジテレビぶれないねぇ
- フジの自己紹介だな『あんなアホいない』
- 天才とアホを間違えるか?
- テレビ屋なんてこんなもんよ
- 学ばない会社だねー
- 日本人が死んだのが嬉しいんだろうな
- 本当に胸糞悪い
- ミスではなく意図的に変えてるとしか思えない。何考えてんだフジテレビ。
- アホと天才…まあ同じ2文字だし間違え…るわけないだろアホか
- これ「危ないお米セシウムさん」レベルの放送事故じゃね?
- 「セシウムさん」は2011年8月4日、「あんなアホ」は2019年8月4日
- ミスで天才をアホに間違えるわけない。100%フジテレビスタッフの悪意
などのコメントが寄せられており、単なるミスではなく故意だったのではと疑う声も多く上がっています。
フジテレビのこうした表記ミスなどは度々発生しており、ちょうど8年前の2011年8月4日には、フジテレビ系の東海テレビで放送されたローカルワイド番組『ぴーかんテレビ』の通販コーナーにて、秋田県産の稲庭うどんを紹介している中で突然、「岩手県産のお米・ひとめぼれ3名プレゼント」の当選者発表画面に切り替わり、当選者発表の住所・名前欄に「怪しいお米 セシウムさん」「怪しいお米 セシウムさん」「汚染されたお米 セシウムさん」と表記されている放送事故がありました。
この表記ミスは大騒動に発展し、番組打ち切りや問題に関与した社員等の懲戒処分、役員や社員等の減給や降格処分などが下されました。
また、2011年3月12日には福島第一原発1号機で水素爆発が発生後、当時首相の菅直人さんによる記者会見をフジテレビが生中継している最中に、「ふざけんなよ、また原発の話なんだろ?どうせ」という男性の声や、「だから、こっからあげられる情報はないっつってんの」「あー笑えてきた」と話す女性の声が入る場面がありました。
この放送事故に対してネット上では、女性の声は当時アナウンサーの秋元優里さんなのではという憶測が飛び交い、台湾の一部メディアもネット上の声を伝えながら、秋元さんが犯人だという形で伝えていたのですが、フジテレビはその後、「調査の結果、社員の発言ではなかった」「音声機器のトラブルをリカバーしようとした技術スタッフの人為的ミス」
などと説明し謝罪していました。
他にも、2016年1月放送の『ヒデ&ジュニアのニッポン超安全サミット』では、四国がオーストラリア大陸になっている日本地図を使用したり、ニュース番組『FNNスピーク』で「殺鼠剤(さっそざい)」を使用した殺人事件を伝えた際に、「ネズミ駆除の殺ちゅう剤」というテロップを表示、『みんなのニュース』で指定暴力団『六代目山口組』の最高幹部逮捕を伝えた際には、当時薬物事件で逮捕されていた元プロ野球選手・清原和博さんの映像を流していました。
<↓の画像は、フジテレビ番組で発生した表記ミスの写真>
昨年には『とくダネ!』で、存命の登山家・三浦雄一郎さんのニュースを伝えた際、名前の前になぜか「故」と表記したり、『FNNスピーク』でフィギュアスケート女子・ロシア代表のエフゲニア・メドベージェワ選手、アリーナ・ザギトワ選手の名前を逆に表示するなどのミスをしています。
フジテレビは特にこうしたミスが頻発しており、今回の問題に対しても多くの批判が寄せられており、故意だったのではないかと疑いの目も向けられているのですが、そのように疑われかねない、信じられないようなミスがあまりにも高頻度で発生しているため仕方がないかと思います。
こうした問題がフジテレビ不信の大きな要因になっているため、改めてミス発生防止のための対策を講じてもらいたいです。