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北野武の映画最新作『首』完成報告で総製作費発表。KADOKAWAと契約問題で公開中止危機も回避の裏側…

ビートたけし監督映画『首』お蔵入り回避で公開決定。契約巡るトラブル経て、豪華キャスト作品完成で注目集まる

お蔵入り危機にあった『KADOKAWA』製作の映画『首』(北野武監督)の完成報告会見が15日に行われ、今年秋に全国公開されることが正式発表され反響を呼んでいます。

『首』は、ビートたけしさん(本名=北野武 76歳)が2019年にKADOKAWAから出版した同名小説の映画化で、構想から30年を費やしたという意欲作となっており、ビートたけしさんの監督作品は2017年公開の『アウトレイジ 最終章』以来、6年ぶり19作目となります。

今作はビートたけしさんの代表作『ソナチネ』(1993年公開)と同時期に構想され、戦国時代の本能寺の変を舞台に、戦国武将、忍、芸人、百姓など様々な人物の野望や裏切りを、バイオレンスと笑いを交えながら描いた内容となっています。

ビートたけしさんが主人公・羽柴秀吉役を演じ、西島秀俊さんが明智光秀役、加瀬亮さんが織田信長役、浅野忠信さんが黒田官兵衛役、大森南朋さんが羽柴秀長役、中村獅童さんは元百姓の難波茂助役、遠藤憲一さんが荒木村重役、勝村政信が斎藤利三役。

木村祐一さんが曽呂利新左衛門役、寺島進さんが般若の佐兵衛役、桐谷健太さんが服部半蔵役、六平直政さんが安国寺恵瓊役、大竹まことさんが間宮無聊役、津田寛治さんが為三役、荒川良々さんが清水宗治役、寛一郎さんが森蘭丸役、副島淳さんが弥助役、小林薫さんが徳川家康役、岸部一徳さんが千利休役となっています。

<↓の画像は、映画『首』メインキャストの写真>

ビートたけしさんは『首』について、「よく見る時代劇は大河ドラマ。でも、どうも綺麗で、人間の業や欲、裏切りがあまり描かれていない。この映画は自分が撮ればこうなるというところから発想した」「ここ数年は歴史ブームで織田信長や本能寺の変がよく出てくるが、(明智光秀の裏切り理由について)怨念があったとか、土地を取り上げられたとか、80くらいある。自分は豊臣秀吉がかなり動いたなって思う。これを映画化したいと何年も思っていた」と語っています。

また、「男同士の愛ではないけど、死を前にした男同士の関係を描きたかった。男同士が絡み合うのをNHKは避けることがある。殿様に命をかけているので、そういう関係であるというのは自分の考えですが、そういうことを描かずに戦国時代を描くのはおかしい。侍や戦国武将なんてものは悪い奴ら。その残酷さや生と死をバックボーンとして生き方をうまく描ければと思っていた」としています。

自身が主演を務めた理由については、「俺は出ないつもりだったんですけど、スタッフが『出ないとちょっとあれじゃないですか』って。なんでこんなジジイが秀吉をやるんだと、年齢関係が全然なのですが」と明かしています。

今作の出来栄えについては、「自分ではもう良いのか悪いのかよく分からない。スタッフや関係者に作品の出来を聞いているんだけど、『これは本当に褒めているな』『これはお世辞だな』とよく分かる。『首』は大多数が本当に褒めていると強く感じた。まぁ成功したと思っている」と語っています。

会見にはKADOKAWAの夏野剛社長も出席し、「製作費15億円を1社で出した。世界に向けて自信を持って送り出すことができる」などと語っています。

映画『首』完成報告会見の動画

そして、ビートたけしさんにとって6年ぶりとなる監督作『首』の公開発表を受けてネット上では、

などの声が上がっています。

『首』の公開を巡るトラブルは昨年に週刊誌『週刊新潮』などが報じ、お蔵入り危機にあることが明らかになりました。

今作は当初、渡辺謙さんが主演予定だったものの折り合いがつかず、代わりに西島秀俊さんが抜擢され、2021年10月には撮影が終了し、昨年時点で編集作業は9割近く終えていたそうです。

しかし、ビートたけしさんとKADOKAWAの間でトラブルが発生し、KADOKAWAが不足していた出資金集めのために、大手動画配信サービス『Netflix』に動画配信権利の話を持ちかけ、それによって約10億円の出資を得ようとしたそうです。

その後、ビートたけしさんが「俺はその話、聞いてないぞ」「何でそんな大事な話をしないんだ」と激怒すると共に、騙されているんじゃないかと疑心暗鬼になっていき、Netflixが絡むことで劇場公開にあたり様々な問題が生じることも懸念され、これによって編集がストップしてお蔵入り危機にあるとのことでした。

週刊新潮の取材に対してビートたけしさんの代理人弁護士は、「当方は、撮影開始当初より、原作、脚本、監督、出演等の各契約の早期締結をお願いして参りましたが、現在に至るも締結されないため、やむを得ず編集等の作業をストップしております」と回答していました。

また、ビートたけしさんは自身の公式サイトでこの件についてコメントし、「KADOKAWAが提案してきた契約の内容があまりに一方的な内容だったので、こっちとしては、法律に従った公平な内容にしてくれとお願いしていただけで、無理な注文なんてしていない。契約してくれれば編集作業も再開するよ。あと、今度の映画にネットフリックスが関わるかもしれないということも、後から聞いたことで、それに関して金の要求なんて一切していない。KADOKAWAは、『製作総指揮角川歴彦』というクレジットを載せろとも言ってきた。KADOKAWAの今までの映画を見ると全部そうなっていて、笑ってしまう。」と綴っていました。

こうした契約を巡るトラブルの発生によって、豪華キャストの大作映画がお蔵入り危機にありましたが、その後話し合いの末に和解、今年に入って新たに契約を結んだとされており、ビートたけしさんは1月に公式サイトで「今年は映画の編集作業を再開。ご期待ください」と報告していました。

ビートたけしさんの作品は、国内だけでなく海外でも人気で高い評価を受けており、『首』は世界三大映画祭『カンヌ国際映画祭』のカンヌプレミア部門に日本人監督作品として初出品されることも決定していて、国内外でどういった評価を得るのかに注目したいですね。

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