1990年から放送の2時間ドラマ『終着駅シリーズ』と、1979年から放送の『西村京太郎トラベルミステリーシリーズ』の終了を発表したテレビ朝日が、また新たに連続ドラマ枠を設けるとの情報をニュースサイト『日刊大衆』が報じています。
テレビ朝日は21日に、片岡鶴太郎さん(65)主演の『終着駅シリーズ』のファイナル作品「十月のチューリップ」を12月22日(木曜)20時から放送し、翌週の29日21時から高橋英樹さん(78)主演『西村京太郎トラベルミステリーシリーズ』のファイナル作品「十津川警部のレクイエム」を放送し、シリーズの幕を閉じることを発表しました。
<↓の画像は、12月に最終回を迎える2作品の写真>
テレビ朝日側はそれぞれのシリーズ終了理由を明らかにしていませんが、『スポーツニッポン』(スポニチ)は終了の背景として、2時間ドラマはロケも多く制作費が高いことや、各テレビ局はいま若者向けの番組制作に力を注いでることを挙げています。
また、現在はリアルタイムよりも見逃し配信が主流になりつつあり、骨太な2時間ドラマは配信には向かず、現在の視聴スタイルに合っていないことも終了の要因ではないかとしています。
テレビ朝日は2017年に、テレビ朝日と系列局のABC朝日放送テレビが制作していた2時間ドラマ枠「土曜ワイド劇場」を廃止し、その後も2時間ドラマを不定期に放送する枠を設けていましたが、放送回数は激減しています。
その一方で、コア層(13~49歳男女)をメインターゲットにした連続ドラマは近年増加しており、日刊大衆によれば、テレビ朝日は来年4月に日曜22時枠に新たな連続ドラマ枠を設け、制作はABC朝日放送テレビが手掛けるといいます。
記事では制作会社関係者が、「テレビ朝日の日曜日22時枠は現在の『くりぃむナンタラ』を筆頭にバラエティ番組などの枠ですが、来年4月クールからこの枠が、ABCが制作するドラマ枠に変更になると聞いています。その狙い、方針は非常にシンプルで、一言で言うと“ニーズがあるから”」
と明かしています。
日曜22時台には日本テレビも連続ドラマを放送していますが、「“日テレドラマになら勝てる”という勝算があるようです。」「この枠は2020年1月の『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』で読売テレビが制作局になってからは、2クールおきに読売テレビが制作するドラマを放送するようになりましたが、特に読売テレビ制作のものが“ハズレ”でスベることが非常に多い。日テレ制作のドラマについても、読売テレビよりは良いですが分かりやすい好成績は残せていません」
としています。
こうして新たにテレビ朝日も日曜22時に連ドラ枠を新設し、最初に放送する作品では、俳優・生田斗真さんの妻であり、今年3月に第1子を出産した女優・清野菜名さんが主演するといい、「今年公開の映画は複数ありますが、ドラマに関しては昨年10月クールの主演ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)が最後なので、“復帰作”という話題性もあるでしょうね。何より清野さんは、この年代の女優では演技もアクションもバツグンに評価されている。新ドラマ枠第1弾を飾るにふさわしい女優と言える」
と期待を寄せています。
テレビ朝日では今年9月に、『科捜研の女シリーズ』『警視庁・捜査一課長シリーズ』などを放送していた木曜20時台の「木曜ミステリー」枠を廃止しており、これはコア層の視聴率が低かったことも要因として挙げられており、それに代わって10月に新設された火曜21時台の新ドラマ枠は、コア層をターゲットにしているとされています。
1発目には『科捜研の女2022』を放送し、来年1月期には吉高由里子さん主演で、北村匠海さんやディーン・フジオカさんも出演する『星降る夜に』が放送されます。
これに続いて日曜22時台にもコア層をターゲットにしたドラマ枠を設置するようで、ライバルとなる日本テレビの日曜ドラマに関しては、世帯平均視聴率は6%前後と低迷を続けており、テレビ番組の見逃し配信サービス『Tver』での登録者数、再生回数が伸び悩んでいる作品も少なくありません。
こうした状況の中でテレビ朝日はドラマで真っ向勝負に挑み、日本テレビの日曜ドラマを潰しにかかるようですが、果たしてどういった勝負を繰り広げるのか見ものですね。