報道特番『タモリステーション』(テレビ朝日系)の第2回が18日に緊急生放送され、2回目の放送は「欧州とロシアの挟間で ウクライナ戦争の真実」と題して、日を追うごとに深刻さを増すロシアによるウクライナ侵攻を取り上げ、番組の平均世帯視聴率は13.5%、個人視聴率は7.8%(共に関東地区)を記録しました。
1月放送の『タモリステーション 第1回~二刀流 大谷翔平の軌跡~』が記録した平均世帯視聴率15.9%、個人視聴率9.6%には届かなかったものの、今回の番組では司会のタモリさん(本名=森田一義 76歳)が、ほぼ無言を貫いたことでネット上で大きな話題になり、前回以上の反響を呼びました。
タモリさんは番組冒頭で挨拶を行った後は無言になり、番組終盤になって大下容子アナウンサーからコメントを求められた際に、「こうしている間も、大勢の人がウクライナで亡くなっているわけですね。というより、殺されているわけですから…色々ありますけど、一日も早く平和な日がウクライナに来ることを祈るだけですね」
と語りました。
<↓の画像は、18日放送『タモリステーション』出演のタモリさんの写真>
こうしたタモリさんの姿勢に視聴者から否定的な声もあったものの、「専門家の話を聞く事に徹した。そのわきまえた姿勢こそが素晴らしい」などと、絶賛の声が相次いでいました。
タモリさんが番組で持論を展開することなく、ほぼ無言を貫いた理由は明らかにされておらず、様々な憶測が飛び交っていますが、週刊誌『週刊文春』は番組制作の裏側や、タモリさん本人に直撃取材した際のやり取りを伝えています。
『タモリステーション』は、タモリさんが「知的好奇心を縦横無尽にめぐらせて旬のテーマに斬り込んでいく」というコンセプトなのですが、週刊文春によると、この番組はテレビ朝日の早河洋会長の肝いりで制作総指揮に名を連ね、複数の部署からスタッフを集結させて番組を作っているそうです。
第1回は、メジャーリーグで昨シーズン大活躍した大谷翔平選手を特集し、『福岡ソフトバンクホークス』の会長などを務める王貞治さんらをゲストに迎え、様々なトークを繰り広げていたのですが、週刊文春の取材にテレビ朝日の社員は、「第2弾もスポーツなどをテーマにする予定でした。しかしロシアのウクライナ侵攻以後、『報ステ』の視聴率が好調なこともあり、急遽テーマを変更。18日に緊急生放送した」
と、緊急生放送の裏側を明かしています。
そして、第2弾でタモリさんはほとんど言葉を発すること無く、2時間の生放送は終了となったのですが、週刊文春はその真意を確かめるため、自宅前で直撃取材を行ったといいます。
『タモリステーション』の第2弾もスポーツなど別のテーマだった?との問いには「それはそうです」と認め、沈黙を貫いた理由については「それは大した理由はない」と答えたとのことです。
台本にも話す場面が無かった?との問いには、「ちょっとそれは、お答えすることができない」と語り、報道番組をやってみての感想を聞くと、手を振りながら「いやいや、畑違いで(笑)」と答えたとしています。
週刊文春の取材にこのように語ったタモリさんは、2018年10月放送の報道番組『news zero』(日本テレビ系)で、番組のメインキャスターに就任したばかりだった元NHKの有働由美子アナと対談し、自分語りをあまりしない理由について、「僕は内容が無いんですね。内容が無いから『平和について講演会を開いてくれ』と言われても、2秒くらいしかできない(笑)。だから、対談も講演会も全てお断りしているんです」
と答えていました。
続けて、「そうすると、ますます価値があるようなものに見えてきて、『この人は相当なことを考えてるんじゃないか、色んなことを考えている』とか。いやいや、全く内容が無い(笑)。薄っぺらなティッシュみたいな人生(笑)」
と自虐し、爪を隠しているのではとの問いにも、「隠してないです。爪がないんですから(笑)」と語っていました。
タモリさんは非常に知識が豊富で、実際には色々と考えているはずですが、50年近くにわたってバラエティをメインに活動しているタモリさんは、報道番組には苦手意識を持っているようで、余計な発言をするべきではないと判断したのでしょうね。
タモリさんは人からの評価は気にしない一方、気が小さく世間からの批判をすごく気にしてしまうタイプだと明かしており、そうした性格も『タモリステーション』で発言を控えた理由の1つかもしれません。
「雄弁は銀、沈黙は金」ということわざどおり、持論を展開せずに沈黙を貫いたことによって、今回は世間から絶賛の声が多く上がっていますが、次回の『タモリステーション』はどういったテーマになるかは分からないものの、次は是非ともタモリさんらしいトークを披露してほしいですね。