テレビ朝日が16日20時から局内で緊急記者会見を開き、今年3月に放送した報道・情報番組『スーパーJチャンネル』(月~金曜16時50分・土曜17時30分)で、ヤラセがあったことを公表し謝罪しました。
発表によると、ヤラセが発覚したのは今年3月15日(金)放送『スーパーJチャンネル』の「業務用スーパーの意外な利用法」という企画で、業務用でありながら個人で業務用スーパーに買い物に来た客の人間模様を描いた内容となっており、この企画は2017年2月から不定期に放送し、3月放送回でシリーズ第5弾となっていました。
その企画で主要な部分を構成していた客4人が、コーナーを担当した契約ディレクターA氏(49)の知人だったとのことです。
このディレクターA氏は、俳優養成教室の講師もしているという人物で、4人中3人が同教室の生徒、もう1人は別の専門学校で面識がある人物だったものの、番組では4人全員に対して初対面を装っていたほか、この4人を含む多くの知人に取材日程などを事前に教えるなど、仕込みを行っていたそうです。
番組に登場したこれらの仕込み客には、それぞれの必要に応じた買い物をしてもらい、その後の取材で語った家庭のエピソードなどについては、おおむね実情にあった内容だったとディレクターA氏は説明したとしています。
このコーナーは、関連の番組制作会社『テレビ朝日映像』が業務を請け負っている枠といい、ディレクターA氏は別の派遣会社から『テレビ朝日映像』に派遣され、1人でロケ取材を行っていたといい、番組放送前に3回にわたって取材映像の確認を行ったものの、不適切な演出が行われていることに気付くスタッフはいなかったとし、取材上の問題が無いかを自己申告させるチェックシートも提出されていたとのことです。
この企画でヤラセ、仕込みが発覚した経緯については、10月4日に匿名で情報提供があったことを受けて社内調査を実施したところ、制作を手掛けたディレクターA氏が仕込みを認め、「番組制作に自信がなくなっていて、(知人へ)明確に指示をしなければやっていいと都合よく解釈していた」
などと話したといいます。
なお、ディレクターA氏は仕込み客に対して報酬は支払っていなかったそうですが、A氏はこれまでに問題の企画を含めて計13本の企画に携わっていたといい、テレビ朝日は引き続き、他の企画も問題が無かったか調査していくとしています。
そして、今回の問題に対してテレビ朝日は、「今回の問題は当社の番組への信頼を著しく損ねる重大な事案であり、あらためて視聴者の皆様、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます」
と謝罪し、問題が発覚した金曜企画コーナーは中止にするとしています。
<↓の画像が、会見で謝罪した長田明広報部長と篠塚浩常務の写真>
この問題に対してネット上では、
- テレ朝の報道に真実なんかあるの?
- この企画自体がつまらなそう。ヤラセをしてもしなくてもどうでもいいネタ。伝えなきゃいけない事沢山あるだろう
- テレ朝なら日常的にやっているだろうから別に驚かないな。報道とか名乗っている全ての番組を調べた方がいいと思うわ
- バラエティー番組でもヤラセに厳しい時代、まして報道番組。局としての報道姿勢を厳しく問われても仕方ない。
- ニュースのやらせ演出なんてどこもやってる事。街頭インタビューや海水浴などの風景等で映る人達は素人じゃない事が多い。
雪の日の交通機関の混乱のニュースの街頭インタビューで、ある番組では就活生としてインタビューされてたのに、別のニュースではOLとしてインタビューでコメントしてた。 - バラエティーのヤラセは演出として理解も出来るし許容は出来る。
報道番組でのヤラセは場合によって誰かの不利益になったり、偏見などを生む場合があるので、制作をした番組関係者は処分されるべきだと思う - 20年近く前ですが、子役の劇団に所属していたころに夕方のニュース番組で、バスツアー特集に客役として出演したことがあります。昔からよくあることでは
- どの局も17時半からの企画はくだらんものばっか。番組の尺をただ稼ぐだけのしょーもない時間。だからヤラセも横行する。
などのコメントが寄せられています。
バラエティ番組のヤラセは許容の範囲内ではあるものの、ニュースなどを扱う番組ではヤラセをやってはいけないという声が圧倒的多数で、今回の問題に対してはかなり厳しい声が多く上がっているほか、以前から街頭インタビューなどでは同様の仕込み、ヤラセ行為が行われていたと指摘する声も少なくありません。
民放だけでなくNHKのお天気ニュースの中で流れる街の映像の中でも、ハンカチで汗を拭う女性が2年連続で登場していたと指摘されたこともあります。
また、制作サイドが都合の良いように発言内容を操作するといったことが実際に行われており、2017年3月に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)の街頭インタビューを受けた地下アイドルが、「影響されたアーティストは誰ですか?」との質問に対して「しょこたんです!」と答えたところ、スタッフから「撮り直すのできゃりーぱみゅぱみゅって言ってください」と指示され、言われたとおり答えた映像が番組で使用されたとツイッター上で暴露していました。
このようにテレビ業界では、番組のジャンルに関係なく当たり前のようにヤラセ、仕込みが行われているようなのですが、こうした行為の発覚によって番組は信用を失い、さらにテレビ局全体のイメージも悪化することになるため、ヤラセなどが無いかどうかより厳しいチェックを行ってもらいたいですね。