2011年4月から放送のタレント・中山秀征さんと女優・片瀬那奈さん司会の情報番組『シューイチ』(日本テレビ系 日曜午前7時30分)が、22日放送回で番組開始以来最高の平均視聴率13.8%をマークしたことが報じられる中で、番組収録に参加したライター・編集者で、食虫植物愛好家・木谷美咲さん(きや・みさき 1978年生まれ)がギャラ等に関する問題をツイッター上で訴え、ネット上で大きな反響を呼んでいます。
木谷美咲さんは2008年に作家デビューし、これまでに食虫植物を中心にエッセイ、小説、絵本などを出版し、テレビやラジオ、雑誌など様々なメディアにも登場している方で、これまでに『あさイチ』(NHK)、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)、『ナニコレ珍百景』(同)などに出演歴があります。
<↓の画像が、食虫植物愛好家・木谷美咲さんの写真>
そんな木谷美咲さんが25日夜にツイッターを更新し、「先日、日本テレビ『シューイチ』から依頼を受け、急遽2日間拘束の撮影で中丸雄一さんのコーナーに出たところ、撮影後に番組側からどさくさに紛れて無報酬及び番組内容演出に異議を唱えない承諾書を結ばされそうになりました。署名する前に気づいて抗議しましたが、手口、内容ともにどうなんでしょう?」
と綴り、番組サイドから署名を求められた1枚の承諾書を公開しました。
<↓の画像が、木谷美咲さんのツイート写真>
<↓の画像は、承諾書の一部写真>
続けて、「高視聴率の番組で、依頼の仕事で、一方的に不利益な条件を提示されるのか謎です。コンプライアンス的にも問題あるのでは。料理制作、コーディネート、監修、多岐にわたって仕事をした上でのことです。目下抗議中ですが、私と同じ目に遭う方がいませんように。どうぞお気をつけください。」
とツイートしており、これは「奴隷契約書」とも訴えています。
問題の承諾書は番組出演者に対して、出演にあたって承諾書を読み、異議がなければ署名・捺印をして下さいとし、冒頭部分では、「私は、当番組の趣旨を十分理解したうえで、無報酬にて当番組の撮影・収録に参加し、以下のことを了承します。」
と記されており、以下の8つの項目にも承諾することを求める内容となっています。
- 私は、当番組のスケジュール・撮影・収録・撮影・放送にあたっては、貴社(貴社が指定する者を含みます。以下本条において同じとします)の指示に従い、VTR構成等あらゆる演出について、貴社に異議を唱えません。
- 私は、貴社(貴社が指定する者を含みます。以下本条において同じとします)に伝えたエピソード等が事実であることを保証します。
- 私は、当番組の撮影・収録に際して、携帯電話やデジタルカメラ等の撮影機器を用いて撮影現場、番組出演者または他の参加者を撮影しません。
- 私が当番組に参加した過程で知り得た当番組の情報、撮影内容、貴社に関する情報、及び第三者の企業秘密・プライバシーに関わる情報をブログ等への記載を含め、方法や手段を問わず第三者に開示しません。
- 私は、当番組の収録・撮影等に関し、(1)私が貴社(貴社が指定する者を含みます。以下本条において同じとします)の指示を守らなかったために発生した事件・事故等、(2)収録に関する貴社の指示とは無関係に発生した事件・事故等、および(3)天災等の不可抗力・貴社の予見ないし回避不可能な事態によって生じた損害、間接的な損害等の被害について、貴社が一切責任を負わないことを承諾します。(ただし、当番組の収録中に起きた、貴社の故意または過失による事件・事故等に関してはこの限りではありません)
- 私は、当番組の撮影・収録に参加することにより何らかの権利を取得するものではなく、肖像権、氏名表示に関する権利、プライバシー権など一切の主張・要求をしないこと、また、当番組に参加した際に著作権、著作人格権、著作隣接権、その他の知的財産が発生した場合、これらの権利が貴社に帰属すること、貴社及び貴社が指定する第三者が、当番組を日本国内外において、期間を問わず、地上波放送、BSやCSでの放送、DVDやブルーレイディスクなどビデオグラム化、書籍化、ネット配信、その他現存するまたは将来開発されるあらゆる手段により再利用することに関して、私自身、及び撮影場所である私所属の会社(以下、当社)の映像・音声が使用される際には、貴社よりの再使用申請連絡を受けた上で当社が了承した限り、無報酬にて承諾します。
- 私は、当番組の放送を個人的に録画する以外は、複製・頒布・上映・放送などの目的に一切使用しません。
- 私は、収録した内容が貴社の何らかの事情により放送されない可能性があることを承諾します。
<↓の画像が、木谷美咲さんが『シューイチ』側から署名を求められた承諾書の写真>
木谷美咲さんは『シューイチ』側から出演オファーを受け、収録が終わった後に十分な説明無く、こうした内容の承諾書への署名を突然求められたそうなのですが、木谷さんはこれに納得が出来なかったことから署名は行わなかったとしており、その後も誠意ある対応が見られず、ノラリクラリの対応で報酬も貰えていないことから、これから弁護士に相談をするほか、労働基準監督機関、公正取引委員会にも訴えるとしています。
また、番組出演にあたっては10ページにわたる台本が用意されていたことや、過去に出演した番組でも承諾書への署名は求められたものの、他の番組では事前に出演料などについての話があったといい、「承諾書の内容含め、今回初めてと言っていいような悪質な対応」だと訴えており、「私が抗議して承諾しないので、収録内容が流れる可能性が高いですとプレッシャーをかけてきました。」ともツイートしています。
この件についてニュースサイト『エンタMEGA』の記事では、「“芸能人以外はノーギャラ”というケースが業界で当たり前になりすぎていて、テレビマンも事前に伝えるのを怠るほどに感覚が麻痺しているのでしょう。業界でまかり通っているこの手の“後出し”が一般社会では通用しないことをわかっていないテレビマンは多いですよ」
と記者が語っています。
木谷美咲さんは芸能人ではありませんが、これまでに食虫植物愛好家、作家などとして様々なメディアに登場している方ですし、それも番組収録のために2日間にもわたって拘束したにも関わらず、ノーギャラというのはどう考えてもおかしな話なので、今後また同様のことが起きないように、木谷さんには徹底的に争ってもらいたいですね。
そして、今後番組側はどういった対応をしていくのか経過を見守っていきたいと思いますが、木谷美咲さんには相応のギャラを速やかに支払うと共に、なぜノーギャラなのか、このような承諾書への署名を撮影後に求めたのかなど、しっかりと納得する説明を行ってほしいです。