今年放送20周年を迎えた『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系 火曜21時)で、皮膚病患者がステロイド薬の使用をやめたことで肌荒れが改善したなどと、科学的根拠もなく「脱ステロイド」を好意的に伝えたていたことで大炎上騒動に発展し、番組公式サイトだけでなく14日放送の番組内でも謝罪していたのですが、同番組の制作会社が過去にもトラブルを起こしており、番組打ち切りの可能性が浮上していることを週刊誌『週刊新潮』のWeb版『デイリー新潮』が伝えています。
『デイリー新潮』によると、『ザ!世界仰天ニュース』の制作を手掛けているのは“札付き”の制作会社『厨子王(ずしおう)』で、過去にヤラセ問題で打ち切りとなった『ほこ×たて』(フジテレビ系)、『珍種目No.1は誰だ!?ピラミッド・ダービー』(TBS系)、『消えた天才』(TBS系)の制作を手掛けていました。
『ほこ×たて』では、2013年10月放送の「スナイパー軍団 VS ラジコン軍団」という企画で不正な編集、捏造が行われていたことを番組出演者が告発し、これによって番組の放送は休止、そのまま打ち切りとなりました。
『ピラミッド・ダービー』でも同様に、「双子見極めダービー」という企画で不正な編集、捏造をしていたことが番組出演者に暴露され、『BPO(放送倫理・番組向上機構)』の審議入りが決定し、BPOは番組について「出演者に無断でレースから脱落したことにしてその姿を消すという、出演者に対する敬意や配慮を著しく欠いた編集を行ったことを放送倫理違反」と判断したことを発表し、番組はその後も放送を続けていましたが2018年3月に終了しました。
『消えた天才』では、野球の試合映像を早回しし、実際よりも投球スピードが早く見えるように映像を加工しており、こうした不適切な行為が複数確認されたため、番組継続は困難と判断されて打ち切り終了となりました。
こうしたヤラセ番組の制作を手掛けた『厨子王』の代表は、『ザ!世界仰天ニュース』の総合演出に名を連ねており、同社と関連会社は現在この他にも、『所さんの目がテン!』(日本テレビ系)、『ゼロイチ』(同)、『上田晋也の日本メダル話』(同)、『私が女優になる日_』(TBS系)、『世界くらべてみたら』(同)、『笑える!泣ける!動物スクープ100連発』(同)などを制作しています。
『デイリー新潮』の記事では日本テレビ関係者が、「2011年に創立された『厨子王』という制作会社ですが、以前は『安寿(あんじゅ)』という社名で歴史もあります。(中略)これだけ過去にヤラセ編集をしていると、他にも余罪があるのではないかと疑われても仕方がない。そもそも『仰天ニュース』は、報道やニュース、帯の情報番組などを制作する社会情報局という班に属していた番組でした。バラエティではなく、どちらかと言えば報道・ニュースに近い番組だったのです。このところ視聴率が低迷してきたため、インパクトのあるネタを放送したかったこともあったとは思います」
と語っています。
ちなみに『厨子王』の前身『安寿』は1991年に設立し、『ザ!世界仰天ニュース』や『所さんの目がテン!』のほか、日本テレビの『ズームイン!!SUPER』や『スポーツうるぐす』、テレビ朝日の『タイムショック21』など、民放各局の様々な番組制作を手掛けていました。
昔も今も日本テレビの番組を多く手掛けており、両者は非常に密接な関係にあることがうかがえるのですが、前出の日本テレビ関係者は、「今回の問題を重く受け止めた日テレは、最悪の場合、『仰天ニュース』を終了させる決断もあるようです。今年で放送開始から20年を迎えた節目でもありますからね」
と語り、時期は不明ながら番組打ち切りの可能性が浮上しているとしています。
『ザ!世界仰天ニュース』は20年にわたって放送されている長寿番組で、現在も番組の平均世帯視聴率は10~12%前後、個人平均視聴率は6~7%前後を記録しており、今回のような問題で終了となってしまうのは非常に残念です。
ただ、『ザ!世界仰天ニュース』も数年前からネタ切れによる“迷走”を指摘されているほか、昨年5月にも事実とは異なる体験談を伝えていたことが、情報提供した女性によって暴露されています。
そのため、『ザ!世界仰天ニュース』でもヤラセ、捏造といった行為をしていた可能性は十分あるとみられ、今回の脱ステロイド問題がきっかけで、今後さらに問題が明るみになった際には、本当に番組打ち切りとなってしまうかもしれないですね。