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世界仰天ニュースで皮膚病のステロイド薬治療を否定的に伝え物議。謝罪対応遅く批判殺到、問題行為に医師も怒り

ザ!世界仰天ニュースが脱ステロイドを好意的紹介で謝罪訂正。根拠無しの危険情報伝え大炎上、学会は厳重抗議

笑福亭鶴瓶さんと中居正広さんが司会のバラエティ番組『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系 火曜21時)で、視聴者に誤解を与える情報を伝えていたとして騒動に発展し、番組サイドは公式サイト上で謝罪コメントを発表したほか、14日放送の番組内でも謝罪訂正する予定であることが明らかになりました。

問題となっているのは7日放送の番組内で、「脱ステロイド」によって酷い肌荒れが改善したというエピソードを好意的に紹介したことでした。

問題のVTRでは、20代女性が手荒れや肌荒れに悩み、ステロイド薬を使った治療を行い、薬を塗れば症状が改善するものの、止めると悪くなる日々を繰り返し、次第に強いステロイド薬を使用しても効果が得られなくなっていた中で、ステロイド治療を止めて肌荒れが改善するまでの経緯を紹介しました。

<↓の画像は、問題となった番組の「脱ステロイド」エピソード写真>

しかし、VTR中では「ステロイドは本来体内で作られるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドが作られなくなった。」「再び体内で作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」など、科学的根拠の無い情報も伝えていたことによって、このVTRに対して医療関係者等から批判の声が相次いでいました。

近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司さんは、「『脱ステロイド』は民間療法であり、治療ではなく放置。ステロイドは歴史がある良い薬」「顔に塗ることだけで体内のステロイドが作られなくなることはない」「脱ステロイドの激しい炎症でこすったり叩いたりすることで起こる白内障、網膜剥離のリスクに触れていない」と指摘していました。

そして、番組放送から3日後の10日に番組公式サイトやツイッター上で、肌荒れを克服した女性の体験談の中で、ステロイド薬の使用を中止したエピソードに触れましたが、患者が自らの判断で薬の使用を中止すると症状が悪化することがあります。治療については、医師の指導に従ってください。と注意を呼びかけるコメントを出したものの、番組で伝えていた内容は非常にリスクが高いものとして、訂正や謝罪を求める声が上がり続けていました。

<↓の画像は、『ザ!世界仰天ニュース』公式ツイッターの注意呼びかけ投稿の写真>

14日には、『公益社団法人 日本皮膚科学会』が公式サイト上で、番組で伝えていた情報の問題点を指摘し、番組サイドには抗議文を提出したことを明らかにしました。

番組で好意的に紹介していた「脱ステロイド」の問題については、「1990年代に始まったステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道により、『脱ステロイド』と呼ばれる不適切な治療が横行し、多くの患者さんが不利益を被った歴史があります。(中略)今回またこのような番組が放送され、医療の混乱を来すことは、看過することができません。」とした上で、『日本皮膚科学会』『日本アレルギー学会』『日本臨床皮膚科医会』『日本皮膚免疫アレルギー学会』『日本小児アレルギー学会』『日本小児皮膚科学会』『日本アレルギー友の会』の連名で、日本テレビに厳重抗議したことを発表しています。

こうした抗議を受けて『ザ!世界仰天ニュース』の公式サイトが再び更新され、番組内容で、治療中の多くの患者の皆様とそのご家族、携わる医師の方にご心配及びご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。と謝罪しました。

番組で好意的に伝えた「脱ステロイド」については、日本皮膚科学会のホームページによりますとステロイドの外用薬は、皮膚炎の炎症を十分に鎮静することができるなど、有効性と安全性が科学的に立証されている薬です。正しく使用すれば、全身性の重篤な副作用は起きないとされています。患者の方が自らの判断で急に薬の使用を中止すると症状が悪化し、白内障や網膜剥離などのリスクがありますので、絶対にやめてください。治療は、医師の指導に従ってください。また日本皮膚科学会などのホームページも参考にしてください。と、非常に危険な行為であることを説明した上で、最後に「今後、番組では再発防止に努めてまいります。」としています。

<↓の画像が、『ザ!世界仰天ニュース』謝罪コメントの写真>

そして、この一連のトラブルに対してネット上では、

などと批判が殺到しており、炎上状態が続いています。

「ステロイド」とは体内で作られているホルモン物質で、このホルモンの作用を薬としたものが「ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)」で、この薬や患部の炎症を鎮める作用に優れていることから、湿疹や皮膚炎などを中心に皮膚疾患に使用されています。

このステロイド薬について7日放送の『ザ!世界仰天ニュース』では、「ステロイドは本来体内で作られるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドが作られなくなった」「再び体内で作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」という根拠が無い情報を伝えていたわけですが、このVTRは標準治療を否定する医師が監修していたとのことです。

<↓の画像は、皮膚科医のツイート写真>

それによって視聴者に誤解を与え、番組放送から1週間後にようやく謝罪コメントを出したのですが、番組内でもしっかりと謝罪訂正をすることが求められているほか、再発防止のために、医療関係の情報を取り扱う際には複数の専門家から監修を受け、再発防止に努めてほしいと大塚篤司教授は訴えています。

『ザ!世界仰天ニュース』では、この他にも事実とは異なる話を伝えていたとして過去に物議を醸したことがあり、数年前からネタ切れ気味だったこともあり、今回のような危険なエピソードを紹介してしまったのか否かは定かではありませんが、今後また同様のトラブルが起こらないように、番組内容のチェック体制の強化などを図ってほしいものです。

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