1969年10月からアニメ放送がスタートし、世界で最も長く放送のアニメ番組として、2013年にギネス世界記録に認定された『サザエさん』(フジテレビ系 日曜18時30分)の視聴率が低迷し、「終わりの始まりが見えてきた」と週刊誌『週刊新潮』のWeb版『デイリー新潮』が報じています。
デイリー新潮によると、サザエさんの5月21日放送回の平均世帯視聴率は6.4%、平均個人視聴率は4.3%で、世帯視聴率は歴代ワースト3位の数字だったとのことです。
ワースト1位は昨年8月28日放送回に記録した5.6%で、この日は同時間帯に日本テレビ系で『24時間テレビ』が放送されており、これまで低視聴率回は何かしらの理由があったものの、21日は強力な裏番組などは特になかったとし、「民放各局の編成担当は『「サザエさん」もいよいよ終焉を迎えるのか』と思ったに違いありません」
と民放キー局のディレクターが語っています。
ちなみに、20年前の2003年5月25日放送回は世帯視聴率が19.4%で、ゴールデン帯に放送の『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)、大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』(NHK)を3%近く上回る高視聴率を記録していました。
それから時代の変化によって視聴率が大きく下がったものの、現在も放送が続いている理由について同ディレクターは、「世帯の最高視聴率は1979年の39.4%、データが残っている1989年から2008年までの20年間の平均視聴率は22.3%。この頃はアニメ番組というカテゴリーを超え、娯楽番組のトップとして地上波を牽引していました。今では通常7~9%という視聴率になってしまいましたが、それでもコア視聴率(13~49歳の男女)とタイムシフト(録画)視聴率の高さはさすがという印象」
と語り、現在も視聴率調査で存在感を示しているといいます。
21日放送回のコア視聴率は3.7%で同時間帯1位となっていて、こうした数字によって放送が継続しているとしながら、「様々な要因を考え合わせると、“『サザエさん』の終わりの始まり”が見えてきたと思います。」「『サザエさん』が日本のテレビ界に貢献してきたことを考えると、他局の社員でも考えたくない未来予測ではあります。しかし、世帯6・4%は覚悟を決める必要のある数字では」
と語っています。
この報道を受けてネット上では、
- テレビでサザエさんをやってると「日曜日も終わるなあ」って感じなんだよね。
これ、自分が子供の頃からの習慣だったり、生活の一部でもあるから変えないでほしい。 - サザエさんもちびまる子ちゃんも時代錯誤すぎていらない
- まる子みたいに年代が固定されてれば問題ないんだけどなぁ。でもいつかは必ず終わりは来るものですから・・・
- 個人的には「令和サザエさん」を見てみたい
- 引き際を考えるべき時が来たと思う。テレビ離れが激しい昨今、そろそろ次を考えても良い頃では
- 加藤みどりさんがサザエ役引退と同時に放送終了という形が一番綺麗な終わりかたなのではないかと思う。
昭和の時代設定は変えずに、現在の時代背景に合わせていく手法ももう限界なんだろうし、ズルズル引きずって、いろんな意味で悲惨な状況で打ちきりになる事は子供の頃から見続けて来たファンとしては避けて欲しい - 新番組に替えたとしてもサザエさんの視聴率を超えられるとは限らない。
フジテレビの現状を考えると更に視聴率が悪くなる可能性の方が高い - もし、近い将来サザエさんが終わってしまうとしても、時代に合わなくなったからなんて理由では辞めないでほしい。
サザエさんを見る人は、人々の触れ合いや温かさみたいなものを求めているだろうし、それこそが日曜夕方に放送する存在意義だと思う
などの声が上がっています。
サザエさんが歴代ワースト3位の低視聴率を記録した21日は、17時半から1時間にわたり緊急特番『Live Newsイット!拡大 ゼレンスキー大統領 平和公園へ』を放送し、この影響で『ちびまる子ちゃん』の放送が中止となりました。
これによって普段、ちびまる子ちゃんからの流れでサザエさんを視聴している人たちが他局に流れた可能性があります。
また、デイリー新潮によればサザエさんは現在も世帯視聴率が7~9%台、そして各テレビ局がいま最も重要視しているコア視聴率は4%弱で同時間帯トップとのことで、こうした数字を見る限り、今のところは打ち切り終了となる心配はなさそうな気がします。
2018年には放送開始以来、筆頭スポンサーだった『東芝』が撤退したことで大きな話題になりましたが、その後も『日産自動車』『日清食品』『味の素』『宝くじ』『任天堂』『Amazon』『P&G』など、複数の大手企業がスポンサーとして名を連ねています。
ただ、時代の変化や昭和を舞台にした内容、メインキャラクターの声優交代などもあって、この10年でも大きく数字が落ち込んでいるのは事実で、今後も数字は下がる一方とみられるだけに、終了も時間の問題という気はしますが、幅広い世代から親しまれている国民的アニメなので、できる限り放送を続けてほしいものですね。