人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系 日曜19時58分)の企画を巡り、外交問題に発展しかねないトラブルが発生していることを22日発売の週刊誌『週刊現代』が伝えています。
週刊現代によると、お笑いタレント・イモトアヤコさんの人気企画「珍獣ハンターイモト ワールドツアー」の内容に対して、中部アフリカ・コンゴ民主共和国(旧・ザイール共和国)の大使館が怒りをあらわにしているといいます。
コンゴ民主共和国大使館の職員は週刊現代の取材に対して、「3月3日の放送で、イモトさんら撮影クルーはコンゴ民主共和国でロケを行ったのですが、その放送内容が事前に知らされていたものと全く違ったのです。大使は『嘘の申告とも受け取られる』と怒りをあらわにし、日テレ側に異議の申し入れを行っている状況です」
と語っています。
日本テレビサイドは大使館に対して「観光プロモーションとなる内容で美しい自然を放送したい」と伝えていたそうですが、番組では伝統のプロレス興行にイモトアヤコさんが出場し、自然とは全く関係ない内容になっていたとしています。
コンゴ民主共和国の大使館が特に問題視しているのは、首都・キンシャサ特別州でのロケといい、「首都でも、危険な場所と安全な場所があるのはどの国でも一緒でしょう。なのに、わざわざ治安の悪さだけを強調した演出がされていて、危険な国というイメージを植え付けかねない内容だった」
と大使館職員は語っています。
<↓の画像は、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国を訪れたイモトアヤコさんの写真>
そして、コンゴ民主共和国大使館は6日にイッテQの制作サイドと面会し、そこで謝罪の言葉を受け取り、大使館側は番組サイドに然るべき対応を求めたそうですが、何も対応が取られていないとのことです。
これを受けて週刊現代は、外交問題に発展しかねないこのトラブルに対する日本テレビの見解を聞くため質問状を送ったところ、「駐日コンゴ民主共和国大使館とは、お話をさせていただいております」と回答したそうです。
この報道を受けてネット上では、
- 視聴率優先でリスペクトが足りない
- もうネタ切れ感あるからそろそろ潮時かもね
- 今すぐコンゴに行って美しい自然を撮影してこい
- これはやはり視聴率獲得のためならなんでもやっちゃえ的な感覚がまだ残っている悪しき習慣の1つだと感じる
- 治安の悪さは事実だからそこはイッテQが悪いとは言えないかな…自然アピールしなかったのは申告内容が悪いけど、伝統に触れてるからそこまでひどいわけじゃないしね
- 番組を見ていた。確かに治安が悪いことをネタにしたいがため「その国の市場に行けば治安が分かる」といって、わざわざ、あやしそうな市場を訪問し、けんかしている様子を映し出していた。
- 大使館が正式に異議を申し出たなら、本国政府の意思を受けての事かと思うから、丁寧な対応が必要かと。
ただ、現場スタッフ(制作会社)の行状を、放送局の然るべき方々が他人事のように考えているとしたら、事後対応がこじれそうだなあ。 - この回を見ていたけど、危険なイメージを持ってしまった。よくわからんプロレスも微妙でゴリラのところだけピックアップすれば良かったのに。
ここまで出たら番組存続もう難しいのでは??季節ごとのスペシャルで出川のおつかいとお祭り男ぐらいで。
イモトも登山やるなら応援するけどなにか面白いこと言おうと無理してる気がするな
などの声が上がっています。
3日放送の企画は「イモトワールドツアー in コンゴ共和国・コンゴ民主共和国」と題して、隣接するコンゴ民主共和国とコンゴ共和国を訪れ、コンゴ民主共和国では、ゴミ問題を訴えるパフォーマー等とイモトアヤコさんがコラボしたり、同国で人気の呪術とプロレスをかけ合わせたブードゥープロレスにも挑戦していました。
一方、コンゴ共和国を訪れた際には自然公園でゴリラのドラミングを撮影するなど、こちらは自然をメインとした内容となっていました。
番組放送後に、イモトアヤコさんが自身のラジオ番組『イモトアヤコのすっぴんしゃん』(TBSラジオ)で語ったところによれば、日本のバラエティ番組がコンゴで撮影をするのは初だったそうで、「未知の国なんですよね。だから情報も無いし、ロケできるネタもわかんなかったので行きづらかった」などと語り、このロケはゴリラのドラミング撮影がメインだったとしています。
また、コンゴへ渡るにあたっていつもよりもビザの申請に時間が掛かっていたことや、新人ディレクターの独り立ちロケだったことなども明かしていて、詳細は不明ながら、新人スタッフの不手際によって今回のようなトラブルが起きた可能性もありそうですが、大使館サイドからクレームを受けた後の対応も良くないですし、こうしたトラブルが表沙汰になったことで番組のイメージ悪化に繋がっています。
イッテQはヤラセ問題で大炎上したのが記憶に新しく、宮川大輔さんが“お祭り男”として世界中の祭りに参加する企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」にて、東南アジア・ラオスの首都ビエンチャンを訪れ、実際には存在しない祭りをでっち上げて「橋祭り」として紹介していたことが発覚し、ラオス政府がこの問題への対応を協議するなど大騒動に発展しました。
過去にこうした大きなトラブルがあっただけに、また新たなトラブルの勃発を受けて非難の声が噴出しており、番組への影響が懸念されます。
日本テレビサイドはコンゴ民主共和国の大使館に対して真摯な対応を取り、今後また同様のトラブルが発生しないよう対策してほしいものです。