アニメ映画『この世界の片隅に』製作委員会が実写ドラマ版への関与を完全否定…TBSにパクリ疑惑、トラブル発生で物議…
こうの史代さん原作の漫画『この世界の片隅に』がTBSで実写ドラマ化され、松本穂香さんが主演を務め、初回平均視聴率は10.9%、第2話は10.5%と2ケタをキープしており、視聴者の反応を見ても、比較的高い満足度、評価を受けています。
『この世界の片隅に』が実写ドラマ化されるのは実は今回で2度目となっており、2011年8月にスペシャルドラマとして放送され、主演は北川景子さんが務め、その他には小出恵介さん、優香さん、速水もこみちさん、芦田愛菜さんらが出演していました。
そして、2016年には片渕須直監督によるアニメ映画が公開され、異例の大ヒットを記録し現在もロングラン上映されており、累計動員数は約210万人、興行収入は27億円突破という大ヒットを記録しており、日本だけでなく世界60以上の国と地域で上映されるほどのヒットとなっています。
テレビでの宣伝量は決して多くは無かったものの、女優・のんさん(本名・旧芸名=能年玲奈)が今作で声優に初挑戦したということでも注目を集め、公開からすでに2年となる現在でもロングラン上映が続くほどのヒットで、これを受けてTBSでは実写ドラマが制作されました。
主演は松本穂香さん、相手役は松坂桃李さんが演じ、他には尾野真千子さん、田口トモロヲさん、伊藤蘭さん、伊藤沙莉さん、二階堂ふみさん、村上虹郎さん、塩見三省さん、宮本信子さん、仙道敦子さんらが出演し、実写ドラマ版の内容も視聴者からまずまずの評価を受けています。
<7月スタートの実写ドラマ『この世界の片隅に』>
そんな実写ドラマ版のエンディングでは、「special thanks to 映画『この世界の片隅に』製作委員会」とクレジットされており、「スペシャルサンクス」というのは、【特別の感謝、心からの感謝】という意味であるため、ドラマ版の制作にはアニメ版のスタッフなどが関わっているのか、何かしら関与しているのかと思ってしまうのですが、この点についてアニメ版の公式ツイッターが24日、ドラマ版への関与をキッパリと否定するという異例のツイートをしたことで話題になっています。
アニメ映画版『この世界の片隅に』の公式サイトや公式ツイッターでは24日に、「映画『この世界の片隅に』製作委員会からのお知らせ」とした上で、「現在放送中の漫画『この世界の片隅に』を原作とする実写ドラマに【special thanks to 映画『この世界の片隅に』製作委員会】と表記されておりますが、当委員会は当該ドラマの内容・表現等につき、映画に関する設定の提供を含め、一切関知しておりません。2018年7月24日『この世界の片隅に』製作委員会」
と、ドラマ版の制作には一切関与していないことを明らかにしました。
なお、ドラマ版はオリジナル脚本、演出が盛り込まれており、原作には無い現代を生きる作中人物たちの姿も描いているほか、一部で原作ではなくアニメ版と似た内容や表現があり、視聴者たちの間では様々な声が上がっていました。
このコメント発表を受けて、ドラマを制作するTBSは各メディアの取材に対して、問題のスペシャルサンクスの部分については、「先行して公開されたアニメ映画への尊敬の念を評したものです」と説明した上で、「ドラマ版については、原作を実写化したもので、外部の時代考証専門家の指導の下、当社が独立して制作したオリジナル作品です。声明の公表について、当社としてコメントする立場にありません」
としています。
そして、両者の主張に対してネット上では、
- わざわざ明言する必要があったのか。ドラマが映画で付け加えた要素を勝手に引用しているところがあったのかな?複雑。
- 論文の参考文献風に上げていただけじゃ無いですか?わざわざ否定しなくてもいいと思いますけどね。広島じゃ視聴率20%越えらしいじゃないですか。この時期、有る意味奮い立たせるものなのにさらに水を差さなくても。
- 映画版見てない身としては何が違って何が同じなのか分からない。結論:業界のゴタゴタに視聴者を巻き込むな
- ドラマも映画も盛り上げていけばいいものを、この時期に公言する意図がわからない。ドラマが話題になってるのが面白くないんだろうな
- アニメ映画版とドラマ版の公式が敵対関係になってる様な印象を受けちゃってる人が見受けられけど、そういうギスギスしたの嫌だなぁ…。もう少しこのツイートの経緯とか説明した方がいいのでは?
- これがあるから実写化はクソだって言われるんだと思う。実写化に伴い、製作委員会との連絡を適切に行っていれば、こうしたツイート自体があり得なかったはずなんだ。TBSサイドがアニメの製作委員会を蔑ろにした結果だろう
- 『special thanks』というのは当事者の了解を得ずに、映画版の演出を使っていいという免罪符ではないと思います。片渕監督が現地取材を綿密に行ったインタビューを読みました。『監督が実写化した場合にやりたかった演出』と視聴者に勘違いされたら、おかしいですし抗議すべきことだと思います。
- 映画製作までに積み重ねてきた膨大な検証をしろ、と今更ドラマ側に言う訳にもいかず、かといって美味しいとこ取りされるのもねぇ。一般人への認知力に勝るTVで、原作・映画とも、より世間に拡散してゆく力になると期待して、ここはドラマに軒先を貸しましょうかのぉ。ウチは預かり知らんという体で。
- 実写化に対して、どうこう言える立場にあるのは こうの史代さんと出版社だけよね
- 要約すると、『1.原作にはないアニメオリジナルの設定、構図、カットをドラマ監督が無断盗用してたことへの抗議。』『2.この先ドラマがどんなクソ展開、低視聴率になったとしても、アニメは関係ありませんという予防線。』という事でオーケー??
- 映画版は原作を元に何年もかけて丁寧に下調べし、クラウドファンディングで資金調達し、地道に客数や上映してくれる映画館を増やし口コミで高評価されて数々の賞を獲得されました。ドラマは映画版に利権は渡さずに、人気に乗っかって、表現とかを映画版からパクったと。
などのコメントが寄せられています。
『この世界の片隅に』については、原作とアニメ映画版で相違点が複数あるのですが、それは監督を務めた片渕須直監督が改めて時代考証を行ったことが関係しています。
片渕須直監督は原作の世界観をさらにリアリティのあるものに昇華させるために、ストーリーの舞台となる広島県呉市を何度も訪れたり、70年前の毎日の天気や店の品揃えの変化、空襲警報の発令時刻などを全て調べ上げたといい、劇中に頻繁に登場する食事のシーンでもそのこだわりが多く含まれており、そうしたクオリティの高さも映画版が高い評価を受けた要因となっています。
そんなアニメ映画版と実写ドラマ版には、同じようなシーンがあることが確認されており、てっきりアニメ映画版と実写ドラマ版には繋がりがあり、両者の連携によって描かれたものだと見られていたのですが、今回のツイートによって一切関与していないことが明らかになりました。
TBSサイドは、“スペシャルサンクス”という体のいい言葉を使い、アニメ映画の内容を事前に制作サイドへ確認などすることなく、勝手にパクったのではないかという疑惑が浮上しており、今後の両者の出方次第では大きな騒動に勃発しそうな気配ですね。
ちなみに、アニメ版『この世界の片隅に』の製作委員会には、『TBSHD』の連結子会社である『TBSラジオ』は入っていますが、『TBSテレビ』は製作委員会には入っていません。
ドラマの視聴者たちからは、なるべく穏便に済ませてほしいという反応が多く見られますが、アニメ映画版の製作委員会がどういった対応をするのか、引き続き展開に注目したいところですね。
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- http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3916/1.html
現代を生きる姿が含まれているのに疑問。