大ヒットディズニー映画『アナと雪の女王』の続編『アナと雪の女王2』も記録的な大ヒットになっており、日本公開から10日間の累計興行収入は43億円超え、観客動員数は338万人を突破したことが明らかになっています。
そんなアナ雪2で、ステルスマーケティング(略称:ステマ 意味:消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること)がツイッター上で行われていたとして物議を醸しています。
ステマ行為を指摘されているのは、12月3日19時に複数の漫画家が一斉投稿した漫画付きのツイートで、各漫画家たちはアナ雪2を観に行ったとして、その感想やあらすじを漫画で紹介しており、それぞれのツイートにはPR(プロモーション)投稿を示す記述が無く、揃って「#アナ雪2と未知の旅へ」「#アナと雪の女王2」というハッシュタグのみ付けていました。
<↓の画像が、ステマと指摘された漫画家たちのツイート写真>
広告に関する業界団体『JIAA(日本インタラクティブ広告協会)』や、口コミマーケティングの業界団体『WOMJ(WOMマーケティング協議会)』などは、多くのフォロワーを持つインフルエンサー等が企業などから報酬をもらい、SNS上でプロモーション投稿をする場合には他のユーザーが一目見て広告と分かるように、「#広告」「#プロモーション」「#PR」「#タイアップ」などと明記することを推奨するガイドラインを定めています。
つい最近も吉本興業が京都市からPR投稿を依頼され、複数の芸人たちがツイッター上で京都に関するPR投稿を行ったものの、PRだとハッシュタグなどで明記していなかったことから、これはステマに当たるとして騒動に発展しました。
それと同様のステマ行為がアナ雪2でも行われており、複数の漫画家たちがほぼ同時にアナ雪2を観賞したことを報告し、作品をPRする漫画を投稿したことでフォロワー等からステマを疑われ、4日にそれぞれの漫画家たちは問題のツイートがPRだったことを認めた上で、「PR」表記が抜けていたことを謝罪しました。
<↓の画像が、各漫画家たちのステマに対する謝罪ツイート写真>
しかし、この釈明だけで批判の声が止まるはずもなく、漫画家に直接批判を寄せるユーザーもいれば、漫画家たちにPRツイートや謝罪コメントの投稿を依頼したであろう広告代理店らに対して批判の声が噴出しており、ネット上では炎上状態になっています。
そして、『BuzzFeed Japan』『ねとらぼ』『ITmedia NEWS』などの各メディアは、『ウォルト・ディズニー・ジャパン』に取材を行っており、今回の問題に対して担当者は、「依頼の段階で伝達ミスがあり、広告表示がなされなかった。意図して起きたものではない」
と意図的にステマ行為をしたわけではないと回答したとのことです。
『ウォルト・ディズニー・ジャパン』側はPR投稿にあたって、複数のパートナー企業にアナ雪2の広告、宣伝依頼を行い、SNSを利用した宣伝に関しては、「本来はPR表記を行う予定だったが、どこかでコミュニケーションミスがあり、抜け落ちてしまった」とし、その後各漫画家たちが謝罪コメントを投稿したことについては、「レビュー漫画の掲載を依頼した漫画家らに、該当する投稿が広告であると明記するよう求めた」と説明しています。
その上で今回の問題については、「ステルスマーケティングではないという認識であり、意図して起きたことでもない」「今後は同じことが起きないよう対策する。今回のトラブルについて、公式サイトなどでの発表予定はない」
とコメントしています。
『ウォルト・ディズニー・ジャパン』側はこのように回答して騒動の幕引きを図ろうとしていますが、この問題によってアナ雪2のイメージに傷が付き、観に行く気が無くなったという声も上がっています。
また、問題の投稿をした漫画家たちもイメージが悪化、信用を失ってしまい、ツイッターのフォローを外したというユーザーもいる様子です。
漫画家たちはステマを行った当事者であるため、直接批判されても仕方がないですし、PR投稿であることを明記していなかったのは問題ではありますが、『ウォルト・ディズニー・ジャパン』も含めてPRを依頼した側の不備に大きな問題があったわけなので、素直に問題を認めて謝罪コメントを発表するなど、誠意ある対応をしてもらいたかったですね。