バラエティ番組『アイ・アム・冒険少年』(TBS系 月曜19時)の人気企画「脱出島~無人島から脱出せよ!~」に、過剰演出、ヤラセの疑いがあることが週刊誌『週刊文春』のWeb版『文春オンライン』によって報じられ、ネット上ではTBSだけでなく、企画に参加していたピン芸人・あばれる君や『ハリセンボン』の近藤春菜さん、箕輪はるかさんに対しても批判が殺到し、炎上状態になっています。
『文春オンライン』は、某番組のスタッフを名乗る人物から昨年秋に、脱出島のヤラセを訴えるメッセージが届いたことで撮影現場へ行って取材を行い、撮影の裏側で行われていた様々な仕込みなどを明らかにしました。
脱出島は、出演者が無人島へ行ってイカダを作り、脱出するまでのタイムを競う内容で、出演者が無人島へ持っていくことが許可されているのは1つのリュックサックのみで、そこには食料や飲料などは入れられないというルールがあり、無人島からの脱出は島にある材料だけを使用するとされています。
<↓の画像は、1月3日放送の「脱出島」企画出演者の写真>
<↓の画像は、脱出島の歴代脱出タイムTOP5の写真>
しかし、実際には多くの資材や食料・飲料などが有人島から無人島に持ち込まれていること、手作りのイカダは出演者だけでなく、専門家の指導のもとでスタッフも協力して制作していること、無人島からの脱出にあたって、小船とイカダをロープで繋いで牽引しゴール近くまでワープさせていること、さらには出演者のスケジュール等を考慮し、撮影の順番を入れ替えていることや、撮影途中に出演者が船で島から出てホテルに宿泊していることなどが明らかにされました。
<↓の画像は、船がイカダを牽引している場面、船に乗り込むあばれる君の写真>
『文春オンライン』は、番組では出演者同士の対決、無人島からの脱出をドキュメント風に放送しているにも関わらず、実際には全くガチンコではない、演出まみれの内容であることを証拠写真・動画等とともに伝えていたのですが、取材に対してTBS側は「安全面や環境面を考慮してのこと」だと回答し、この報道によって「今後の放送に影響は無い」ともコメントしています。
ただ、脱出島などの企画に度々登場しているあばれる君は、番組を視聴している子供たちに向けて、「全国少年少女諸君、そしてひいてはそれを育てるお父さん、お母さん、そしてそれを育てた、おじいちゃん、おばあちゃん。若い世代、頑張ってますよー。俺も家族のために、そして応援してくれるファンのために、何より今回は自分のために頑張っています」
などと熱く語っており、あばれる君は子供向け番組『ポケモンの家あつまる?』や『おはスタ』(共にテレビ東京系)にも出演し、子供への影響力が大きいにも関わらず、視聴者を欺くような行為に加担していたのは問題ではと物議を醸しています。
その一方で『フライデー』のWeb版『フライデーデジタル』は、番組出演者たちも今回のヤラセ疑惑騒動の被害者にあたるのではないかと報じており、記事では民放ディレクターが脱出島のヤラセ疑惑問題について、「タレントはスタッフに言われたら基本的には演出に協力するしかないので、被害者といってもいいでしょう」と語っています。
こうした見解に対してネット上では、
- タレントはディレクターの指示通りにするだけの雇われだから、矢面に立たされることがおかしい。
これが悪いことなのだとすれば、責任があるのは制作とテレビ局。 - 別にドキュメンタリーじゃないからねぇ、ノンフィクションでもないし。ただ、1タレントにテレビ局からの提案を突っぱねろって言うのは酷な気がするけどね。
権力に逆らってこの業界でやっていけるか、ちょっと前の出川の件を思い出したよ。 - ヤラセの全責任はTBSサイドにあると思うが、応じた演者が被害者ってのは違うと思う。彼らも事前に分かってた部分は絶対あるはずだから…
- ギャラ貰っている以上、被害者というのは流石に無理があると思う。特にあばれる君に関しては何年も脱出島をやっている。
子供達に向けて強いメッセージを送っておきながら、あのようなやらせ内容なのだから批判されても仕方ない… - バラエティーとしてみるならば多少の素材搬入やスタッフの手伝いはあって当然の部分だろうけど、船で曳航したり本人が寝転んでいる横でスタッフ総出でのイカダ作りはさすがに…
- この理論は納得できない。一緒に番組を作っているわけだから「被害者」は無いんじゃない?
これが認められたら「イッテQ「お祭り疑惑」の宮川も被害者」って解釈される - 出演者は被害者って言っていいのかな。駆け出しの人だったらまだわかるけど、なんだか完全な被害者って気持ちになれない。
出演を断ることもできるだろうし、記事を読んだ限りでは被害者というより協力者という気がしてしまう。
などの声が上がっており、賛否両論となっています。
あばれる君は脱出島の企画において、今年1月3日の放送回を含めて11回参戦し、全て脱出に成功していることから番組内では“絶対王者”とされ、『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)におけるGACKTさんのように連勝記録を伸ばしています。
<↓の画像は、『アイ・アム・冒険少年』公式ツイッターのツイート写真>
ただ、現地で撮影現場を目撃したという島の住民によれば、2020年夏ごろの撮影でもあばれる君は脱出シーンを少し撮影後、船に乗り込んでイカダは船で牽引していたと証言しており、この連勝記録は番組を盛り上げるための演出の可能性があります。
これらは恐らく、あばれる君側の意向による演出ではなく、番組制作サイドが用意した台本通りに撮影を行っていたものだろうと思います。
昨年7月に『日刊スポーツ』が【あばれる君の子ども人気がすごい理由 小さなファンも大切にする姿勢】と題して配信の記事では、『アイ・アム・冒険少年』の関係者が「あばれる君の子供人気は、番組制作の理念ともマッチしている」と明かし、「子供に分かりやすくっていうのはコンセプトとしてある。あばれる君は本当に子供人気がすごい。エースですよ」
と語ったと伝えています。
こうした話から、あばれる君も番組に利用された側という見方もできますが、視聴者を欺く行為に加担していたのは事実のようなので、今回のヤラセ疑惑騒動において被害者の1人とするのは疑問で、こうした報道が出てしまったからには今後、冷ややかな目で見られても仕方がないと思いますね。