掲示板サイト『2ちゃんねる』(5ちゃんねる)に書き込まれた話を基に生まれたラブストーリー『電車男(英題:Train Man)』が、アメリカ・ハリウッドでリメイクされることが明らかになりました。
これはドラマ版の制作を手掛けたフジテレビが、フランス・カンヌで15日から開催の世界最大のコンテンツ見本市『MIPCOM』で発表したものとなっており、ハリウッドでのリメイク版はアメリカのテレビ局が制作するのですが、フジテレビ・コンテンツ事業室の久保田哲史プロデューサーも制作に参加するといいます。
ハリウッドリメイク版の脚本は、アメリカでエミー賞を受賞した人気コメディドラマ『HEY!レイモンド』シリーズなどを手掛けたフィリップ・ローゼンタールさん、タッカー・コーリーさんが担当し、プロデューサーはリメイク版の『リング』シリーズや『ゴジラ』、『エクソシスト』、『ディパーテッド』、『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』、『LEGO ムービー』などを手掛けているロイ・リーさんが務めます。
『Train Man』は1話30分のシリーズとなり、監督には人気ドラマ『glee/グリー』、映画『ヘアスプレー』、『ステップ・アップ』シリーズ、『ロック・オブ・エイジズ』などを手掛けたアダム・シャンクマンさんが起用されており、まだ出演者については発表されていません。
そして、『電車男』のリメイクに対してネット上では、
- 監督とか脚本がかなりガチな人らでびびる 電車男なのに
- 良さそう 明るいポップな感じのドラマにすれば良いもんね そういうのはアメリカのお得意分野だから結構面白く作れるんでは?
- 『Shall weダンス?』の海外版はあれはあれで面白かったが、電車男がコミュ力高い陽キャになったら物語破綻してしまうのではw
- 今だったら、嘘松扱いされて話題にすらされなくなる
- フィクションと知りながらも乗る。当時は粋だったよな。今は嘘松で終わらすつまらない時代だわ。懐古厨といわれるかもしれんが。
- 思いっきりコメディ仕立てになったりして
- いいと思うよ面白そう。そういやあの当時流行にのって勝手に『バス男』とか関係ない邦題つけられた可哀想な映画もあったな
などのコメントが寄せられています。
豪華な制作陣でリメイクされる『電車男』は、2004年3月に『2ちゃんねる』内のスレッドに書き込まれた話を基に製作された作品で、アキバ系オタクで彼女いない歴=年齢の男性(ハンドルネーム:電車男)がある日、電車内の酔っぱらいに絡まれている見ず知らずの女性を助けてあげたところ、助けたお礼として高級ブランド『エルメス』のティーカップが送り届けられたという書き込み、それがきっかけで電車男と他のユーザーたちが様々なやり取りをしながら、助けた女性(通称:エルメス)と恋愛に発展していくという話となっています。
なお、『電車男』の話は一応実話という扱いになっており、電車男も実在するとされてはいるのですが、それを証明できるものが無く、話に怪しい点も多々あることなどから、創作話の可能性が高いという指摘もあります。
フィクション説がありながらも『電車男』の話はネット上で大きく盛り上がり、それによって様々なメディアにも注目され、2004年10月にはスレッド内でのやり取りをまとめた単行本が『新潮社』から出版され、2005年6月には累計発行部数が100万部を突破し、2006年7月には英訳版『Train Man』がイギリスで出版されました。
こうしたヒットを受けて2005年6月には、山田孝之さん主演、中谷美紀さんヒロインで『電車男』が映画化され、最終興行収入は37億円の大ヒットを記録しており、同7月からは伊東美咲さん主演でドラマ化され、電車男役は伊藤淳史さんが演じ、初回平均視聴率は18.3%、その後も20%超えを連発し、最終回は自己最高の25.5%、全11話の期間平均視聴率は21.2%の大ヒットとなりました。
<↓の画像は、映画『電車男』で共演の山田孝之さん&中谷美紀さんの写真>
その後もスペシャルドラマが制作され、2006年9月放送の完結編は26.7%を記録していました。
<↓の画像は、ドラマ『電車男』で共演の伊藤淳史さん&伊東美咲さんの写真>
このような大ヒットを記録した『電車男』がアメリカ・ハリウッドでミュージカルドラマ化されることを受けて、『電車男』は「久しぶりになんかキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!? 僕も楽しみにしています」とコメントし、『電車男』のまとめサイト管理人は、「電車男を応援していたネット住人は当時“いったい誰が、アレがあんな怪物にまで成長すると予想できただろうか”と語った。ましてや14年の時を経てハリウッドに進出するなど、微塵も想像しなかったに違いない。」と語っています。
『電車男』は今のようにネットが普及する前に生まれた話ではありますが、電車での出会いから始まる非モテ男性と美女の恋愛ストーリーで、このあたりはハリウッドでリメイクしても特に問題無さそうですね。
一方で、電車男とネットユーザーのやり取りをちゃんと描けるのかという部分は不安があり、ドラマ版の『電車男』では小栗旬さんをはじめ、六角精児さん、温水洋一さん、我修院達也さん、なすびさん、波岡一喜さん、山崎樹範さんなどが、電車男に様々なアドバイスを送るネットの住人役を演じ、ストーリーを大きく盛り上げていました。
こうした部分をハリウッド版ではどう描くのか、ミュージカルドラマとのことから、オリジナル要素がかなり強い内容になるのか気になるところで、『Train Man』の放送は現時点では未定となっているのですが、完成後には日本でも放送されることに期待したいですね。