1971年にアニメ化されてから今年で50周年となる『ルパン三世』シリーズで、射撃の名手・次元大介役を演じてきた声優の小林清志さん(こばやし・きよし 88歳)が、高齢を理由に勇退することが決まり、後任には人気声優・大塚明夫さん(おおつか・あきお 61歳)が抜擢されたことが明らかになりました。
<↓の画像は、後任を務める声優・大塚明夫さんの写真>
発表によれば、日本テレビ系で10月9日からスタートする最新作『ルパン三世 PART6』(土曜24時55分)の初回に、小林清志さんが最後に次元大介役を演じた「EPISODE 0 -時代-」を放送し、それ以降の放送回では大塚明夫さんが次元を演じるとのことです。
『スポーツニッポン』(スポニチ)は、小林清志さんの勇退理由として高齢を挙げ、「小林さんは可能な限り次元役を続けていきたいという思いは持っていた。ただ、長時間のアフレコを何度も行うことは体力的にも大変。現実的に続けることが難しくなったそうです」「かなり難しい決断だったと思うが、小林さんの体調と作品の今後を考え、このタイミングで踏み切ったのでしょう」
とアニメ関係者が明かしたとしています。
『ルパン三世』から勇退する小林清志さんはコメントを発表し、「ルパンは俺にとって一生ものの仕事であった。命をかけてきた。わがままを言えば90歳までやっていたかったが残念。何とかかじりついていたかったが無理だった。歳をとればそれなりの深みが出てくるはずだ。ただ映像とのギャップがあるか。(中略)あとは明夫ちゃんに委ねます。頑張ってちょうだい。ただ、次元はそんじょそこらの悪党とは違うぞ。江戸のイキというもんだ。変な話だが、次元は江戸っ子だ。明夫ちゃん、これは難しいぞ。 雰囲気はJAZZにも似ているんだ。最後に、これまで応援してくれた人たちにお礼を申し上げる。ありがとうございました。ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。あばよ。」
としています。
そして、小林清志さんの勇退発表を受けてネット上では、
- 死ぬまでやらせてって言うとったのに
- 悲しいなぁ コバキヨが辞めたらもう全員おらんやん
- まぁ明らかにきつそうやったしなぁ よう頑張ったわ
- まぁコロナもあるし引退したほうがええわ
- 次元「今回ばかりは俺ァ下りるぜ」 ほんまに下りてどうすんねん
- 何故か復活してきた野沢雅子より上だし警察24時の声もガサガサだしな
- もっと早く決断していたらなあ。「やっぱ次元は小林さんじゃないと」伝説だけが残ったのに…
- 50年かかってやっと初代から全員代わるって地味に凄い話
- 声の質が唯一無二だよなあ ルパンのモノマネは大体誰でも似てるなってなるけど、次元のモノマネはそもそも見ないし、たまにいても似てないことが多い。やっぱ本来の声優ってそういうものだよなあ
- テレビ放映は、1971年ですがその数年前のバイロットフィルムから次元の声は小林さんが担当してます。それほど次元=小林さんです。
いちファンとして非常に寂しい思いですが、今まで次元を務めていただき有り難うございました。
などの声が上がっています。
2019年11月には、『ルパン三世』で石川五エ門の2代目声優を務めていた井上真樹夫さんが80歳で亡くなり、同12月に行われた『ルパン三世』の3DCGアニメの初日舞台挨拶に登壇した際には、「斬鉄剣も泣いている。どうか安らかに眠ることを希望しています」と追悼し、自身の今後については「これからも、もう少しやらせてもらいたい」と語っていました。
次元大介といえば小林清志さんの落ち着いたシブい声で、声優が交代することでキャラクターのイメージも大きく変わってしまうことから、出来るなら今後も続けてほしいとの思いがありますが、高齢のせいもあってか以前から声量が落ち、声もかすれていたことなどから、勇退は仕方がないとも思います。
国民的アニメと呼ばれる『サザエさん』や『ドラえもん』など、数十年にわたって続いているアニメの声優陣交代は宿命で、『ルパン三世』でも次元大介を除く全てのキャラクターの声優が交代となっています。
小林清志さんが作り上げた次元大介の声のイメージと、大塚明夫さんのダンディでシブい声は合っていると思うので今後に期待したいですし、パート6の初回では次元の声を小林清志さんが担当しているとのことで、最後にどのような演技を披露するのか注目したいですね。