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カメ止めの原作・原案問題が終結。パクリ疑惑騒動も日本アカデミー賞授賞式、金ロー地上波初放送前に問題解決

『カメラを止めるな』盗作騒動が解決し上田慎一郎監督が安堵。和田亮一もクレジット表記変更に納得、今後は協力し展開

製作費300万円の超低予算ながら、昨年12月中旬時点で累計興行収入が31.2億円の大ヒットを記録した映画『カメラを止めるな!(ONE CUT OF THE DEAD)』の盗作騒動が無事解決したことが27日に発表され、上田慎一郎監督(34)やキャスト陣が28日に、スピンオフドラマ『カメラを止めるな!スピンオフ「ハリウッド大作戦!」』(AbemaTV・AbemaSPECIAL2 3月2日22時放送)の先行上映会に出席しました。

イベント終了後に取材に応じた上田慎一郎監督は現在の心境を聞かれると、「本当に良かった。納得しておりますし、良かったなと思っています」と答えましたが、「『それ以上は言うな』と言われております」として多くは語りませんでした。

<↓の画像は、上田慎一郎監督の写真>

『カメラを止めるな』の盗作騒動は昨年8月に週刊誌『フラッシュ』に報じられたことで勃発し、2014年に解散した劇団『PEACE』を主宰していた和田亮一さん(32)が、自身が演出を手掛けた舞台『GHOST IN THE BOX!』をもとに製作された『カメラを止めるな!』について、「原作の表記や劇団名、作品名が入っていない」と訴えました。

『カメラを止めるな!』予告編動画

同舞台の脚本を執筆したA氏も、「脚本を書き直して映画化する過程で、許諾を取る類いの連絡はありませんでした。公開されたいま思うと、原作として和田さんと私のクレジットがないのは疑問に思います」といい、和田亮一さんはこれらの問題を受けて弁護士に相談したとし、「類似点の多さや、Aの脚本をもとに書き直したものであるのに原作の表記がないこと、原作者である僕やAの許諾を取らなかったことなどから『これは著作権の侵害だ』と。現在、訴訟の準備を進めています」と語っていました。

<↓の画像が、和田亮一さんの写真>

また、和田亮一さんが『カメラを止めるな!』の製作サイドと交渉したことにより、エンドロールでは「原案:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』(作:A 演出:和田亮一)」と表記されるようになったものの、自身や劇団員たちの思いが詰まった作品だけに、原案ではなく原作として表記してもらいたいと訴えており、相手側から差し出された「原案利用契約書」の内容も、和田さんが今後「映画、舞台におけるリメイクそのほか二次利用に関する一切の権利をもてない」というものだったことに不満を抱いているとしていました。

そして、それから8ヶ月後の2月27日に『カメラを止めるな』の公式サイト上でコメントが発表され、映画の製作を手掛けた『ENBUゼミナール』の代表でプロデューサーの市橋浩治さん名義で、今後は国内外でのクレジット表記は以下のように変更し、「今後の『カメラを止めるな!』に関連するプロジェクトはお互い協力し展開していく」としています。

【『カメラを止めるな!』クレジット表記の変更内容】

■日本語版における表記
共同原作 和田亮一 上田慎一郎
企画開発協力 荒木駿 大坪勇太(劇団PEACE)
Inspired by:「GHOST IN THE BOX!」
(和田亮一/劇団PEACE)


■英語及び他の外国語版における表記
Joint Original Work:Ryoichi Wada、Shin-ichiro Ueda
Planning and Development Co-operation: Shun Araki、Yuta Otsubo (PEACE Theater Group)
Inspired by:“GHOST IN THE BOX!” (Ryoichi Wada/PEACE Theater Group)

このようにクレジットを変更した理由については、『カメラを止めるな』は『GHOST IN THE BOX!』から着想を得て企画・製作したものである一方、上田慎一郎監督がオリジナルのアイデアを盛り込み、脚本、編集、撮影をしたことから、「本映画のクレジットは、和田氏と上田監督それぞれのオリジナル性をお互い尊重する気持ちを汲んだ内容としております。」と説明しています。

また、「上記クレジットの合意などに関する関係者への取材などは固くお断りいたしますので何卒よろしくお願い申し上げます。」としています。

公式サイトでは和田亮一さん、上田慎一郎監督らのコメントも公開されており、原作表記を訴えていた和田さんは、「この件で『カメラを止めるな!』ファンの皆様に多大なご心配をお掛けしたことをこころよりお詫び申し上げます。」と謝罪した上で、「上田監督、市橋プロデューサーや元劇団員と話し合いを重ね、お互いの気持ちを理解しあった上で本日を迎えることができました。この作品がたくさんの方々に愛され、多くの賞を受賞し、世の中に残っていく作品になったことを誇りに思います。そして同時に、これから先、共に創作をできるということを嬉しく思います。」とコメントしています。

一方の上田慎一郎監督は、「両陣営で冷静に話し合いを重ねた結果、“お互いのオリジナル性がなければ産まれなかった作品”ということで気持ちが一致しました。『カメラを止めるな!』を応援してくれているファンの皆さま、ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。今後は本作を益々多くの方々に楽しんで頂けるよう、また、本作にまつわる今後の展開についても、お互いに協力しあって創っていければと思っております。」としています。

そして、一連の問題が無事解決したことに対してネット上では、

などのコメントが寄せられています。

この件を巡っては、きちんと和田亮一さんサイドと話し合いをせず、クレジット表記もしなかった製作サイドに対する批判の声だけでなく、映画が大ヒットしたことを受けて映画の原作者であることを主張し始めた和田さんサイドに対する批判もあったのですが、最終的には双方が納得する形になったのは良かったですね。

このタイミングで話し合いが決着した背景には、複数の賞にノミネートしている『第42回日本アカデミー賞』の授賞式が3月1日に行われるほか、同8日に日本テレビ系の「金曜ロードショー」枠(金曜21時)で地上波初放送されることが関係しているのではないかとも囁かれており、これに関して真相は不明ですが、問題の解決が発表されたことで再び作品に注目が集まっています。

3月2日には、上田慎一郎監督が製作総指揮・脚本を担当し、映画から半年後を描いたスピンオフドラマ『ハリウッド大作戦!』がAbemaTVで放送され、現段階では具体的に続編の製作は決まっていないというものの、上田監督は「これから違うスピンオフや、続編ということがあったらいいな」と話しているので、今後の新たな展開にも期待したいですね。

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