10月27・28日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社調べ)が発表され、女優・波瑠さんと俳優・西島秀俊さんが初共演の映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』(波多野貴文監督)が大コケしており、かなり厳しいスタートを切っていることが明らかになりました。
先週末の映画ランキングでは、人気アニメ『プリキュア』シリーズの誕生15周年を記念した作品『映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が初登場1位を獲得しており、全国230スクリーンの公開で観客動員数は30万9781人、興行収入は3億5357万7300円を記録し、『プリキュア』シリーズでは過去最高の好スタートを切っています。
2位には、福士蒼汰さんが主演し、高畑充希さんが猫の声を担当している『旅猫リポート』が初登場ランクインし、全国321スクリーンでの公開で観客動員数は8万2000人、興行収入は1億300万円となっており、最終興行収入5億円突破が目標となるスタートになっています。
続いて3位には、宗教団体『幸福の科学』の創始者・大川隆法総裁が、総指揮・原案を手掛けたとするアニメ『宇宙の法-黎明編-』がランクインし、観客動員数は6万5000人、興行収入は8300万円となっており、今作は前週まで2週連続1位を獲得し、公開から3週での累計興行収入は5億6000万円を突破しています。
次いで4位には佐藤健さん主演の『億男』、黒木華さん主演の『日日是好日』は公開3週目で5位となり、累計興行収入は間もなく6.5億円に到達し、6位の『プーと大人になった僕』は公開7週目で累計興行収入は23億円を突破しています。
7位は公開3週目の『ルイスと不思議の時計』、8位は5週目の『クワイエット・プレイス』がランクインし、9位に波瑠さん主演の『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』がランクインしており、全国239スクリーンでの公開ながら、初週の興行収入は8000万円以下という結果に終わっています。
なお、1つ下の10位にランクインしているサスペンス・スリラー『search/サーチ』は、全国60スクリーンという小規模公開の作品です。
かなり厳しいスタートになった『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』は、ドラマ・映画化された人気作品『海猿』、『S -最後の警官-』などの原案を手掛けた作家・漫画原作者の小森陽一さんの小説『オズの世界』が原作で、一流ホテルチェーンに就職した主人公・波平久瑠美が、グループ傘下の地方遊園地に配属されたことに不満を抱きながらも、そこで出会った個性的な同僚や利用客らとの交流を通じて、成長していく姿を描いた作品となっています。
<↓の画像は、映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』の写真>
監督は、V6・岡田准一さん主演でドラマ・映画化された『SP』シリーズ、ドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』などを手掛けた波多野貴文さんが担当しています。
キャストは、今作が映画初主演となる波瑠さんの他に、西島秀俊さん、岡山天音さん、深水元基さん、中村倫也さん、橋本愛さん、濱田マリさん、柄本明さんらが出演しています。
<↓の画像は、『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』キャストの写真>
残念ながら大コケスタートとなった『オズランド』の評価を確認すると、映画の情報・レビューサイト『Yahoo映画』と『映画.com』では、【3.5~3.6点/5点満点中】(30日23時時点)となっており、作品の内容自体は決して悪くはないのですが、映画館はガラガラ状態だったという報告が上がっています。
作品を観たユーザーの感想はというと、
- お仕事エンタメとして気軽に楽しめる好作。熊本に実在する遊園地、グリーンランドが舞台だが、内容的にはリアルさを追求したわけではなく、ややコミカルに誇張された仕事ぶりやエピソードでほのぼのした笑いとさわやかな感動を誘う。
- 王道!仕事の疲れが癒えました!ストーリーは単純明快なのに、細かいところに制作した方のこだわりを感じることができてとても楽しかったです。働いている方は共感できることも多いと思います。最後まで暖かい気持ちで観賞でき、とても癒されました。
- 熊本を舞台にした素晴らしい映画です。見て損は無いです。波瑠ちゃんもいいですが、他の役者さんも素晴らしい演技なので、映画好き、演劇好きの人には必見です。個人的には、園長役の柄本明の心に染み込む演技が最高でした。
- 映画にスリルや興奮、非日常を求める人には少し物足りないかもしれないが、私はとても楽しめた。期待をしていなかった分、期待は大きく上回ってくれたように感じる。残酷な言葉やスプラッター的な展開がない、子供向けのジェットコースターみたいなゆるりと優しい映画。新社会人にも見せたい。
- 地方の遊園地の話。従業員みんな楽しそうに仕事している姿が素敵すぎます。こんな職場はうらやましいですね。波瑠さんの成長していく姿に微笑ましくなってしまう。元気に前向きに仕事に取り組みたくなってきました。よかったです
などのコメントが寄せられており、ほのぼのとした内容の作品で、期待を裏切らない仕上がりにはなっているようです。
その一方では、
- 地方の遊園地の活性化+女性の自立+軽い恋愛ストーリーという内容はすごく現代風でいいし、キャストもいいし、ストーリーも良かった。最初から感動作になる気配がビンビンしてたのに細部の荒さが気になって凡作になってしまって非常に残念
- 学生が作った自主製作映画のよう…こんな小さい話、映画で、でっかい画面で、映画館で、観るような話じゃないでしょう…出だしからやな感じはしたのですが…そのまま突っ走ってました。プロがこんなので満足しちゃ、ダメですよ…
- 内容や雰囲気は悪くないのだけど、それぞれのキャラクターが今ひとつ印象に残らないまま、終わってしまった感じだった。音楽が平板だったせいもあるのか、盛り上がりや緊迫感というか、喜怒哀楽がもう少し出て、メリハリがあればなぁ。少し惜しい作品
- 予算を削りに削って作った映画という感じ、そんなに金がないのなら映画にせずに2時間ドラマにでもしておけよと思ってしまった。原作の100匹の象も巨大ウルトラマンも出てこず台風も来ない、それに小塚のどこが優秀なのかがほとんど分からなかった。夢の遊園地の話なのに夢を打ち砕いた映画になってしまっていた。
などのコメントも寄せられており、嫌な気持ちにならずにホッコリとするような内容ではあるものの、ストーリーなどに物足りなさを感じた方も多い様子です。
今作で映画初主演した波瑠さんは、2015年後期放送のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』で主演して以降、毎年連続ドラマの主演を務めています。
今年は1月期にHey! Say! JUMP・山田涼介さん主演の『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(日本テレビ系)、4月期には『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)で主演、7月期は『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)で主演と、3期連続で連ドラ出演をしている売れっ子女優の状態が続いています。
残念ながら映画の方は大コケしてしまったのですが、作品自体の評価はまずまずの様子なので、この結果をあまり気にすることなく、来年以降も活躍する姿を見せてほしいなと思いますね。