月刊漫画雑誌『ゲッサン』で2013年から連載がスタートし、先月に10年に及ぶ連載に幕を閉じた漫画『からかい上手の高木さん』が、実写ドラマ化に続いて実写映画化されることが発表され、原作ファンの間で物議を醸しています。
『からかい上手の高木さん』は、『古見さんは、コミュ症です。』『可愛いだけじゃない式守さん』など、「〇〇さん系」と呼ばれる漫画の先駆けで、中学校を舞台に隣同士の席に座る「からかわれっぱなしの西片」と「からかい上手の高木さん」の日常を描いた青春ラブコメディとなっており、コミックスのシリーズ累計発行部数は1,200万部超えの人気作品です。
2018年にアニメ化され、昨年1~3月にアニメの第3期が放送、同6月に劇場版アニメが公開(最終興行収入は約4億円)となり、来年3月にTBS系で実写ドラマが放送されます。
実写ドラマでは、ファッション誌『Seventeen』の専属モデルを務める女優・モデルの月島琉衣さん(15)が高木さん役、今年の『第76回カンヌ国際映画祭』で脚本賞を受賞した映画『怪物』や、現在放送中のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)などへの出演で注目を集める俳優・黒川想矢さん(13)が西片役を演じます。
そして、実写ドラマに続いて実写映画化(今泉力哉監督 来年5月31日公開)が28日に発表され、映画は原作から10年後を描いたオリジナルストーリーで、高木さん役は人気女優・永野芽郁さん(24)、西片役は今人気上昇中の高橋文哉さん(22)が演じることが明らかになりました。
映画もドラマと同様に、アニメ版の舞台として設定され、ファンの間で聖地となっている香川・小豆島で全編撮影が行われ、教育実習生となって母校に帰ってきた高木さんと母校で体育教師をしている西片が再会し、新たな“からかいの物語”が展開されるといいます。
<↓の画像が、実写映画『からかい上手の高木さん』で共演の永野芽郁さん、高橋文哉さんの写真>
原作者の山本崇一朗さんは映画について、「漫画ともアニメともまた違った『高木さん』を観られること、驚きであると同時に非常に嬉しく感じております。永野さん、高橋さんをはじめとする出演者の皆さん、そして今泉監督をはじめとする制作陣の皆さんが、小豆島ののんびり美しい風景の中で創り出してくれる“画” がどのようなものになるのか、 皆さんと一緒にワクワクしながら待ちたいと思います。公開が今から本当に楽しみです。」
とのコメントを寄せています。
永野芽郁さんは、「高橋さんとは初共演で、凄く真摯に西片という役と作品に向き合われる方だな、という印象だったんですが、 段々と役の仲の良さも深まっていく毎に、 私たちも高木さんと西片のようにからかい・からかわれるっていう関係性が出来てきて(笑)ちょっとどこかで姉弟っぽさもありながら過ごせた気がします。」
などとコメントしています。
高橋文哉さんは、「これまであまりからかわれてこなかったのですが、 撮影の期間を通して永野さんにからかわれながら、 変な居心地の悪さみたいなものが心地よくて、西片と通ずるものがあるなと感じています(笑)。原作の10年後を演じさせて頂いているのですが、シーンひとつひとつに二人の関係性やキャラクターなど素敵なところが詰まっていて、皆さまのご期待を裏切らない作品になっていると思います。」
としています。
そして、『からかい上手の高木さん』の実写映画化発表を受けてネット上では、
- 高木さんが、(元)高木さんになるまでの間が描かれるのだとすると面白そう
- 高木さんを永野芽郁ちゃんが。高木さんの落ち着いた雰囲気を実写で出すのにピッタリな方じゃないかなと思いました。
母校で体育教師をしている西片というのも原作通りでいいんじゃないかなと思います。楽しみに待ってます。 - これきっかけで漫画・アニメの「からかい上手の高木さん」の人気が再び盛り上がると嬉しいです
舞台となる小豆島の観光振興に一役買ってくれるとさらにうれしいかな - 高木さんには結婚した後のちゃんとした続編があるのに、なんで訳の分からない作品を作って世に出すのか全く意味が分からない
- コレは無いわ、中学生だから甘酸っぱいんであって、この設定は萎える…
こんなに作品としてポテンシャル有るんだから4期、5期とアニメ続けて欲しいのよ。今のところアニメのオリジナルストーリーも秀逸だし。 - 実写映画化の発表で、このドラマ版は映画版の「前座」として作られることがわかり、ちょっとがっかりした。
しかも、映画版の方は有名女優主演による大人になった二人のオリジナルストーリーとは…。
興行収入を上げるためにはこういう原作と離れた展開をする必要があったのかもしれないけど、原作の世界観だけでも十分に魅力的だったと思う。 - 原作ファンとしてはこれは観ないかなぁ…『元からかい上手の高木さん』という続編的な作品が存在している。
『からかい上手の高木さん』は中学生だからこその甘酸っぱさ、ふと大人びた表情を見せながらも、内心ドキドキデレデレの高木さんと振り回されながらも楽しむ西片だからいいのであって、安易にオリジナルストーリーでやるのならタイトルは別の何かにしてほしい… - 安易に実写化するもんじゃない。元からかい上手の高木さんって続編があり、高木さんと西片が結婚し昔のエピソードを交えながら甘酸っぱい青春が持ち味の作品。
オリジナルなんていらない、どうせなら高校卒業〜結婚に至るまでのアニメ映画を望みます。
などと賛否の声が上がっています。
『からかい上手の高木さん』シリーズでは、『からかい上手の(元)高木さん』等のスピンオフ作品で本編から十数年後を舞台に、西片と高木さんが結婚して娘・ちーが誕生後の日常生活を描いています。
こうした作品もあることから、実写映画化にあたってオリジナルストーリーで10年後を描くことに対しては、多くの原作ファンからは拒否反応が起きており、オリジナルで話を作るのであれば『からかい上手の高木さん』の続編という形ではなく、また別の作品として公開してほしいとの声が上がっています。
ただでさえ、漫画・アニメの実写映画化は原作の世界観を壊してしまうことなどから、原作ファンからは嫌われる傾向にあり、それに加えてオリジナルストーリーとなると全く別物の作品となってしまうだけに否定的な声が噴出するのは当然です。
すでにネット上では映画は見ないといった声も多くみられ、大コケするのではとの予想も飛び交っていますが、映画公開後の反応や、どれほどの興行収入を得られるのかに注目したいですね。