フィギュアスケーターの羽生結弦選手(はにゅう・ゆづる 27歳)が19日に決意表明会見を行い、競技会に出場できるアマチュア選手を引退し、今後はプロに転向してフィギュアスケートを続けていくことを正式発表しました。
羽生結弦選手は会見で、「まだまだ未熟な自分ですけれども、プロのアスリートとして、スケートを続けていくことを決意致しました。」「競技者として他のスケーターと比べ続けられることは無くなりました。ただ、これからは自分のことを認めつつ、また、自分の弱さと過去の自分とも戦い続けながら、これからも滑っていきたいと思っています。」
と、プロフィギュアスケーターに転向することを表明しました。
また、「4回転半ジャンプにもより一層取り組んで、皆さんの前で成功させられることを強く考え、さらに高いステージに行けるように頑張っていきます。これからも闘いつづける姿を応援していただけたら嬉しいです。」
と、プロ転向後も4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)への挑戦を続けていくことを明らかにしています。
プロフィギュアスケーターとして今後さらに、「自分のスケートがやっぱり『見たいな』とか『見る価値があるな』と思っていただけるように、これからももっともっと頑張っていきます」
としています。
競技会に出場できるアマチュア選手を引退してプロに転向する理由、この決断をしたことでの寂しさを問われると、「自分としては『これからも期待してやってください』って、胸張って言える気持ちでいます。なので寂しさは特に無いです。もっともっと、試合っていう限られた場所だけじゃなくて、いろんな方法で自分のスケートを見て頂く機会があるかなと思ってますし、作っていきたいなって考えているので、是非楽しみにして頂きたいなーなんて自分では思っています。」
と語っています。
また、2018年の平昌五輪終了後に引退しようと思っていたことを告白し、その後もアマチュア選手として競技を続けた理由については、「自分の中では平昌五輪から、プロのスケーターとして、プロのアスリートとしてスタートするんだっていう風に思ってたんですけれども、4回転半だったりとか、四大陸選手権も含めて金メダルを取れていない試合が何個かあったので、それを取りたいと思って続けました。」
と明かしています。
こうした引退を考えながらも4年にわたり競技を続け、今年2月開催の北京五輪にも出場したものの、「これからさらに自分が努力したい方向だったりとか、自分が理想としているフィギュアスケートっていう形だったりとか、そういったものを追い求めるのは競技会じゃなくてもできるなって。むしろ競技会じゃない所の方が皆さんに見て頂けるんじゃないかな」
と思い、北京五輪が終わった後にプロ転向を決断したとしています。
そして、羽生結弦選手のプロ転向発表を受けてネット上では、
- 第二のスケート人生ですね。これからも楽しみにしています。
- たくさん悩んだ末の結果だもんね!今までお疲れ様でした!プロでも頑張ってください!
- 素直にお疲れ様と言いたい。これからもまだまだプロとしてスケート続けられると聞いて嬉しい。
- 選手としては引退しちゃうのか…寂しいね
- もうオリンピックでは見れないと思うと寂しいけど、仕方ないね。お疲れ様でした!
- プロにならないとお金にならないしね。いい辞め時だしいいと思う
- この人はもう充分過ぎるほどに結果残してるし、努力もしてきたと思う。あとは趣味でスケート楽しめば良い。
などの声が上がっています。
また、情報・報道番組『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)に出演し、羽生結弦選手の会見を見守ったプロフィギュアスケーター・織田信成さんは、「鬼気迫るような、闘う姿というのがすごく好きだったので、それがちょっと見れないのは寂しい」と涙ながらに語りつつ、「これから同じプロスケーターとして、一緒に滑る機会が増えたらいいなと思います」と、今後に期待を寄せていました。
羽生結弦選手は姉の影響で4歳からスケートを始め、10歳の時に国際大会で初優勝を果たし、その後も全日本ジュニア選手権などで優勝、中学生のころから全日本選手権に出場するなどし、2013年にグランプリファイナルで初優勝、全日本選手権で2連覇を達成、そして2014年のソチ五輪で史上2人目となる10代で金メダルを獲得し、2018年の平昌五輪では66年ぶりに2連覇を達成しました。
こうした活躍ぶりから同年に、個人では史上最年少で国民栄誉賞が授与され、それ以降も四大陸選手権で初優勝を果たすなどの好成績を残していましたが、近年は右足首のケガなどで大会を欠場したり、思うような結果を残せない状態が続いていたため、羽生結弦選手がアマチュア選手からの引退を決断したことに対しては、寂しいとの声が上がる一方で、理解を示す声も多く上がっています。
また、アマチュア選手を引退することによって、五輪などの競技会には出場出来なくなるものの、これまでと変わらずアイスショーなどに出場することはできますし、羽生結弦選手自身も会見で、「むしろここからがスタートで、これからどうやって自分を見せていけるか、頑張っていけるかが大事だと思っていて、そういう意味では新たなスタートを切ったなと思っています。」
と、非常に前向きな発言をしています。
そして、足首の状態を見ながらになるとは思いますが、今後も4回転半ジャンプに挑んでいくと宣言していますし、今後また新たな挑戦をするために、具体的に進めていることがあるとも語っており、羽生結弦選手の現役引退をいち早く報じた『日刊スポーツ』によれば、自身のアイスショーを創設することも考えているそうで、プロフィギュアスケーターとしての今後の活躍にも期待したいですね。