『2018 FIFAワールドカップ ロシア』の決勝トーナメント1回戦「日本×ベルギー」が日本時間3日に行われ、日本は後半に原口元気選手と乾貴士選手が立て続けにゴールを決めて2-0とリードしたものの、そこから3点を奪われてしまい1回戦で敗退という結果に終わったのですが、本田圭佑選手(ほんだ・けいすけ 32歳)が日本代表からの引退を明言したほか、サッカー選手引退も示唆しています。
日本代表が予選リーグを突破し、ベスト16入りを果たしたのは2010年の南アフリカ大会以来2大会ぶりで、日本代表史上初となるベスト8入りに大きな期待がかかっていたものの、2-0から一気に同点にされ、後半のアディショナルタイム中に逆転ゴールを決められ、今大会も1回戦突破とはなりませんでした。
<↓の画像は、ベルギー戦の日本代表スタメン選手の写真>
試合後のインタビューで日本代表選手たちは非常に悔しそうな表情を見せ、涙ながらに答えている選手もいたのですが、今大会はスタメンではなく“スーパーサブ”として試合に途中出場し、予選リーグ第2戦のセネガル戦で日本人初となるワールドカップ3大会連続ゴールを決めた本田圭佑選手は、「これが僕にとって最後のW杯です」と、2022年開催予定のカタール大会には出場しないことを明言しました。
FIFAランキング3位で今大会優勝候補でもあるベルギー代表を相手に日本代表は善戦したものの、逆転負けという結果に終わったことに対して本田圭佑選手は、「現実ですよね。これがワールドカップ。僕自身にとって最後になるんですけど。正直、自分がみんなをもう一個上のステージに連れていってあげたかったっていうのはありますけど、あそこ(FKの場面)で決めきれなかったのも自分の実力だし、受け入れないといけないというよりは現実がこれなんで。やれることはやった、ベストを尽くしたという思いはあります。仲間にはありがとうと言いたい」
と、悔しさをにじませました。
<↓の画像が、後半36分から出場した本田圭佑選手の写真>
また、かねてから今大会が最後、集大成だと語っており、「4年後は考えられない。自分のためだけのワールドカップにするなら同じような役回りで出られるかなと思ってるんですけど、日本代表は大きく前に進んでいかないといけない。次のワールドカップには出ないと思います」
と、すでに日本代表からの引退を決めていることを明かしています。
“ビッグマウス”で知られる本田圭佑選手はかねてから「ワールドカップ優勝」を明言しており、高い目標を公言し強いプレッシャーをかけることで自らを鼓舞し、2008年にフル代表として試合に出場して以降、エースとしてチームの勝利に大きく貢献してきました。
ベスト16入りした2010年南アフリカ大会では4試合にフル出場し、グループリーグ初戦のカメルーン戦では決勝点を挙げ、第3戦のデンマーク戦ではフリーキックで先制点を入れ、この大会では2得点を決めています。
2014年ブラジル大会の最終予選では5得点を決めるなどの活躍ぶりで、グループリーグの全3戦にスタメンフル出場し、初戦のコートジボワール戦で先制点を入れ、第2戦ではゴールは決められなかったものの、FIFA選定の「マン・オブ・ザ・マッチ」に選出されました。
そして、今大会ではグループリーグ初戦のコロンビア戦に後半25分から途中出場すると、それから間もなく大迫勇也選手のゴールをアシストし、第2戦のセネガル戦では後半27分から出場し、6分後に貴重な同点ゴールを決めました。
今大会でもこうした活躍ぶりを見せた本田圭佑選手ですが、以前のようにスタメン起用されることなく全試合ベンチスタートとなっていました。
こうして日本代表は決勝トーナメント1回戦敗退という結果に終わり、本田圭佑選手は自身の去就について、「ちょっと整理したいです。次のワールドカップに出ないなっていうのはここで言ってもいいくらいはっきりしてるかなと思います。でも、じゃあ自分が現役をどう続けていくのかとか、サッカーに今後どう携わっていくのかっていう、そこは整理したいです。ここで中途半端に発言できないかなと思います」「(代表引退は)現役のところとリンクしてくると思うので、今言えるのは『4年後は見られない』ということ。それはっきり言える。今言えることはそれだけ。今はいくつかオプションがある中で、自問自答しながら見つけていくもの」
と答えています。
<↓の画像は、ベルギーに敗戦後の本田圭佑選手の写真>
この他にも、本田圭佑選手は自身の後継者となる人物についても言及しており、「優勝を目指して、それを果たせなかったということに関しては、その意思を次の若手に引き継いでもらいたい。まだ“優勝”という言葉を口にする若手がいない。今日出て活躍した選手の誰かが、誰になんと言われようと『優勝』と言い続ける奴が次の代表を引っ張っていくと思いますし。それにふさわしいヤツは今回のW杯で何人か見つけているので、次頑張ってほしい」
と語っていました。
このように本田圭佑選手は代表引退を明言し、さらに現役からの引退も考えていることを明らかにしていたのですが、これに対してネット上では、
- 大方予想はしていたがやっぱ何か寂しいなぁ
- 尖っていた本田も大人になった。時が経つのは早いものだなぁ
- 良い引き際だと思う。良いときも悪いときもあったけど、この8年間は本田を中心に代表は回っていた。お疲れ様。
- 本人の良し悪しで荒れたこともあっただろうけど批判を浴びる川島を庇ったり勝負所で決め切る得点力と度胸があったり、この8年間ちょい日本の軸になってくれて本当にありがとう、そしてお疲れ様でした。かっこよかったです。
- バセドウ病も半月板もサッカー選手としては致命的だよね。ビッグマウスなんてよく言われるけどそんなことはなくて、インタビュー全文聞けば全然印象違うんだよね
- 本当に。いろいろ批判もされて、内心ではどんなにかつらかったと思う。でも、コロンビア戦でのあの1点、忘れられない。ありがとう!自分の人生、自分も精一杯、もっとがんばって生きていこうと思った。 日本のサッカーメンバー みんなお疲れ様。
- 批判も期待も矢面に立って常に頑張ってくれた。最後のフリーキック良いシュートやったな。お疲れ様。長い間本当にありがとう。
- ラストのFKは流石でした。ちゃんと枠内にいったし、あれはクルトワが見事。今大会はジョーカーとして頑張ってくれた。アジア予選でもよくゴール決めたし、本当に勝負強かった。お疲れ様でした。あとは若手の選手たちに頑張ってほしい
などのコメントが寄せられています。
なお、本田圭佑選手と同年代で今大会でも代表入りした長友佑都選手、岡崎慎司選手については、2022年カタール大会を目指すことを試合後に明言しており、4試合にフル出場した長友選手は「次も目指しますよ」、一方の岡崎選手は「(ケガもあり)今のままじゃ代表レベルではない。コンディションが100%になればまた目指せると思う。このままじゃ終われない」と、今後も代表入りを目指していくとしています。
香川真司選手は本田圭佑選手と同様に代表引退の可能性もあり、「次は分からないですね。しっかりと考えて。自分のサッカー人生は続きますけど」と答えています。
本田圭佑選手の“ビッグマウス”は度々批判を浴び、あまり良くないイメージを持っている方も少なくないのですが、本田選手のような選手が中心にいたからこそ代表選手たちのモチベーションが上がった部分もあったでしょうし、これまでしっかりと結果を残してきた貴重な選手だけに代表引退というのは残念ですね。
本田圭佑選手も全盛期と比べるとパフォーマンスが落ちており、次大会では36歳という年齢から引退は仕方がないことだとは思いますが、本田選手のような人物がチームから居なくなってしまうというのは寂しいものがあります。
本田圭佑選手は今回、すでに次の日本代表を引っ張っていく存在を何人か見つけていると明かしており、これからはそうした後継者の育成なども行っていって貰いたいですし、代表をもし引退してもサッカーは続け、今後もプレーを見せてほしいですね。