元柔道家でプロレスラー・総合格闘家の小川直也さん(おがわ・なおや 50歳)が、プロレス・格闘技界から引退することが明らかになりました。
小川直也さんは『東京スポーツ』(東スポ)の取材に応じ、プロレス・格闘技界から引退することを明かし、今後については長男で柔道100キロ超級の柔道家・小川雄勢さん(ゆうせい 21歳)の指導をしていくため、柔道界に正式復帰することを目指していくとのことです。
東スポの取材に応じた小川直也さんは、「リングを離れることを正式に決断しました。猪木さんに導かれ、この世界に入り、ファンに支えられてここまでこれた。ファンのみなさんには本当に感謝している」
と語っています。
1997年にプロレスデビューしてからこれまでの21年間については、「本当に楽しかったよ。プロレスもオレが始めた当時とはだいぶ形が変わってきたし、自分の中では、やり切れなかった思いもある。でも、どこかで区切りをつけなきゃいけないし、その時、その時、精一杯やってきたので未練はないよ。今後は違った形で恩返しできればと」といい、引退の理由については、「子供の成長が一番。雄勢の置かれている立場を考えて。環境を整えるには、オレが(指導に)携わるべきかなと。今までは学生だったから柔道部の先生方にお願いしていたけれど、来年からは社会人。教育ではなくなるので」
と説明しています。
ちなみに、小川直也さんの長男・小川雄勢さんは、中学時代から様々な大会で好成績を残し、高校選手権の個人・団体で優勝し、その後も高校柔道の三大大会の1つ『金鷲旗』、『全日本ジュニア 』、『世界ジュニア』(団体戦)などで優勝を果たしており、明治大学に通う現在は今年9月開催の『世界柔道選手権大会』の日本代表に選出されています。
なお、『国際柔道連盟』(IJF)の世界ランキングでは現在23位となっています。
<↓の画像は、小川直也さんと小川雄勢さんの写真>
そんな小川雄勢さんは2020年の東京五輪出場も現実的なものになってきており、小川直也さんとしては自身が達成できなかった五輪金メダルを息子に獲得してほしいという思いが強く、『全日本柔道連盟』の規定には、プロ格闘技に携わる指導者、選手の参入は認められていません。
そのため、小川直也さんは小川雄勢さんを指導することを目的にプロレス・格闘技界からの引退を決意したそうです。
今後については、『全日本柔道連盟』の指導者登録を目指す予定で、「小川道場をやっているし、道場の子供たちともう少し距離を近づけたい。そのためにはルール上の問題もある。今はその辺をあいまいにできる時代じゃないので」と語っています。
小川直也さんは、高校から柔道を始め『全日本柔道選手権』で7連覇、『世界選手権』で4度優勝などの成績を残し、1992年のバルセロナ五輪の95kg超級で銀メダルを獲得するなどの成績を残しましたが、1997年にプロレスラー・格闘家に転身し、様々な活動を経て2007年にアントニオ猪木さんが創業したプロレス・格闘技団体『IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)』に参戦しましたが、分裂騒動などによってリングに上がることは減っていき、最後の試合は約2年半前の2016年2月のことで、休業状態にありました。
師匠であるアントニオ猪木さんにはすでにプロレス・格闘技からの引退、小川雄勢さんの世界選手権出場を報告しているといいます。
小川直也さんはかつてアントニオ猪木さんから「天下を取れる器」と言われるほどの実力を持ち、柔道家からプロレスラー・格闘家に転身して以降も活躍していましたが、「プロレス界の常識にとらわれず我を貫いたことで、業界の評判は芳しくなく、頂点には立てなかった」といい、実際に最近も試合への出場オファーは無かったそうで、プロレスラー・格闘家としては特に未練、悔しさなどはない様子です。
そして、この発表を受けてネット上では、
- 50歳には見えない。賢いので柔道でもまだまだ後継者を育ててほしい
- 受けがあんまり上手くなかったから、プロレスはむいてなかったかもしれない。でもスリル溢れるファイトスタイルは他にないキャラクターで好きだった。古巣の柔道界に指導者として復帰するのは一番いい進路だと思う。
- 小川は強かった。高校から柔道始めて、大学1年で世界戦で金メダルを取った。息子も粗削りですが、父親とよく柔道スタイルが似てますね。小川成し得なかった、五輪の金メダル取って欲しいな。
- 天下は取れなかったかもしれないが、間違いなく時代を作った。橋本との殺伐とした緊張感は今のプロレスにはないね。もうプロレスにあのムードをもたらすのは不可能なんじゃないかと思う。
- 良くも悪くも色々な衝撃をプロレス&格闘技界のもたらした。五輪代表アスリートのポテンシャルの凄さも見せ付けてくれたし。橋本戦を経ての暴走王、PRIDE参戦、ハッスル等とにかく話題は絶えなかった。息子さんの成長の為、正式に柔道界に復帰するのは素晴らしいです。雄勢選手はその血筋もあって注目されてるし、親子で五輪出場頑張ってほしい。
- これは結構残念だな。小川直也が格闘技の世界に参入した時は、柔道の世界と『決別』してこそヒールの雰囲気が際立った所もあったからなぁ。
などのコメントが寄せられています。
小川直也さんはプロレス興行『ハッスル』などにも出場し、「3、2、1、ハッスル! ハッスル!」という掛け声とポーズで有名となり、これぐらいの頃からバラエティ番組などへの出演も増えていき、ファンの幅を拡げていったと思うのですが、プロレス・格闘技を引退してしまうというのは少し残念です。
ネット上の反応を見てみると、ここしばらくはリングに上がることもなかったため、とっくに引退していたと思っていたという方も少なくない様子で、本人もオファーもしばらく無かったこともあり、引退することに対してはそこまで悔しさ未練などは無いようですね。
これからは小川雄勢さんのサポートに力を注いでいき、自身が達成できなかった五輪で金メダル獲得などを目標に、親子で力を合わせてさらに高いレベルに上がっていってほしいなと思います。