元日本代表守護神・川口能活選手が現役引退発表。12月2日にセレモニー開催へ。代表史上最高のゴールキーパーが決断
元サッカー日本代表でキャプテンを務めていたゴールキーパー(GK)の川口能活選手(かわぐち・よしかつ 43歳)が4日、今シーズン限りで現役引退することを所属する『SC相模原』を通じて発表しました。
J3リーグに所属するクラブ『SC相模原』の公式サイト上で川口能活選手は、「今シーズンで引退することを決めました。とにかく今は感謝の気持ちしかありません。」と現役引退を報告しています。
続けて、「僕がプレーした横浜F・マリノス、ポーツマスFC、FCノアシェラン、ジュビロ磐田、FC岐阜、SC相模原の各クラブに携わる全ての方々、応援してくれるサポーター、両親、家族、サッカー人生で出会い力をいただいた全ての人達、そして一緒にプレーした先輩方、仲間達に感謝の気持ちを伝えたいと思います。」と綴り、今後開催する引退会見の場で改めて思いを明かすとしています。
『SC相模原』の発表によると、引退記者会見は14日に開催するといい、12月2日にホームの相模原ギオンスタジアムで行われるJ3の第34節『鹿児島ユナイテッドFC』戦後には、川口能活選手の引退セレモニーを開催予定と発表しています。
そして、この発表を受けてネット上では、
- 楢崎から再び代表レギュラーを奪い返した時は、スゲェと思った。間違いなく日本代表チームの功労者だと思う。長い間、お疲れ様と言いたい。
- 高校サッカー選手権決勝、マイアミの奇跡、アジアカップの神セーブ。小さな体でたくさん記憶に残るプレーを見せてくれました。良く頑張りました!ありがとう!!!!
- オリンピックでロベカルのフリーキックを止めた時はまじで興奮した。ありがとうございました。
- 日本代表史上最高のGKは能活だと思う
- 安定感の楢崎、不安定ながらハマった時は神憑り的な動きをする川口。同じ年代に2人のタイプが違う守護神。監督の好みで正GK替わったけど個人的には川口の方が好きでしたね。あの神憑り的なセービングは観るものを虜にしたと思います。長年の現役生活お疲れ様でした。
- 日本歴代で最高のGKだと思う。GKとしては決して大きくない身体で抜群の飛び出しや反射神経を見せてくれた。
- 驚いた。まだまだできると思ってしまうが,それは本人しか分からない事だと思う。とにかく,能活がこれまで見せてくれた素晴らしいプレー,また試合に出られない時も見せてくれた凄まじい精神力に感謝したい。選手としてだけでなく,本当に尊敬できる人だと思っています。本当にありがとう。お疲れ様でした。
などと、これまでの素晴らしい活躍を称賛し、約25年にわたるプロサッカー人生を労(ねぎら)うコメントが数多く寄せられています。
川口能活選手はサッカーが盛んで「サッカー王国」とも言われる静岡県に生まれ、漫画『キャプテン翼』や兄のすすめで9歳からサッカーを始め、中学時代には3年連続で全国大会に出場、2年と3年の時には大会の優秀選手に選出されるなど、中学時代から頭角を現していました。
高校進学後も1年生からレギュラーとして試合に出場し、3年時に出場の国高校サッカー選手権ではキャプテンを務め、見事優勝を果たしました。
高校卒業後の1994年には『横浜F・マリノス』へ入団、U-23サッカー日本代表の正GKとしてアトランタ五輪予選に出場し、1995年からはそれまでマリノスの正GKで当時日本代表だった松永成立さんに変わり、川口能活選手が正GKの座に就き、同シーズンにマリノスはリーグ優勝を果たし、川口選手はJリーグ新人王を獲得しました。
<↓の画像は、川口能活選手がマリノス時代の写真>
(右は現・アビスパ福岡の井原正巳監督)
その後もクラブチームと日本代表で素晴らしい活躍を見せ、1998年のフランス・ワールドカップ(W杯)では正GKを務め、大会終了後は楢崎正剛選手(ならざき・せいごう 42歳)と共に代表の正GKの座を争いながら、2002年の日韓W杯、2006のドイツW杯、2010年の南アフリカW杯で代表メンバーに選出され、日本代表GKとしては歴代1位となる通算116試合に出場を果たしています。
<↓の画像は、フランスW杯で正GKを務めた川口能活選手の写真>
また、川口能活選手は日本人のGKとして初めて、ヨーロッパのクラブチームに渡った選手で、2001年に現在イングランドの3部リーグ(当時は2部)に属する『ポーツマスFC』へ移籍し、その後2003年にはデンマークのチーム『FCノアシェラン』へ移りました。
しかし、海外ではレギュラー争いに苦戦を強いられ、2005年にはJリーグの『ジュビロ磐田』へ移籍してレギュラーとなり、2013年まで在籍していました。
2014年にはJ2リーグの『FC岐阜』へ移籍しましたが、2015年には契約満了によって退団し、2016年に『SC相模原』へ移籍しており、昨年11月にJリーグ通算500試合出場(内訳:J1・421試合、J2・43試合、J3・36試合)を達成しています。
<↓の画像は、2016年に『SC相模原』へ移籍した川口能活選手の写真>
こうした活躍ぶりから、日本の守護神として真っ先に名前が挙がるのが川口能活選手で、素晴らしいセービングは何度も見ましたし、日本代表のキャプテンとしてチームを統率し、試合中には選手たちに檄を飛ばすなど熱い姿も印象に残っています。
そんな川口能活選手も今年で43歳となり、選手としてのピークはもうとっくに過ぎていて、プロとしてやるにも限界を迎えていることから引退を決意したのだろうと思いますが、現役引退と聞くと寂しい気持ちになりますね。
ちなみに、川口能活選手は10月に母校・清水桜が丘高校(旧清水市立商業高校)で講演を行い、現在所属する『SC相模原』で出場機会に恵まれていない現状を明かした上で、「自身で現役を続ける決断をした以上、厳しい現実から目を背けず、どこかに活路を見いだす努力を重ねる前向きな姿勢が大切と考えている」と話していました。
川口能活選手は現役引退後、果たしてどのような道に進むのかはまだ分かりませんが、引き続きサッカーに携わった活動をしながら、これまでの経験を是非とも後進の育成に活かしてほしいなと思いますね。
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