中田翔が現役引退、中日ドラゴンズが記者会見発表。持病の腰痛悪化で2軍落ちで決断、今後は指導者に?
1軍昇格からわずか5日後に、今シーズン2度目の2軍落ちしたプロ野球『中日ドラゴンズ』の中田翔選手(なかた・しょう 36歳)が、今シーズンをもって現役を引退することを球団が正式発表しました。
『中日スポーツ』などによれば、今シーズンは持病の腰痛が再発したことで調子が上がらず、2軍での調整が続いていた中で引退を決断し、今日午後に記者会見を行うとのことです。
『スポーツニッポン(スポニチ)』の取材によると、中田翔選手は周囲に、「自分の気持ちが、“みんな頑張れ”って思ってしまっている。先輩でも後輩でも同じポジションの選手でも“頑張れ”と思う自分がいる」
と話していたそうです。
今シーズンは、開幕から2ヶ月弱で腰痛を理由に2軍降格となり、7日に1軍昇格後は代打で3試合出場も3打数ノーヒットで、12日には再び2軍落ちし、その理由について井上一樹監督は「体調不良。2~3日は使える感じはないなと思ったから」と説明していました。
中田翔選手は『北海道日本ハムファイターズ』時代の2021年6月に急性腰痛を発症し、2軍で試合復帰後の取材では医師から「ヘルニア」と診断されたことを明かしたうえで、「やっぱり1軍でやりたいという気持ちもあれば、今(手術を)するべきでもないと思うし。今、本当にすごく考えている」「クリーニング(手術を)してもらったほうがいいのかなとも思う。痛みと付き合っていく方向性で考えているけど。半々だよね」
などと語っていました。
中田翔選手は手術を受けずに、体重を減らし腰への負担を軽減させることでプレーを続け、今シーズンも15キロの減量を行うも5月に1軍登録抹消となり、2軍戦では22試合出場で打率.293、2本塁打、9打点の成績を残すも、1軍では25試合出場で打率.161、2本塁打、4打点と低迷していました。
そして、中日ドラゴンズに移籍してからわずか2年で現役引退となりネット上では、
- 良いも悪いも記憶に残った選手 とにかくお疲れさま
- 間違いなく中日は戦力外にするだろうし、例え現役続行したとしても獲得する球団はないから引退は妥当だよな
- ドラゴンズは実に無駄金はたいただけだったね
- お疲れ様やで。よく頑張ったよ。これからは裏方として中日や日ハム、巨人に貢献して欲しいね。
- フィジカル、才能には恵まれているのに、その性格ゆえ清原と同様、超一流にはなれなかった選手だと思う。もう少し真面目さストイックさがあれば、もっと活躍出来ただけにもったいない。
- 色々な経験を次世代の選手に伝えて欲しい。いつの日か、エスコンで指揮を執る姿を見てみたい。
- ドラゴンズに来てから活躍こそできなかったが、面倒見が良く、ブライト選手は自主トレを共にして少しずつ成長してきている。
後輩想いで面倒見もいいから、いずれ指導者としていい選手をたくさん送り出してもらいたい。
などの声が上がっています。
中田翔選手は小学3年生の時に野球を始め、中学時代には『広島鯉城シニア』で投打のエースとして活躍し、投手として最速141kmをマーク、3年時には日本代表のエースで4番を務め、世界大会で準優勝しました。
その後、スカウトされて甲子園常連校・大阪桐蔭高校に進学し、1年時からレギュラーで活躍、夏の甲子園でベスト4入りに貢献し、その驚異的なパワーから“平成の怪物”と呼ばれるようになり、高校時代には通算87本のホームランを打ちました。
2007年のプロ野球ドラフト会議では4球団から1位指名を受け、交渉権を獲得した日ハムが契約金1億円、出来高払い5,000万円、年俸1,500万円で契約し、その後は2014・2016・2020年に打点王のタイトルを獲得、ベストナインとゴールデングラブ賞を各5回受賞し、2013・2017年の『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』で日本代表に選ばれました。
しかし、2021年にベンチ裏で後輩選手に暴力を振るっていたことが、被害を受けた選手からの申し出で発覚し、中田翔選手も全面的に非を認めたことによって球団から試合出場停止処分が下され、プロ入りから13年所属していた日ハムを離れ、『読売ジャイアンツ(巨人)』に無償トレード移籍しました。
その後は巨人での再起に燃え、2022年シーズンは109試合に出場し、打率.269、24本塁打、68打点の好成績を残し、2023年には史上45人目となる通算300本塁打を達成しましたが、再び腰の持病が悪化して戦線離脱となり、そして阿部慎之助監督の構想からも外れてレギュラー獲得は困難な状況となったことで、球団サイドと協議の末に3年契約を破棄して自由契約となりました。
こうして移籍から2年で巨人を離れ、中日と年俸3億円+出来高払いの2年契約を結びましたが、足の負傷や腰痛によって不安定な状態が続き、昨シーズンは62試合出場で打率.249、4本塁打、21打点の成績に終わりました。
今シーズンも腰痛によりコンディションが悪く、腰痛を抑えるために打ってきた注射も年々効かない状態になっていたといいます。
そして、1度目の2軍降格直後に中日スポーツの土屋善文記者に、「腰が駄目やったら、もう引退する。今の気持ちは6割そっち。ちょっと良くなっても去年はすぐぶり返したし。オカンにもそう言った」「完治はないから、どこかで踏ん切りをつけてやるしかない。らちが明かないし、シーズンが終わってしまう。やってもうできなくなったら、それはそれで仕方ない」「今年はやりたいように調整もやらせてもらって、この成績は正直キツい。腰も良くならない。これ以上チームに迷惑掛けるわけにはいかない」「正直、ここのところずっとキツかった。最後は野球を好きになって終わりたい」と本音を打ち明け、その後のリハビリ期間中にも「しがみついてまではやりたくない」
と語っていました。
それから1ヶ月後にようやく実践復帰し、2軍で好成績を残して1軍復帰するもすぐに登録抹消となっており、この時点で心が完全に折れたのだろうと思います。
引退に対して寂しさはありますが、近年の成績や年齢なども考慮すると、このタイミングでの引退は妥当な選択だと感じます。
気になる現役引退後についてですが、中田翔選手は後輩に対する暴力事件を起こした一方で、面倒見が良い選手としても知られているため、引退後は指導者としての活躍に期待する声も多く上がっています。
今日午後に行われる引退会見で、今後のことについても言及すると思いますが、引退後の活躍にも期待したいところです。
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- https://www.chunichi.co.jp/article/1116069
- https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2025/08/15/kiji/20250815s00001173046000c.html
- https://www.nikkansports.com/baseball/news/202107220000871.html