3月に現役引退を表明したメジャーリーグ『シアトル・マリナーズ』のイチローさん(本名=鈴木一朗 45歳)が、日本政府が授与する方向で検討していた「国民栄誉賞」を辞退していたことが判明し、大きな反響を呼んでいます。
5日に会見した菅義偉官房長官(すが・よしひで 70歳)によると、イチローさんの代理人を通じて内々に国民栄誉賞を打診したそうですが、イチローさんからの回答は「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」というものだったそうで、菅官房長官は「ご本人のお気持ちを尊重し、今般の現役引退に伴う検討を見送ることとしたところであります」と説明しました。
また、菅義偉官房長官はイチローさんについて、「イチロー選手はこれまでも多くの方に夢や希望を与え続けてきたスーパースターであり、国民の皆様とともに今後の活躍を楽しみにしていきたい」と語っています。
イチローさんが国民栄誉賞を辞退するのは今回で3度目となっており、1度目はメジャーリーグへ移籍した2001年に、日本人選手としては初となるMVPを獲得する活躍を見せたことにより、政府は国民栄誉賞を打診したのですが、イチローさんは「まだ若いので、できれば辞退したい。いただけるものなら、野球人生が終わったときにいただけるよう頑張りたい」と辞退しました。
2度目の打診は2004年で、イチローさんがメジャーリーグの歴代シーズン最多安打記録を更新したことを受けて、再び政府は国民栄誉賞の打診をしたのですが、イチローさんは「今の段階で国家から表彰を受けると、モチベーションが低下する」として受賞を辞退していました。
この時点で政府側は、「自分はまだまだ途上にあるということで、今後のさらなる飛躍への意志が強いようだ。決して将来にわたり国民栄誉賞がいらないとの意思ではない」と説明していました。
そして、イチローさんが現役引退を表明したことを受けて、3度目の正直として打診したものの、またしても辞退したことに対してネット上では、
- 3度も受賞を打診される事自体が凄いな。それを辞退するイチローも凄い。
- つまり野球人生が自分の人生と同じちゅう宣言なんやね
- まだまだワイの野球人生終わらへんで、って事なんやろ
- 政府からしたらイチロー国民栄誉賞で華々しく令和をスタートしたかったやろな
- やっぱり政治利用だよな。令和で最初の受賞者をイチローにしたかったんだわ
- 勿体無い気もするけど、イチローらしくて良いね。イチローの凄さは国民が良く知ってる。政治利用の国民栄誉賞よりもそれで良いと思う。
- 国民栄誉賞では格が足りない
- イチローにはそんな野暮ったい肩書はいらんだろ。30年後にもう1回打診して見ろよ
- 松井は長嶋使って断れなくしたからな。イチローも誰かとセットにして包囲しろ
- さすがイチロー。ますます好きになった。栄誉賞なんて形はもはや必要ないくらいスーパースターだからね。
それよりイチローが次に野球界で何をするのかのほうが興味がある。
などのコメントが寄せられています。
国民栄誉賞というのはそもそも、元プロ野球選手で『福岡ソフトバンクホークス』の会長・王貞治さんが達成したホームランの世界記録を称えるため、1977年に当時の首相・福田赳夫さんが創設した内閣総理大臣表彰の1つで、王さんが受賞して以降、これまでに26人と1団体が受賞しており、昨年は将棋棋士の羽生善治さん、囲碁棋士の井山裕太さん、フィギュアスケートの羽生結弦選手が受賞しました。
野球選手では過去に、王貞治さんの他に衣笠祥雄さん、長嶋茂雄さん、松井秀喜さんが受賞しているのですが、1983年に当時世界記録となる盗塁数をマークした元プロ野球選手・福本豊さんは国民栄誉賞の打診があったものの、「国民の手本にはならへん、無理や」「(酔っ払って)立ちションベンもできんようになるがな」と思い、受賞を辞退したと明かしています。
こうした受賞辞退の例はあるのですが、複数回受賞を断っているのはイチローさんのみです。
これに対して様々な意見がありますが、これもイチローさんならではのこだわりなのか、国民栄誉賞を受賞することに対して全く興味が無いのかは定かではないものの、イチローさんらしさを感じますね。
イチローさんは今回、「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」と答えたとのことですが、現役を引退し今後の第2の人生ではどういった活動をしていくのか現時点では不明ながら、これからも野球関連の活動で活躍する姿を見せてほしいです。