V6・岡田准一さん主演の映画『エヴェレスト 神々の山嶺』(平山秀幸監督)が12日から公開となったのですが、大コケしていると話題になっているようです。
12・13日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)が14日に発表され、人気のアニメ映画『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が2週連続1位を獲得し、動員数は41万5173人、興行収入は4億8542万3800円に達し、現時点での累計動員数は107万人を突破。
第2位にはピクサー制作のアニメ映画『アーロと少年』がランクイン。
初登場2位スタートとなり、全国380スクリーンの公開で動員数は19万1696人、興行収入2億3705万500円で、これは昨年7月に公開され最終興行収入が40.4億円を記録したピクサー制作のアニメ映画『インサイド・ヘッド』のオープニング興行収入と比べ、58.4%と微妙な結果となっています。
そして、初登場3位となったのが岡田さんが主演の『エヴェレスト 神々の山嶺』で、日本映画史上初めて実際のエヴェレストで撮影を敢行したスペクタクル映画となっており、期待度も高かったのですが、全国322スクリーンと大規模公開ながら、初週2日間の動員数は16万5220人、興行収入は2億949万1800円という成績。
中高年層をメインターゲットに、当面の目標は15億円あたりが見込まれるとされているのですが、この結果に対してネット上では、「大規模公開で、この数字は大爆死」「あんな超大作が初登場3位とか」「最終興収15億円も厳しいんじゃ」という声が上がっています。
『エヴェレスト 神々の山嶺』は、ネパールの世界最高峰の山「エヴェレスト(8848m)」の標高5200m級で撮影が行われ、これは日本映画史上最高の標高で総製作費は15億円とも言われている超大作となっており、高秀蘭プロデューサーは「興収60億円を目指す」と豪語していたものの、この調子では大赤字の可能性も出てきました。
主演を務めている岡田さんは、昨年の『第38回日本アカデミー賞』において、『永遠の0』で最優秀主演男優賞、『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞をダブル受賞するなど、俳優として高く評価されており、さらに岡田さんの他にも阿部寛さん、尾野真千子さん、佐々木蔵之介さんといった日本アカデミー賞俳優が出演。
また、映画の原作である小説家・夢枕獏さんによる同名小説は、全世界で100万部以上の売り上げを記録している大ベストセラー作品で、雑誌『ビジネスジャンプ』では約3年間にわたって漫画が連載されている人気作品ということから、ここまでの大コケは誰も予想していなかったはず。
なぜこのような結果となってしまったのか気になるところですが、映画のレビューサイトを見てみると、まず原作の改編に疑問を持つ人が多いようで、それによって酷評が目立ち、原作は長編大作ということから2時間ほどにまとめるのが難しかったこともあり、「登場人物同士の絡みが全然ない」、「人の描き方が薄っぺらい」、「適当にセリフを並べてつなぎ合わせただけ」といった批判が寄せられ、そのため作品のテーマとなっている“なぜ山に登るのか?”に対する答えが全然分らなかったという声も上がっています。
さらに、スポンサーとなっていた日本のアウトドアメーカー「mont-bell(モンベル)」の衣装を出演者が皆着用していたことに違和感を抱いた方もおり、「全身モンベルでエヴェレストに挑むのは不自然すぎる」「モンベルのあまりのスポンサー感に笑った」「ロゴは常に映せって、いわれてんだろうか」といった指摘も。
その他にも、背景にCGが使われていたことも不評で、「せっかくエヴェレストで撮影したのに、これでは映像が台無し」、「CGのせいで安っぽくなってる」、「何のために現地で撮影したんだか……」といった批判が出ており、「ストーリーも破綻していれば、映像も大したことない。2016年のワースト映画」とまで酷評されてしまっています。
映画のレビューサイト「Yahoo!映画」では、今作の評価は16日22時時点で5点満点中【2.96点】と低評価で、原作のファンからは痛烈に批判されており、「もはやコメディ映画」とまで酷評されています。
ちなみに、昨年公開され大コケした実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の同サイトでの平均点は【2.26点】、三谷幸喜監督、香取慎吾さん主演の『ギャラクシー街道』は【1.93点】となっています。
かなり酷評されてしまっている『エヴェレスト 神々の山嶺』ですが、批判の多くは脚本や演出に対するもので、その一方で出演者の演技を高く評価する声は上がっており、阿部さんの演技はすさまじい迫力で、岡田さんの迫真の演技に泣いたなどと絶賛するコメントが寄せられているのですが、制作費15億円もかけて、まさかこのような酷いスタートになってしまうとは思いもせず、観客だけでなく制作陣、出演者も肩を落としているでしょうね。
公開からまだ数日しか経っていないため、これからどこまで数字を伸ばすことが出来るのかに注目したいところですが、果たして最終の興行収入は15億円に届くのでしょうか…。