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今年下半期の芥川龍之介賞・直木三十五賞ノミネート作発表。クリープハイプ尾崎世界観や加藤シゲアキが候補、ピース又吉直樹に続くか

NEWS加藤シゲアキの小説『オルタネート』直木賞候補選出に賛否両論。ジャニーズ初、作家でも活躍し快挙なるか

『第164回 芥川龍之介賞・直木三十五賞』(日本文学振興会主催)の候補作品が発表され、ジャニーズの3人組グループ『NEWS』のメンバー・加藤シゲアキさん(旧芸名・本名=加藤成亮 33歳)の長編小説『オルタネート』が、直木賞の候補作品に選出されたことが発表され反響を呼んでいます。

加藤シゲアキさんが執筆の『オルタネート』は、月刊小説誌『小説新潮』で昨年12月から今年8月にかけて連載された作品で、高校生限定マッチングアプリ『オルタネート』を巡る3人の高校生の物語を描いた内容となっています。

1999年4月にジャニーズ事務所へ入所し、20年以上にわたってアイドルとして活動している加藤シゲアキさんは、青山学院中等部・高等部を経て2010年3月に青山学院大学法学部を卒業し、「“ジャニーズっぽい”ことをして誰かの二番煎じになるのであれば、自分にしかできないことをやろう」と考え、幼少期から文章の読み書きが好きで、周りからも文章を褒められていたことで小説を書き始め、2012年に出版した『ピンクとグレー』(2016年に映画化)で小説家デビューを果たしました。

その後も2013年に『閃光スクランブル』、2014年に『Burn. ―バーン―』、2015年に短編集『傘をもたない蟻たちは』(2016年にドラマ化)、2017年に『チュベローズで待ってる【AGE22・AGE32】』、今年11月に直木賞候補となった『オルタネート』を出版しました。

アイドルと小説家の二足のわらじを履き、活躍している加藤シゲアキさんは『オルタネート』が直木賞候補作となったことに対して会見で、「ビックリしました。やっぱり、作家にとって憧れの賞です。もちろん、いつかは候補になってみたいと思っていましたが、今作でなれるとは思っていなかったので、本当にビックリっていう感じです。」と心境を明かしています。

<↓の画像が、直木賞ノミネート会見に出席した加藤シゲアキさんの写真>

作家として表現すると?と問われると、「僕はコロナにかかって外出できない状態で、(ノミネートの連絡を受けたのはPCR検査で)1度目の陰性が出たタイミングでした。体調としては万全でしたが、仕事の目途が立たなかったり、迷惑をかけてしまったと感じる日々に少し気落ちしていた部分もあって、そこからこの候補の報せだったので、なんて言うんでしょう……。フットボールアワーの後藤(輝基)さん風に言うと、『高低差ありすぎて耳キーンとする!』。本当にキーンとしました、何これ?という感じでした。」と語っています。

また、『オルタネート』はなぜ直木賞候補に選出されたと思う?との問いには「全くわかりません(笑)」と答え、「自分では本当に運がよかったと受け止めるようにしています。(中略)ずっとノミネートされている作家さんもいますし、『この方が獲られないんだ』といつも思うので、その方たちに並んだとは思っていませんが……。うーん、そうですね。ある程度の部分は認めていただいたのかなとは思っています。」としています。

いつから賞を獲りたいと思っていた?との問いには、「ずっと思っていました。それは、賞が欲しいということではなく、普通の作家は、新人賞を獲ってから作家になるのが通例ですが、自分はデビュー作の『ピンクとグレー』から書かせてもらっていて、それはジャニーズ事務所のタレントだからという立場で本を出させてもらっている。そうした引け目というか、文学界、小説界にお邪魔しているという感覚があったので、ちゃんと作家と名乗っていいのかという迷いがずっとありました。直木賞候補となったことで、多少認めていただけたのかなと思っています。」と語っています。

今年下半期の『芥川龍之介賞・直木三十五賞』の選考会は1月20日に行われ、受賞作の発表となり、以下がそれぞれの候補作品となっています。

【直木三十五賞 候補作品名・作者】

『オルタネート』(新潮社):加藤シゲアキ

『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋):芦沢央(あしざわ・よう)

『八月の銀の雪』(新潮社):伊与原新(いよはら・しん)

『心(うら)淋し川』(集英社):西條奈加(さいじょう・なか)

『インビジブル』(文藝春秋):坂上泉(さかがみ・いずみ)

『アンダードッグス』(KADOKAWA):長浦京(ながうら・きょう)

【芥川龍之介賞 候補作品名・作者】

『推し、燃ゆ』(文藝・秋季号):宇佐見りん(うさみ・りん)

『母影(おもかげ)』(新潮・12月号):クリープハイプ・尾崎世界観(おざき・せかいかん)

『コンジュジ』(すばる・11月号):木崎みつ子(きざき・みつこ)

『小隊』(文學界・9月号):砂川文次(すなかわ・ぶんじ)

『旅する練習』(群像・12月号):乗代雄介(のりしろ・ゆうすけ)

そして、加藤シゲアキさんの小説『オルタネート』が、直木賞候補になったことに対してネット上では、

などの声が上がっています。

加藤シゲアキさんの『オルタネート』が候補作に選出された直木賞は、1935年に芥川賞と共に『文藝春秋』が創設した大衆小説作品に与えられる文学賞で、芥川賞は無名もしくは新人作家による純文学小説に与えられる賞ですが、直木賞はキャリアに関係なく選ばれます。

過去10年に直木賞を受賞した主な作品は、池井戸潤さんの『下町ロケット』、葉室麟さんの『蜩ノ記』、朝井リョウさんの『何者』、桜木紫乃さんの『ホテルローヤル』、西加奈子さんの『サラバ!』、黒川博行さんの『破門』、島本理生さんの『ファーストラヴ』などで、今年上半期には馳星周さんの『少年と犬』が直木賞を受賞しています。

2017年下半期には、4人組バンド『SEKAI NO OWARI』のメンバー・Saoriさんの小説『ふたご』が直木賞の候補作となり、大きな話題になりましたが受賞を逃し、ピース・又吉直樹さんは2015年上半期に『火花』で芥川賞を受賞しました。

芥川賞・直木賞と共に選考を巡っては毎年のように物議を醸しており、出版業界の不況などもあって出版社側が売り込みたい作品を候補に入れ、話題作りに利用しているなどの指摘もありますが、加藤シゲアキさんの『オルタネート』は選考委員会にどのような批評をされ、直木賞受賞となるのかどうか注目したいですね。

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