ジャニー喜多川さんの性加害問題を巡り、ジャニーズ事務所が7日に記者会見を行って以降、これまでジャニーズタレントをCMなどに起用していたスポンサー企業が一斉に、契約満了をもって契約更新しない方針を表明し、この対応を巡って物議を醸しています。
ミュージシャン・俳優のGACKTさんはX(旧・ツイッター)でこの件について持論を展開しており、ネット上で大きな反響を呼んでいます。
現時点でジャニーズタレントとの契約終了などを発表している企業は、『キリンホールディングス』、『アサヒグループホールディングス』、『東京海上日動火災保険』、『日本航空(JAL)』で、この他の企業に関してはジャニーズ事務所の今後の対応を確認した上で、対応を検討するなどと説明しています。
ジャニーズ事務所が広告契約を結んでいる企業は100社以上あるといい、今後もジャニーズ離れが進めば事務所の存続が危ぶまれます。
そうした中でGACKTさんはXを更新し、「各大手企業がこぞってジャニーズ事務所とのCMを打ち切るとか、検討するとかやってるが、そんな問題や噂は昔からどこの企業もスポンサーも広告代理店も耳にしていたはず、むしろ知ってたはず。」
と、スポンサー企業も性加害を把握しながらタレントと契約を結んでいたと指摘しています。
その上で、「アーティスト個人が何かやらかしてCMを打ち切るのはまだわかる。今回それぞれのアーティストは関係ない、というよりむしろ被害者。その彼らとのCM を打ち切るのはそもそもおかしいし不気味でしかない。それこそ、その企業のイメージダウンに繋がるんじゃないのか?」
と、スポンサー企業の対応に疑問を呈しています。
続けて、「今までそのアーティストやタレントを顔にして散々やってきたのに、ただの【乗っかりコンプライアンス】で起用をやめるとか。コンプライアンスという言葉を使ってるが、結局、乗っかってるだけで何も考えてない。」
と対応を非難しています。
スポンサー企業の一斉撤退により、「彼らを応援するファンの気持ちを全く理解してない」ことが露見したとし、「多くのファンにとって、そんな【乗っかりコンプライアンス】企業に対しては不愉快でしかないだろう 【ファン】の愛情を軽視しすぎ そんな企業はあとで必ず大きくそのツケが回ってくる 今回の対応は気持ち悪いの一言に尽きる この日本の乗っかり風潮がマジで不気味すぎる、まったく。」
と持論を展開しています。
これに対してネット上では、
- GACKTさんが言う通り不気味
- 言いたい事はわかる。気持ち悪い
- 噂だけではなくある程度の事実関係は知ってた筈で、少なくともBBCの報道が出た時に対応すべきだった。
所属タレントにとっては二次被害になってしまうのが残念 - こんな凄い手のひら返し見たことない。所属しているタレント達はこれでさらに傷が深くなるしファンの気持ちは…
- 不買運動まではしないけれど、【乗っかりコンプライアンス】をしている企業の商品を見ると悲しくなって、購入を控えてしまうだろうな
などと賛同の声が上がっています。
その一方で、
- 企業もコンプライアンスを重んじた経営をしている以上は仕方がない
- スポンサーはイメージが全て。事務所のタレントに罪はないとか、甘いことは言ってられない
- 各企業はタレント個人と個別に契約している訳でなく、あくまでジャニーズ事務所との契約だと思う。だとしたら、見直しは当然
- 木村拓哉も発言が残念だったけど、この人も芸能界しか知らない人なんだなぁと感じさせる。
ジャニーズという会社のタレントだから契約しているのだから、会社に不祥事があれば改めるのが当たり前。社会とはそういうもの。 - 児童への性虐待を甘く見すぎ。しかも「そんな企業はあとで必ず大きくそのツケが回ってくる」って、何十年も見て見ぬふりしてきたジャニーズ事務所に、今大きなツケが回ってきてんだよ
といった疑問の声も上がっており、賛否両論となっています。
スポンサー企業の一斉離れに対しては、タレントのデーブ・スペクターさん、ウーマンラッシュアワー・村本大輔さん等も疑問を呈しており、“降板ドミノ”に対してジャニーズイジメのように見えるとして対応を非難しています。
ジャニー喜多川さんの性加害問題は、約60年前から断続的に表沙汰になっていて、世間一般にも問題が知れ渡っていたのは事実で、2003年には東京高等裁判所が性的虐待行為は真実であると認定しました。
それにも関わらず、各テレビ局や新聞などは忖度してこの判決を大々的に報じることなく、ほとんどのメディアは性加害が認められたことをスルー、各スポンサー企業も見て見ぬふりをしていたので、今回大事になったことで対応に動くのはどうなのかと思う部分もあります。
ただ、20年前に性加害を認める判決が出た時とは違って、イギリスの公共放送局『BBC(英国放送協会)』が特集を組んで改めて性加害問題を世界に発信し、国連まで動く大騒動に発展しており、そしてジャニーズ事務所が初めて性加害は事実と認め、現時点では社名や代表取締役を変えないという選択もしているので、大手企業が対応に動くのは至極当然のことだと思います。
GACKTさんはジャニーズタレントも被害者であるとして、広告契約の終了はおかしいと訴えていますが、各企業はタレント個人ではなくジャニーズ事務所と広告契約を結んでいて、それによって退所者はCM契約も終了となっています。
最近では元『King & Prince』の平野紫耀さんが、昨年7月からCMに出演していた『P&G ファブリーズ』の広告契約が終了、後任には『なにわ男子』の道枝駿佑さんが即起用されていることからも明らかで、事務所と契約を結んでいる以上は、こうした対応にならざるを得ないと思います。
これまでスポンサー企業は、ジャニーズタレントという部分を評価して契約を結んでいましたが、ジャニーズブランドに大きな傷が付いて崩壊寸前の状態にあるので、多くのタレントに罪はないものの、今後もしばらくスポンサー離れが続く可能性は高いでしょうね。