『なにわ男子』の道枝駿佑さん(みちえだ・しゅんすけ 19歳)が主演の『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系 日曜22時30分)が24日からスタートし、5月1日に第2話が放送予定だったものの、23日に北海道・知床半島沖で発生した知床観光船沈没事故を受けて、放送を1週間延期することが先日発表され、この対応を巡ってネット上では賛否両論となっています。
知床観光船沈没事故では、乗員・乗客合わせて26人が観光船『KAZU Ⅰ』の沈没事故で行方不明となり、事故発生から6日が経った現時点で14人が発見されていますが、いずれも死亡が確認されており、29日午前には水深120メートル付近で沈んだ船が発見されました。
この海難事故を受けて日本テレビは27日に、5月1日に放送予定だった第2話「聖恋島殺人事件」の放送を1週間延期することを発表し、その理由については「海に囲まれた孤島で起きた殺人事件が題材となっているため」とし、5月に1日には、KinKi Kids・堂本剛さん主演『金田一少年の事件簿 第2シリーズ』の第1話「悪魔組曲殺人事件」(1996年7月放送)を再編集して放送するとしています。
<↓の画像は、 放送延期となった第2話「聖恋島殺人事件」出演者の写真>
この発表を受けてネット上では、「賢明な判断」として対応を評価する声が上がる一方、「過剰な配慮」として否定的な声も上がるなど賛否両論となっているのですが、ニュースサイト『サイゾーウーマン』は日本テレビの判断に対して、テレビ局関係者からは「ごく自然な流れ」「仕方ない」との声が上がっているとしています。
その理由についてキー局関係者は、「放送中、SNSなどで『不謹慎なのになぜオンエアしたのか?』などと批判的な声があまりにも多くなると、今後、そのエピソードはネット配信やDVD化の際に“お蔵入り”となってもおかしくないだけに、今回の日本テレビの判断は妥当だと思います」
と語っています。
また、「過去にも大規模災害や事件などの影響から、ドラマの放送内容を差し替えるというケースはありましたが、局の保身やスポンサー配慮以上に、出演者側へのバッシングを回避するためという理由が大きかったと思います。」
と明かしています。
続けて、「ドラマは近年、再びテレビ局のドル箱コンテンツになっており、他局でも放送枠を増設している。ただ、それは本放送の広告料に加えて、ネット配信やDVD販売による売り上げを見越しているから。むしろ『見たい人だけが見る』仕組みといえる後者のほうが重視されるようになっていて、本放送が当たり障りのない方向に向かっていくのは、もはや自然な流れ。総合的に考えると、今回の放送延期はやむを得ません」
としています。
ドラマ版『金田一少年の事件簿』シリーズは堂本剛さんから始まり、道枝駿佑さんで5代目となりますが、第2・3話の2週にわたって放送予定の「聖恋島殺人事件」はドラマ化されるのは今回が初で、原作ファンの間でも注目を集めていました。
「聖恋島殺人事件」では、登場人物が海に引きずり込まれて溺死するシーンがあるため、様々な批判や出演者への影響などを懸念して配慮するのも多少理解できますが、1週間だけの延期なら、予定通り放送してもよかったのではと正直思いますね。
2016年には、元『TOKIO』の長瀬智也さんと神木隆之介さんがW主演した映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の公開前に、長野・軽井沢でスキーバス転落事故が発生し、この作品にもバスが崖から転落して乗客全員が死亡するシーンがあったため、公開を5ヶ月延期しています。
2013年には松坂桃李さんと杏さんが共演のスペシャルドラマ『リバース〜警視庁捜査一課チームZ〜』(日本テレビ系)が、「この時期に放送するにはふさわしくない内容が含まれていたため」との理由で2ヶ月以上放送延期となりました。
日本テレビ側は詳細を明らかにしていませんが、このドラマでは爆弾を使った連続企業恐喝事件を描いていて、放送直前に発生したアルジェリア人質事件を想起させる恐れがあると判断し、放送延期になったとみられています。
この他にもこれまでにアニメも含めて、ある事件や事故を想起させるシーンがあるとして、放送延期や問題シーンのカット、最悪の場合は放送中止といった対応が取られていますが、過剰な配慮で作品に悪影響を及ぼすことがないようにしてほしいですね。