最新の映画動員数ランキングが発表され、特撮ファン等の間で“酷評祭り”となっている『大怪獣のあとしまつ』(三木聡監督・脚本)が初登場3位にランクインし、初登場作品では興行1位の好スタートを切っていることが明らかになりました。
『興行通信社』が発表した2月5・6日の全国週末興行成績によれば、1位はアニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0(ゼロ)』(公開7週 公開館数379館 ※ファーストラン時点)で観客動員数は26.3万人、興行収入は4.19億円を記録し、3週連続での1位となり、累計動員数は760万人、興行収入は104億円超えとなっています。
2位は3週連続で長澤まさみさん主演『コンフィデンスマンJP 英雄編』(4週・352館)がランクインし、観客動員数は8.9万人、興行収入は1.3億円をあげ、累計動員数は143万人超え、興行収入は20億円到達が目前となっています。
3位は『Hey! Say! JUMP』の山田涼介さん主演『大怪獣のあとしまつ』(1週・367館)が初登場し、土日2日間の観客動員数は8.8万人、興行収入は1.22億円をあげ、公開初日から3日間の動員数は12万4,524人、興行収入は1億7,068万4,310円で、10億円超えも見込める好スタートを切っています。
山田涼介さんが主演し、土屋太鳳さんがヒロインを務める『大怪獣のあとしまつ』は、国内大手の配給会社『松竹』と『東映』が初めてタッグを組んだ特撮エンターテインメント映画で、オダギリジョーさん主演ドラマ『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)などを手掛けた三木聡監督が脚本も担当し、特撮映画ではほとんど描かれることがない怪獣の死骸処理にスポットライトを当てた作品となっています。
出演者はメインの2人の他に、濱田岳さん、眞島秀和さん、ふせえりさん、六角精児さん、MEGUMIさん、岩松了さん、田中要次さん、銀粉蝶さん、嶋田久作さん、笹野高史さん、二階堂ふみさん、染谷将太さん、菊地凛子さん、オダギリジョーさん、西田敏行さん、浅野忠信さんとCHARAさんの長女・SUMIREさん等が出演しており、豪華俳優陣が顔を揃えています。
邦画史上最大という大怪獣の造形は、『平成ゴジラ』シリーズや『ウルトラマン』シリーズ等の怪獣造形で有名な若狭新一さんが担当しており、ジャニーズファンだけでなく多くの特撮ファンの間で注目を集め、公開初日には関連ワードが続々とSNSのトレンド上位にランクインしていました。
そして、公開初週の興行成績は初登場作品の中ではトップとなっていたのですが、この結果に対してネット上では、
- 究極のB級作品を作ろうとして、ダダ滑りしている作品です。コロナ禍で映画製作が大変な時だからこそ、もうちょっとなんとかならんかったかな、、という感想
- 『大怪獣のあとしまつ』は、「デビルマンより酷い」と口コミが広がっているので興味があります。どのぐらい酷いか実際に見て確認したい。
- ネットでの悪評がかえって「恐いもの見たさ」で良い宣伝になったのかな??ネットの悪評から見ない人達も多いけど、私は来週あたり見てみる
- 大怪獣のあとしまつとゴーストバスターズを二本続けて見てきた。どちらも払った金額以上の物を与えてくれるよ。
- 攻めた風刺や意図がわかる演出もあったけど、ひたすらギャグが寒かったし、ストーリーがはちゃめちゃでとにかく退屈だった
ただ、役者さん達の演技が素晴らしい人が多いという点では、デビルマンの域には遠く及ばないよwあんなもの、そうそう出てくるもんじゃないし、出て欲しくもない - あれだけ面白くないと酷評されてたら今週は行くのやめる人多いだろうな。2週目から一気に下がって10億行かんかもな。レンタルすぐになりそうやし。
などの声が上がっています。
『大怪獣のあとしまつ』は大きな期待を見事に裏切る駄作だと酷評されており、映画のレビューサイトで評価を見てみると、『Yahoo!映画』では平均点数が【2.1点/5点満点中】、『映画.com』で【2.2点/同】、『Filmarks』は【2.3点/同】と軒並み低い点数がつけられており、寄せられているレビューを見てみると、「予告編がクライマックス」「どうしようもない超々大駄作!不快感満載!の地雷映画」「観客をナメた作品」などと辛辣なコメントが殺到し、“酷評祭り”となっています。
また、ツイッター上では「令和のデビルマン」というワードがトレンド1位になっており、2004年に公開された実写版『デビルマン』と同レベルの酷さだと指摘されています。
漫画家・永井豪さんの人気漫画『デビルマン』は2004年に、「原作漫画の完全実写映画化」として製作費10億円をかけて製作されたものの、主演を務めた元『FRAME』の伊崎央登さんと伊崎右典さんは当時演技経験がほとんどなく、そうした出演者が少なくなかったことで演技が学芸会レベルとされ、ストーリーも原作のエピソードを無理やり詰め込み、重要な場面がカットされていたことで意味不明な展開になっているなど、出来があまりにも酷かったことで酷評の嵐となり、最終興行収入は5億円となっていました。
そんな『デビルマン』と同列に並べられるほど、『大怪獣のあとしまつ』は酷い仕上がりだと言われているのですが、ネット上でのそうした酷評も作品の宣伝に繋がっており、世間で言われるほど酷くなかった、個人的には楽しめたという声もあります。
公開初日から酷評されながらも順調に興行成績を伸ばし、10億円も見込める好スタートを切ったとされているのですが、公開2週目も勢いを落とすこと無く、1億円以上の興行収入を得られるのか見ものですね。