元SMAPで『新しい地図』の草彅剛さん(くさなぎ・つよし 45歳)が、映画『ミッドナイトスワン』(内田英治監督 公開日未定)で主演し、トランスジェンダーの主人公を演じることが明らかになりました。
『ミッドナイトスワン』は、動画配信サービス『ネットフリックス』で今年大ヒットした山田孝之さん主演ドラマ『全裸監督』を手掛けた内田英治監督のオリジナル脚本で、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の主人公・凪沙(なぎさ)が、親から愛を注がれずに育った少女・一果(いちか)と出会い、この出会いがきっかけで母性を自覚していき…という美しくも切ない疑似母子のラブストーリーを描いた内容となっています。
<↓の画像が、映画『ミッドナイトスワン』でトランスジェンダー役に挑戦する草彅剛さんの写真>
ストーリーのあらすじは、故郷・広島を離れて東京・新宿で生きることを決断したトランスジェンダーの凪沙が、崩壊してしまいそうな自己を自分自身で支えながら、同じく1人で行きていくしかない仲間たちと共に、新宿のショーパブでダンサーとしてステージに立つ日々を過ごしています。
そんなある日、育児放棄された親戚の娘・一果を預かることになり、最初は理解し合えなかった2人でしたが、凪沙が一果の苦悩を正面から受け止めていく中で、これまで感じたことがない初めての感情が芽生え、同じように孤独の中で生きてきた一果との出会いによって実感した母性を自覚していき、一果への母性を純化させるために尊い決断を下します。
主演を務める草彅剛さんは、トランスジェンダーという難しい役どころを演じるにあたっての取り組みについて、「難しい役なのですが、凪沙の気持ちというのは少なからず誰しも生きている人間ならばわかるもの、作品として訴えかける力があっていいなと思います。“変えられない運命”、“逃れられない運命”の悲しみ、切なさといったものを人は誰しも抱えていると思う。それを作品のなかで表現できたらと思いました。」
とコメントしています。
また、『ミッドナイトスワン』の台本を読んでの感想については、「人の愛、エネルギーにすごくあふれていて国境や性別などを超える力があって、皆さんに楽しんでいただけると思います。台本を読んだ時、とても感動し涙がとまらなかった。その時の気持ちを作品としてみせられたら。今までで一番大挑戦の役なので、ここでまた新しい作品の力やお芝居の力に目覚めることができたらいいなと思います。」
と語っています。
草彅剛さんを主演に起用した理由について内田英治監督は、「5年ぐらい前に少女とトランスジェンダーの疑似親子の物語をつくりたいと思いオリジナル脚本として書きましたが、題材の難しさもあり、この5年間なかなか表に出せなかった。内面的な演技が要求されるこの難しい役を演じるのは、誰もが知っている方でないと意味がないと思っていたところ、草彅さんが演じていただけるということで本当にうれしく思います。」
と明かしています。
『ミッドナイトスワン』は10月下旬にクランクインし、東京都内や関東近郊を中心に撮影が行われているといい、クランクアップは11月下旬を予定しています。
現時点で映画公開日は未定とのことですが、『木下グループ』傘下の『キノフィルムズ』が配給することが発表されています。
そして、草彅剛さんがトランスジェンダー役を演じる『ミッドナイトスワン』の制作発表に対してネット上では、
- 正に新境地、新しい地図広げまくっていますね。演技が上手な草なぎさんですから期待大!
- またスゴい役ですね。おそらくなんでもはまってしまう剛だけに女性役でも大丈夫でしょう。楽しみです
- 以前に比べ、今はかなり、理解が得られるようになったとはいえ、まだまだ、言えずに悩んでいらっしゃる方もいると思う。
そんな中、SMAPの草なぎさんが演じられることで、とても意味深い映画になるのではないかと思う。
とても難しい役で大変だと思うが、草なぎさんなら内面的な心の揺れ動きまで、見事に演じる力があるから、期待できると思う。公開が待ち遠しいです! - もともと「いいひと」が定番だったところから任侠ものやクズ人間に幅を広げ、今度はトランスジェンダー役。
憑依型といわれる草なぎさんだけにどんな風に演じられるのか楽しみにしています。 - 非常に優しいセリフの語り方とか、なんか非常にトランスジェンダー役がハマりそう。
しかも育児放棄にあう少女との母子となると、泣ける作品になりそう。非常に楽しみです - これは楽しみ。ここ数年でLGBTと言う概念が一気に広まった気がするけど、あくまでカルチャーではなく、自分たちの周りに普通に生きている人たちだと理解してもらえるまではもう少し時間がかかりそう。
そこにSMAPという日本のカルチャーど真ん中にいたグループのメンバーが出演することで、どんな注目度を集めるのかどんな理解につながるのか楽しみだったりする。
最近だと生田斗真くんのトランスジェンダー役がかなり良かったので、期待したい。
などのコメントが寄せられています。
知名度が高く、俳優としての評価も高い草彅剛さんが『ミッドナイトスワン』で主演を務めることによって、LGBTや人種などの多種多様な多様性への理解が叫ばれている現在、トランスジェンダーとはどういったものなのかを知る大きなきっかけになりそうですね。
草彅剛さんの後輩で、俳優として活躍しているジャニーズの生田斗真さんも、2017年2月公開の映画『彼らが本気で編むときは、』でトランスジェンダーの主人公を演じており、この作品は『第67回ベルリン国際映画祭』にも出品され、日本映画で初めてテディ審査員特別賞と観客賞をダブル受賞するなど高い評価を受けていました。
草彅剛さんはジャニーズ事務所を退所後、テレビドラマへの出演は無くなってしまいましたが、今年公開の『まく子』や『台風家族』といった映画、他にも複数の舞台に出演するなど役者としての活躍を続け、演技の幅も広く様々な役柄に挑戦してきた方なので、『ミッドナイトスワン』でもトランスジェンダーの主人公を見事に演じきった姿を見せてくれることに期待したいですね。