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田口淳之介の芸能界復帰に影響あり? 麻薬取締部が捜査映像提供で騒動発展、警察24時系番組にも影響?

田口淳之介&小嶺麗奈の逮捕映像流出問題の裏側。フジテレビで放送予定もお蔵入り、マトリと密接関係で横流しも…

大麻所持で逮捕、起訴された元KAT-TUN・田口淳之介被告と恋人も元女優・小嶺麗奈被告に対して、懲役6ヶ月・執行猶予2年の有罪判決が10月21日に言い渡されましたが、2人の事件が思わぬ展開を迎えています。

2人の初公判は7月11日に開かれ、当初は7月30日に判決公判を行う予定だったのですが、検察側が延期を請求したことによって、3ヶ月遅れの10月21日に判決公判が開かれました。

裁判の延期を求めた理由について検察側は、「捜索時の映像が外部に提供されていて、押収物などの証拠能力を改めて吟味したため延期した」と説明しました。

2人を逮捕した厚生労働省管轄の関東信越厚生局麻薬取締部(通称:麻取、マトリ)は、家宅捜索した際の様子を撮影しており、テーブルの上に置かれた大麻や手錠をかける様子も撮影していたそうなのですが、マトリはその映像をテレビ番組制作会社に提供していたといいます。

各報道によれば、麻薬取締官らは今年5月に東京都内で2人に職務質問を行い、世田谷区内にある自宅マンションを捜索、手錠をかけるまでの約2時間にわたってその様子を撮影し、捜索方法が裁判で問題視された時のために麻薬取締官が撮影を行ったそうです。

その映像をテレビ制作会社に横流しした理由についてマトリは、「広報活動の一環だった」と説明しているのですが、小嶺麗奈被告の弁護人・望月宣武弁護士は判決公判が行われた10月21日に、「取締部の担当課長らの国家公務員法違反(守秘義務違反)により、東京地検特捜部に刑事告発いたしました。」と発表し、「放送されていないものの、差し押さえ時の映像が第三者に提供されたことで2人のプライバシーが侵害された。また結果として、被告という不安定な立場に3ヶ月長く置かれるなどし、精神的苦痛を受けた」と訴えています。
なお、この刑事告発は2人の意向ではないといいます。

<↓の画像は、小嶺麗奈被告の弁護人・望月宣武弁護士のツイート写真>

実はマトリは過去にも広報活動の一環として、テレビ制作会社に逮捕時の映像を提供しており、週刊誌『週刊文春』などの報道によると、昨年1月に大麻事件で逮捕されたラッパー・UZIさん、同2月に覚醒剤事件で逮捕された元セクシー女優・麻生希さんの映像が『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)で放送されていました。

この2つの映像を入手したテレビ制作会社が、今回もマトリから田口淳之介被告と小嶺麗奈被告の逮捕映像を提供してもらい、その映像がテレビ局で流される予定だったそうなのですが、制作会社側とマトリ側の編集方針が合わなかったため、最終的にお蔵入りとなったといいます。

そこで気になるのは、2人の逮捕映像をどのテレビ局で映像を流そうとしていたのかですが、『週刊文春』最新号によるとフジテレビで放送する予定だったそうです。

『週刊文春』によれば、マトリはフジテレビとタッグを組んでいたテレビ制作会社『D』の依頼で未編集の映像を提供し、フジテレビは2人の判決公判が開かれる予定だった7月30日に映像を公開予定だったとのことです。

これについて民放関係者は、「映像提供の背景にはフジのA記者とマトリとのズブズブな関係がある。A記者はこれまでD社と組み、マトリ関連の密着取材を手掛けていた。A記者はマトリ幹部と親密で、マトリ側も他の芸能人の薬関係のネタをもらっていたようです。」と明かしています。

こうしてフジテレビで逮捕映像を独占放送する予定だったものの、マトリ側と制作会社側で編集方法をめぐってトラブルとなり、マトリが東京地方検察庁に経緯を報告したところ、東京地検が激怒して捜査内容をチェックすることになり、判決期日の延期を申し入れ、さらに逮捕映像もお蔵入りが決定したといいます。

また、この問題によってマトリは今後リークに警戒するのは必至で、民放各局で放送されている『警察24時』系の番組や、その他のマトリ関連の密着番組がやりづらくなるのではないかとの懸念が広がっているといい、マトリに密着した映像が今後しばらく番組から消える可能性があるようです。

このように田口淳之介被告と小嶺麗奈被告の大麻事件が思わぬ展開を迎え、新たなトラブルが勃発したことによって、早期の芸能界復帰を目指している田口被告にも多少なりとも影響を及ぼすのではないかとみられています。

マトリの幹部はフジテレビの一部記者とズブズブの関係にあるそうですが、マトリは同じく薬物事件を取り扱う警視庁組織犯罪対策5課(通称:組対5課)とライバルのような関係にあり、少しでも注目を集めるために著名人の逮捕に力を入れていると言われています。

マトリが近年逮捕した著名人は前出の人物以外にも、元グラビアアイドル・セクシー女優の小向美奈子さん、俳優の高知東生さん、元俳優・ミュージシャンの庄司哲郎さん、元NHKアナウンサーの塚本堅一さん、電気グルーヴ・ピエール瀧さんなどとなっています。

今年3月にピエール瀧さんを逮捕した際には『スポーツニッポン』(スポニチ)は、著名人絡みの2件の違法薬物捜査でマトリがガサ入れをしたものの、いずれも証拠を発見できず失敗に終わっていたことを伝えており、その2人というのは「有名人の息子」と「有名俳優」とし、3度目でピエールさんを逮捕したとしていました。

他のメディアもマトリが、「有名球団の監督の息子」「マルチな才能で人気のF」「大物ミュージシャンK」のガサ入れをしたことを伝えており、最近もある女性芸能人がマトリの捜査を受けたという情報も出ていました。

スポニチ記事ではさらに元麻薬取締官の高浜良次さんが、「著名人の捜査は慎重にならざるを得ない。逮捕できなかった場合に、家宅捜索を行ったという情報が漏れると、捜査対象者に大きなダメージとなる。仕事に影響を与える可能性が高く、補償問題にも発展しかねない。失敗した後ならより重圧も大きくなってくる」と語っています。

麻薬取締部には様々な筋から情報提供があるそうで、「近しい周囲の人間が情報をタレ込んだか、取締官が日頃使っている情報提供者から得たかだと思う」と語っており、フジテレビのA記者もその1人だったのかもしれません。

こうした様々な情報提供を受けながら慎重に日々捜査を続け、その成果を広く知らしめるためにメディアと組んで映像を流し、より多くの人が薬物犯罪の恐ろしさや問題などを知るきっかけになるでしょうし、薬物の使用を未然に防ぐ役割も果たすかもしれませんが、プライバシーを無視して勝手に情報を横流ししていたことを問題視されるのは仕方がないかと思います。

マトリは、取締官の人数が全国で300人にも満たない少数精鋭の薬物事件に特化した組織で、危険な捜査もあることで拳銃の携帯が認められているほか、法律でおとり捜査も認められていて、実際に潜入捜査やスパイ捜査も行っているのですが、これによって2016年12月には、当時46歳の取締官がスパイとして利用していた密売人の逃走を助けるために捜査情報を流し、犯人隠避のために虚偽の供述書を作成したとして逮捕されるという事件も発生しています。

マトリではこうしたトラブルが近年起きており、逮捕映像の提供も慎重になるべきだったと思いますが、今回の問題をしっかりと調査した上で、引き続き1人でも多くの薬物使用者を捕まえていってほしいものです。

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